閑話 ある神の贈り物
私はいつものように、天界と呼ばれる神の住まいから『私の創った世界』にいる『彼』と『私の分身』を眺めていた。
どうやら地上にいる彼らの周りで、私の代わりに地上の秩序を保つために『管理者』をしている神のうちの1人がおかしなことをしでかしているようだ。
でもこのくらいなら彼らだけでも対処ができると見守っていた。
だがそれでは対処できなさそうな案件ができたので、私は『私の分身』から頼まれて手を貸してあげることにした。
どうやら『彼』の魂を異次元を超えて『異世界』と呼ばれる場所へと送り込んだのはテネブルかもしれないという疑いが出てきたが、まだ確証はない。
ただ彼女は『管理者』でありながら、地上の民とあまりにも近しい。
その上、今回の事件により、彼女はもうすでに『神』の資格を有していない可能性すら出てきた。
『管理者』は本来、人とは関わりを持たずに、たまに神託を出すくらいの関わりしか持たないはずなのだ。
それがテネブルはあろうことか地上の民の目の前に存在し、あまつさえ実際に会話をしたりしている。
その上、闇落ちしてしまったようでは……。
今まで多少は目をつむってきたが、さすがに今回のことは目に余る。
私はテネブルに処罰を下すことにし、今回の件に対して『彼』にはプレゼントをあげることにした。
何にしようかと考えていたが、『彼』が一時的にいた地球での今の時期を考えると『クリスマスプレゼント』として『特別な贈り物』が思い浮かぶ。
……どうやら私も、こちらに戻ってきた『彼』をずっと見守っていたからか、人らしい感情が少しは芽生えたのだろうか?
それが良いのか悪いのかはおいておくとして、早速『彼』の為に『プレゼント』を開始する。
寝ている間にこっそりと、痛みも苦しみもなく、記憶の融合を行う。
そうそう、まだ『彼』は『彼の友人』の鑑定を行ってないから気づいていないのだが、ついでにこの3人も同様に進化させておかねばなるまい。
やはり同じものになれば嬉しかろう。
とにかく、それら諸々のことを夜中のうちにすべて済ませておく。
明日の朝、彼らが目を覚ました時には驚くに違いない。
それを考えた時、口の端がきゅっと上がったのが分かった。
私にも『笑う』という感情が芽生えたのを感じた瞬間である。
……さあ、全ての準備が終わった。
『彼』と『彼の友人たち』、『私の分身』へ向けた、祈りを送ろう。
彼らの今後に、幸多かれ。




