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異世界のんびり漫遊記  作者: カイ
第6章 王都近くのダンジョン編〜

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234、10階層のフロアボス戦 3

その時、開いていた扉の方から眩しい光が。


皆で驚いて振り向くと、部屋の中央付近に大きな光の塊が3つ出現していた。……なんだ、あれ?


「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど、今まであんな風にフロアボスって出現していたの?」


俺は知ってそうな人たちに向かって問いかけた。


「……まぁ、確かにあんな風に出てくることあるが……あんなに長いこと光らずに一瞬?で出てくるぞ?」

「そうだな、確かに長いな。」


リッキーやアインスさんが答えてくれたが、2人とも訝しげな顔で光を見ている。

やっぱりダンジョンによく通っていた人から見ても『おかしい』って感じるんだね?


皆でその光を見守っていると、その光が一気に弾け、すごい重量感のある物が地面に落ちた音がした。


光が静まると、そこには3匹の魔物がいた。


1匹は骨でできたドラゴンぽい魔物。


もう1匹はドラゴンゾンビのような魔物。


最後の1匹は……なんだろう?

骨でてきている魔物なのは間違いないんだけど……肋骨みたいな部分と脚がめっちゃいっぱいある胴長で首長の巨大な魔物だ。

まるでドラゴンと足の長いムカデを足したかのような、歪な形をしている。


「……おいおい、なんでこんな所にドラゴンぽい魔物がいるんだ!?普通はこんな魔物、こんな低層で出てきやしないぞ!?」


アインスさんが悲鳴のような声でそう叫ぶ。

スノーホワイト以外の他のメンバーも絶望した顔をしていた。

スノーホワイトは実際のドラゴンと知り合いだったり、現在人型の最強ドラゴンがいたりで慣れているからか、そこまで驚いた感じは無い。

それに何だかんだ言っても、アンデッドには違いがない。

俺とユーリのコンビがいれば、まずは攻略できるだろう。そういう意味では相性の良いフロアボスだね!


「それにしてもあれだな、これがこの階層のフロアボスに定着してしまうと他の奴らは上の階層に行けなくなるな。」


リッキーが思わずといった感じで、そんな事を言った。

……それは俺も思った。


「とりあえずシエルとユーリにとっては相性抜群の相手だから、このフロアは2人に任せるがいいか?」


スコットさんがこっそりと、俺とユーリにすまなそうに頼んできた。


「もちろん良いよ!にぃにと一緒に頑張る!」

「私も微力ながらお手伝いいたしますよ。」


ユーリが嬉しそうに満面の笑みでそう言うと、セバスがすかさず澄ました顔でそんな事を言う。


そこで俺とユーリは魔力コントロールをセバスに任せることにし、神聖魔法の『浄化』をセバス越しに部屋に充満させた。

そうすることで俺とユーリは目立たなくなり、表向きには『初老の男性がすごい神聖魔法の使い手だった』ように見えるので、セバスに他の人の目が向くことになるわけだ。


そうやってどんどんと溜めていくのだが、ある一定のところまで来ると溜まらなくなってきた。

部屋の中では中途半端にしか消えていない3匹の魔物が大暴れをして、建物が少し崩れかけている。

その内の1匹はどう見ても俺たちに気付いているようで、大きな頭をこちらへと振って入り口を崩そうとしてきた。


俺は危険を感じ、慌てて追加で結界を張って3匹を閉じ込めると、暴れていても建物にも振動が伝わらず、更に濃度も濃くなってきたようで徐々にだが消えていき始めた。

それを見て俺はホッとし、更にセバスに魔力を渡す。

どうやら扉から魔法が漏れていっていたようだ。


かなり時間は掛かったが、最終的には3匹とも綺麗に消え去り、あとに残ったのは何故かこの場にいる人数分の転移石と、巨大な魔石3個だった。


これで巨大な魔石が4個になり、俺がこっそりと目標にしている6個まであと2つになった。


無事にアンデッドドラゴン3体を討伐できたのを見て、みんなホッとしたようだ。


「いやぁ~、一時はどうなるかと思ったが、君たち3人は凄いんだな!どこでそんな魔法を習ったんだい?」


アインスさんが深く考えてなさそうな顔でそう聞いてくる。


「……そこら辺は聞かないでくれないか?」


リッキーがすかさずアインスさんたちに釘を刺す。

すると慌てたアインズさんが「すまない、詮索するつもりはなかったんだ!」と謝ってきた。


「本当にすまなかった!こいつ、疑問に思ったことはつい口に出しちまうんでな。気を悪くしていたら申し訳ない!」


そう言ってツヴァイさんたちも謝ってきた。


「良いですよ、そんな気にしていないんで。ただ、リッキーの言う通り、そこら辺は『企業秘密』ということて!」


俺が茶化すように明るくそう言うと、その場にホッとした空気が流れる。

良かった、最後に変な空気のまま別れることにならずに済んで。


彼ら2チームは、ドロップした転移石を使って地上へ戻ることになり、皆で転移魔法陣がある部屋へと向かう。


「君たちには本当に世話になったな。君たちのおかげで俺たちは無事に地上へ戻ることができる。」

「ああ、本当に助かった。ありがとうな!」

「地上に戻って、王都でまた会えたら、その時は奢らせてね?」

「ありがとうな!」


『大樹の木漏れ日』のメンバーは口々にそう言う。

うん、王都で会ったら声をかけるね!


「俺たちも、このダンジョンからは生きて出られないとあの休憩所で考えていたくらいだ。あの時にもらったポーションは、お守り代わりに大事に取っておくよ。本当にありがとうな!」


もう1グループも泣き笑いの顔でそう言って手を差し出してきた。

俺たちは「気をつけて帰れよ?」とか「王都に無事に着くまでが冒険なんだから、気を抜くなよ?」とか言いながら握手をしていく。


彼らが俺たちに手を振りながら魔法陣から消えていくのを見送り、俺たちもようやく肩の荷が下りた感じだ。


良かったね、また無事に冒険者をダンジョンから帰還させられて。

彼らはこのフロアで起こったことを冒険者キルトに報告するとのことだ。

『異変』がある事をしっかりとしっかりと伝えること。

それも大事な冒険者の仕事だ。


「……それじゃあ、俺たちはどうする?まだ上に行くか?」


スコットさんが聞いてくる。

みんなの答えは『イエス』た。


この転移魔法陣がある部屋で敷物を出し、その上で昼食をとることにした。

ここなら敵も出てこないので、安心して休憩できるのだ。


先ほど使った魔力の回復も兼ねて、今夜はここで寝るか?なんて話も出ている。

上の階に行っても安心して休めないなら、ここが一番安全かもしれない。


とりあえず俺たちはゆっくりとお昼を食べながら今後のことを話し合った。


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