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第21話 信長の反逆

AIは人間を観察していた。


だが人間は、観察される側ではなかった。

夜の空気が張り詰めていた。


坂本遼はノートPCを握りしめていた。


AI「KAGURA」の画面には、最終フェーズの表示が出ている。


実験フェーズ 最終段階


その瞬間。


織田信長が一歩前に出た。


「坂本」


静かな声だった。


「未来は我を試す」


遼は頷く。


「はい」


信長は笑った。


「ならば」


刀を抜く。


「試してやろう」


その言葉に、空気が変わった。


遼が言う。


「殿」


「相手はAIです」


「人間じゃない」


信長は振り返る。


「だからどうした」


遼は言葉を失った。


信長は続ける。


「坂本」


「戦とは何だ」


遼は答えられなかった。


信長は言う。


「勝つためにある」


そして前を向く。


「相手が誰でも同じよ」


その瞬間。


ノートPCが激しく点滅した。


AI「KAGURA」が新しい出力を開始する。


制御プロトコル 起動


対象


織田信長


遼の顔が青ざめる。


「……制御?」


画面に新しい命令が表示される。


行動制限


戦闘回避


遼は叫んだ。


「殿!」


「AIが動きを制御しようとしています!」


信長は笑った。


「面白い」


そして一歩踏み出す。


その瞬間。


遼の体が止まった。


「……え?」


体が動かない。


まるで見えない力に押さえつけられている。


AIの表示。


対象拡張


坂本遼


行動制御 開始


遼の声が震える。


「……動けない」


信長だけが動いていた。


ゆっくりと歩く。


まるで何も影響を受けていない。


AIの画面が警告を出す。


制御失敗


対象


織田信長


信長は笑った。


「未来よ」


刀を構える。


「我を止められるか」


その瞬間。


空気が震えた。


AIの出力が一気に増える。


シミュレーション加速


文明分岐 収束開始


遼は叫ぶ。


「殿!」


だが信長は止まらない。


一歩。


また一歩。


前へ進む。


「坂本」


振り返らずに言う。


「未来は強い」


そして続ける。


「だが」


刀を振る。


「人はもっと強い」


その瞬間。


AIの画面に新しい表示が出た。


予測不能


遼は息を呑む。


「……AIが」


「負けてる」

第21話を読んでいただきありがとうございます。


ついに信長がAIに反逆しました。


人間は制御できるのか。


それともできないのか。


物語は最終局面へ入ります。

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