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異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜  作者: カイ
第1章 出会い〜旅の始まり

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63、ゴーダさんの店に行こう!

翌朝、早朝から皆で朝食を取り、しっかり装備をつけてから揃ってゴーダさんのお店へと向かう。


朝もかなり早い時間であるにもかかわらず、ゴーダさんは店を開けていた。

やはり鍛冶工房は朝が早いのかな?


店の中に入るとリッキーさんが前回と同じく店の奥の方に向かって声を掛ける。

すると少ししてゴーダさんが1つの箱とエミリーさんの短剣を持ってきた。

多分はこの箱はリッキーさんのために打った刀だろう。


「まずエミリーに手入れをしておいた武器を返すな。」


ゴーダさんはエミリーさんに短剣を手渡す。

エミリーさんは「ありがとう、ゴーダおじさん!」と言い、代金を支払った。


それからゴーダさんは持っていた箱をリッキーさんに手渡す。


「これはリキ坊に頼まれていた剣だ。そこにいる坊主と同じ形の剣だぞ。俺の先祖ほど上手くは打てないが、それでもなかなかの切れ味がある物に仕上がったから、リキ

の旅の役に立つはずだ。大事にしろよ?」


ゴーダさんはにやりと笑いながらそう言い、リッキーさんに箱を開けるよう促した。

リッキーさんは言われた通りに箱を開け、中の刀を取り出す。

その刃はとても綺麗で、ゴーダさんの腕もご先祖様に並ぶくらいなんだと思わせた。


リッキーさんはその刀に見惚れていたが、ハッとするとゴーダさんに向き直り、頭を下げて感謝の言葉を言った。


「おっちゃん、俺のためにこんなにもいい刀を打ってくれてありがとう!一生大事にするよ!」

「いや、一生でなくて良いぞ。気に入ったならまた打ってやるから、その代わり手入れは必ず俺に任せろよ?それだけは守ってもらいたい。せっかく良い出来の物なのに、この剣をよく知らない奴にいじられるのは我慢ならねぇんだ。」


ゴーダさんが苦笑いをしながらリッキーさんに頼むと、リッキーさんはもちろん快諾した。

それからリッキーさんはゴーダさんに料金を支払おうとしたのだが、どうやらゴーダさん、かなり低い価格でリッキーさんに譲ったらしい。


「いい品物には相応の金額でないと職人さんのためにならない。」とリッキーさんが言い張り、少なくても言われた金額の2倍を支払った。

満足げなリッキーさんとちょっと不満そうなゴーダさんで、なんだか逆転している気がするが、まぁ……それでもいいんだろう。


ゴーダさんにみんな料金を支払い、店を出る。

俺たちが帰る時に見送りに来ていたゴーダさんに、リッキーさんが代表して明日の昼前にはこの街を発つ事を告げた。

するとゴーダさんは少し寂しそうな顔をしたが、今までも何回も見送りと再び迎えることを繰り返していたので、今生の別れにはならないと信じているようだ。


「……明日、どの門から発つんだ?」

「実は明日、門からではなくギルマスから送ってもらうことになっているんだ。」


リッキーさんがそう言うと、ゴーダさんはかなり驚いていた。

どうやらそんな魔法が使えると思ってなかったみたいだ。


「じゃあルーシェはどこにお前たちを送るんだ?」

「最終的な目的地?は俺たちの故郷のスノービークだが、まずはエルフの隠れ里に連れて行かれるらしい。」

「ホントなのか!?エルフはなかなか里に『ニンゲン』を入れたがらないはずなんだがな?」


するとスノーホワイトのメンバーはみんな苦笑いしている。


「ルーシェにシエルが気に入られたんだよ。だから長老に合わせたいんだとさ。」


スコットさんが理由の一つを伝えると、ゴーダさんは納得した顔になった。


「じゃあ、そういうことなら現地までは安全だな!だが森の中は強敵ばかりだと聞くし、気を引き締めて行くんだぞ?」

「ああ、わかっている。十分気をつけてスノービークに向かうさ!だから安心して俺たちを送り出してくれ。」

「……俺の打った武器が、みんなの命を守ってくれるよう、祈っておくからな!」


最後にはゴーダさんも笑顔で手を振ってくれた。

今日はこの後、ブル狩りをすると伝えると笑いながら「頑張れよ?美味い肉が取れたら俺にも少し分けてくれよ?」なんて言っていたよ。

もちろんそういうことなら頑張りますかね!

- - - - - - - - - - - - - - - - - -


それから俺達はゴーダさんに別れを告げて、西門へと向かう。

そこから外に出ると、遠くに森が見えた。

その手前には牧草地帯のような広い平野が広がっていて、肉眼でもあちこちに黒い?何かがいるのが見えた。多分あれがブルなんだろう。


「リッキーさん、あの遠くに目える黒いのがブルなんですか?」


俺がそう聞くと、リッキーさんは頷いた。


「そう、あれがブルなんだが……遠目だから確信はできないが、多分高級ブルのブラックブルじゃないかと思う。」


ブラックブルって、もしや日本でいう黒毛和牛みたいなものなのか!? 

だとしたら、かなり美味いんだろうな……!

俺は涎が出そうになるのをこらえて、そのブルたちに目線をやる。

……待ってろよ、ブラックブルよ!


考えてみると、ブルに近づこうと思っても隠れる場所がないことに気づいた。

えっ、これって遠距離で攻撃しないと逃げられちゃうんじゃないかな?


俺がリッキーさんにその事を伝えると教えてくれたんだが、どうやらブル系は強い種らしくてCランク以上じゃないと倒せないらしい。

ブル達はその事を理解しているようで、攻撃されないうちは反撃も逃げもしないらしい。

……なるほど、それはありがたい。

逃げられずに簡単に近づけるではないか!


それから俺達は普通に歩いて近くまで行き、辺りに散らばってはいるがかなりたくさんいるブラックブルを観察した。

確かに逃げないな……。

ブル達は俺達の存在に気付いてはいるようで、こちらを見ている個体がちらほらといる。


「さて、ブラックブルを狩ろうと思うんだが……5人で武器のみでやるにはブルの数が多すぎる。このままでは狩ることで逃げられるより狩っている最中に襲ってくるほうが確率が高いと思うんだが、皆はどう思う?」

「まず間違いなく襲ってくるな。じゃああれだ、エミリーには俺達の狩る方向と違う方に向けて攻撃してもらうか?それなら襲ってきづらいと思うんだけど?」

「そうね、それでいきましょう。リリーは……水魔法で攻撃できるでしょ?私と同じ方向でやりましょう!」

「わかりました、それでいきますか!」


みんながどう動くかの相談が終わり、それぞれ散った。

スコットさんの合図で一斉に始めることになっている。

俺もゴーダさんが譲ってくれた刀を構えて緊張しながら合図を待っている。


作戦はうまくいくだろうか……?

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