126、ローランの街、再び!
みんなと避難者の件で話し合い、それぞれの相談者へと向かう事に。
俺はローランの街のルーシェさんの所へ相談に行く予定だ。
「久しぶりのローランだな!」
「ああ、もしだったらいつもの宿屋に行って料理を貰ってきてくれないか?エルフの隠れ里でかなり減ったからさ。あっ、あとこの前の戦闘で傷ついてしまったから俺の刀をおっちゃんのところに持っていってくれないか?」
「なるほど、確かに相当な戦闘でしたもんね!なら、みんなの武器も預かって、持っていってあげたほうが良いかな?」
「そうだな、みんなの武器も相当傷ついていると思うからな。よろしく頼むよ!」
「わかった、じゃあ先にみんなの所に寄ってから向かうよ。」
俺はリッキーにそういうと、みんなの家へ向かった。
やっぱり皆もそこが気にはなっていたらしく、預かってみてもらうって言うと喜んで自分の武器を差し出してきた。
皆もゴーダさんに会いたかったようだが、用事があって行けないそう。
皆の武器を預かったら、最後に寄ったエミリーさんの家で転移させてもらった。
さすがに街の外に1人で出ていくのは止められそうだからね。
事情を話すとエミリーさんのお母さんも了承してくれたよ。
久々のローランにはこれまた同じ理由で門のところから1人で入るわけに行かず、直接ルーシェさんの『ギルマスの部屋』に転移した。
「おや?久しぶりだねぇ、シエルくん。元気そうでなによりだよ。」
ルーシェさんほ転移した俺を見て、にこやかな笑顔とともにそう言った。
「ええ、みんな元気ですよ。たたちょっと、この前スノービークに大量の魔物の襲撃がありましたけどね。」
「えっ…?街は大丈夫だったの?」
「ええ、街にはユーリが結界を張ってくれたので無事ですし、魔物は俺たちでなんとかしました。ですが……その時に神聖法国の『神』だという者が現れると天からの光の柱のおかげで撃退できたんですよ。」
それを聞いたルーシェさんは顔を引き攣らせて「大変だったねぇ……。」とだけ呟いた。
「その後、セバスが彼の国を見に行ったんですけど、どうやら上位神官が軒並みいなくなっていて、混乱を極めているようですね。」
「……軒並み?」
「ええ、ほとんどいなかったらしいです。」
俺の言葉を聞くと、ルーシェさんは顎に手を当てて考え込みだした。
「……嫌な想像だけど、その上位神官たち、『討伐した魔物』の中にいたんじゃないかな?」
「えっ、でも人なんていなかったですよ?」
するとルーシェさんは驚くべきことを話しだした。
どうやら上位の魔物の中には人に化ける事のできる者もいるらしい。
……えっ、それって、普通に街の中に紛れ込んでいても気づかれないってこと!?
俺の驚きを見て、苦笑したルーシェさん。
どうやら人に化けていてもそのオーラはあまり隠せないそうで、禍々しい者は禍々しく、神聖な者は神聖な雰囲気を感じるそうだ。
考えてみればセバスも『神獣』っていう魔獣の一種だもんね。
なら禍々しい魔物にも人化できる者もいるよね。
そっか……もしかするとあの『馬の頭をした魔物』、人の言葉を話せたからその上位神官の1人だったのかもしれないね。
一体、神聖法国ってどんな国だったんだろう……。
リッキーさんの話だと知り合いの神聖魔法を使えら人は洗脳されて下位神官になっていたって言っていたし、そうやって魔物が人を洗脳という手段で支配していたのかもしれないね。
エルフや獣人は感覚が鋭いらしいから、だから上位神官には会わない街の外で奴隷として働かされているんだろうな。
……あっ、奴隷!
「そういえばこの街に来たのはそれに関係する件なんです。実はその混乱に乗じて、街の外にいるエルフや獣人、その他の人族の奴隷を転移魔法で助けられるんじゃないかって話し合ったんです。それで、人数が多いかもしれないからエルフの隠れ里でエルフを、ここローランで獣人を、スノービークではその他の人族をいったん避難民として受け入れてもらい、体調が回復したらグリーさんに、送ってもらおうと思っているんですが……どんなもんですかね?受け入れてもらうことは可能ですかね?」
「……なるほど、確かに混乱している間ならそれも可能だろう。でも君の転移魔法はそんなに大量の人数を運べるのかい?」
「こればかりはやってみないと何とも言えないですけど、何回も運べばいいと思います。」
「それは確かに。でも彼の国の『神』は今どんな状態なんだい?確かにあの国にはそんな存在が昔からいるらしいし。危険はないのかい?」
やはりルーシェさんもそこが気になったんだろう。
俺と同じ事を言っている。
「ええ、俺もそこが気になってユーリに聞いたら『確かに危険はあるかもだけど、結界の外に誘い出す『餌』になる』って言われたそうで。その人が何かしらしてくれるってことだと思うんですよね。」
「なるほど……誘い出したら創造神が対処してくれるのかもしれないね。ならば、やってみるしかないんじゃない?」
そう言って、ルーシェさんが賛成してくれた。
街に受け入れる件は、ルーシェさんからこの街の領主に掛け合ってくれることになったよ。
これで少し計画が進んだ。
他の2人も上手くことが運んだかなぁ?




