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異世界のんびり漫遊記  作者: カイ
第4章 ネシア〜

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143、試合前日 1

街中の屋台を見ながら食べていた4属性竜の長達4人。

身体は人並みの大きさなのに、胃袋は元と同じではないのか?と思うくらい、めちゃめちゃ食べる。

ホント、いつまでも食べているよ、この4人。


俺たち人族+セバスは普通の胃袋だから食べられるものには限りがあるので、それぞれ食べたいものを食べるようにしているんだけど……それでもユーリは俺たちよりいっぱい食べるようだね。


竜の4人はそんなユーリの何倍も食べていて、屋台の端から端までを食べる勢いだ。

いや、もちろん一人一つずつ食べたとして、だけどね。


普段は竜の姿で生肉を食べていることがほとんどだから、グリーさん以外は調理してあるのを食べるのはまず無いそう。

だからきちんと調理してあるのを食べるのは今回初めてで、この旅で3人はとてもカルチャーショックみたいなのを受けたようだ。

今後、これがいい影響を与えるようなら、これからもこうやって連れ出すのも考えても良いかもね。



とりあえずぞろぞろと総勢11人で歩いて、闘技場へと向かう。

ある程度お腹がいっぱいになった4人はご機嫌で前を歩く。

はた目には俺たちはみんな同じ「人族」に見えるけど、どうやら獣人の中には違いが分かる人達もいるみたいだ。

昨日はグリーさんしかいなかったから気づかれなかったみたいだけど、今日は大人の竜が4人もいるせいか分かりやすいようで、かなり距離があるのに竜の4人と目が合うと慌てて目を逸らす人が結構いる。

観察しているとどうも犬科?の獣人がその傾向があるみたいだから、もしかすると匂いが違うのかもしれないね。


そうそう、なんで闘技場に来たのかというと、明日の試合は初日ってことで前もって説明があるそうで、今日の昼過ぎに来てくれと言われたんだ。

お昼を屋台で食べているうちにかなり時間が経ってしまったから、ちょうどいい時間になったかな?



闘技場に着いてチケット売り場の人に声をかけようとしたら遠くからでも気づいたらしく、昨日のお姉さんが走ってこっちに来た。


「お待ちしてました〜!こちらへどうぞ!」


そう言ってお姉さんは人数の増えた俺たちを引き連れて、闘技場の中へと案内する。


「とりあえず参加者の3人は私についてきてもらうとして、お連れ様はこちらの部屋でお待ち下さい。」


お姉さんはそう言って1つの部屋のドアを開けた。

俺を含めた参加する3人はそのままお姉さんについていく。


「……そういえば昨日聞きそびれたんですが、皆さんは神聖法国から来られたんですか?」


お姉さんが少しだけ警戒した声で訪ねてきた。


「いや、俺たちはクレイン国のスノービークっていう街からここに来たんだ。昨日も話したと思うが、冒険者だから世界中を旅することもある。」


スコットさんがそう言うと、お姉さんはホッとした顔をした。


「ですよね!昨日クーガーさんから『あいつらもしかすると神聖法国のやつかもしれない』なんて言われたんですけど、違いますよね!すみませんね、疑っちゃって。」

「しょうがないですよ、こいつの髪色じゃあ、そう思う奴もいますからね。でも俺たちはあの国とはどちらかというと敵対しているくらいなんで。」


お姉さんに対してリッキーがそう念を押して『関係ない』事を伝える。


それから暫く歩いていくと、大きな部屋へ到着した。

そこにはもうかなりの人数の人が集まっていて、どうやら俺たちが最後の参加者だったようで、ものすごく注目されてしまった。

その目は大抵はすぐ逸らされたんだけど、残ったジッと見てくる人の目は間違いなく歓迎されている目ではない気がする。


そういう人が集まってコソコソと話しているのも見えて、なんだかものすごく居心地が悪い。


「……気にするな、シエル。お前は、あの国とは全く関係ないんだからな。」


そう言ってリッキーが慰めてくれた。

スコットさんも励ますためにか、頭をぐしゃぐしゃと撫でた。


「え〜、出場予定の選手が全員揃ったので、説明を始めます。毎回出場されている方にとってはもう聞き飽きたのかもしれませんが、初出場の方もいらっしゃいますのできちんと説明させてもらいます。」


司会者らしき男性がそこで一旦区切って周りを見渡した。

不満の声は出なかったようなので、司会者は続きを話し出した。


「まずはルール説明から致します。ルールは単純で、相手が降参や意識喪失などの戦意喪失の場合、舞台外へ落とされた場合、武器が折れてしまったなどの試合継続不可能の場合に勝敗が決まります。ここまでで何か質問はありますか?」


司会者はこちらをチラッと見て、そう言ってくる。

なるほど、まぁ妥当な勝敗決定だね。

何も問題はなさそうだ。

スコットさんが頷くと、また司会者は話し出す。


「次に、試合中の禁止事項になります。試合中にやってはならないことは3つ。1つ目は魔法を使用すること。但し、肉体強化系の魔法は使用可ですがそれ以外は禁止です。2つ目は四肢欠損等の大怪我をさせること。3つ目は殺してしまうこと。通常はこの3つを禁止事項にしておりますが、今回は特別に『巫女』様が試合会場にいますので2つ目の禁止事項は無くなります。まぁ、3つ目は即死でない限り『巫女』様が回復なさってくださいますので、ご安心を。」


そう司会者が言うと、さっきまで俺を睨んできていた奴らがニヤッと笑った……気がした。

……俺、そんな弱そうに見えるのかな?いや、見えるか。


「……大丈夫だ、お前は強い。」


リッキーが俺の目を見て、そう言ってくれた。

……ありがとう!ちょっと元気出た。


この会場の雰囲気のせいでかなり凹んでいたが、リッキーと兄さんのおかげで少し気持ちが持ち上がったよ。

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