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異世界のんびり漫遊記  作者: カイ
第6章 王都近くのダンジョン編〜

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232、10階層のフロアボス戦 1

翌朝、俺はスッキリした気分で目が覚めた。

やっぱりあのくらいの魔力残量なら一晩で回復できるってことが確認できたよ!


俺は起きてすぐにテントを出る。

するとそこには早起きしていた『大樹の木漏れ日』のメンバー達がいた。


「おはよう、ぐっすり眠れたかい?」


リーダーのアインスさんがにこやかな表情で俺に聞いてきた。


「ええ、良く眠れたらしくてスッキリした気分で起きられました。皆さんはどうです?」


俺も皆に聞くと、皆も笑顔で頷いた。


「ああ、俺たちもとてもぐっすり眠れたよ。これなら今日のボス戦もバッチリだって言い切れるくらいに元気だぜ!」


ツヴァイさんがそう言ってガッツポーズをした。

うん、本当に元気いっぱいって感じだね!


「ところで朝飯はどうするんだ。チーム毎にみんなの手持ちを出して食べれば良いのか?」


アインスさんがチラッと期待を込めた目で俺の方を見てきた。……わかってる、だから早く起きたんだよ。


「いえ、俺が朝ごはんも作る予定です。汁物は昨日の残り物でいいですか?」


俺がそう言うと、彼らは歓声をあげて喜んだ。


「そうか、それはありがたい!昨日の夕飯を作ってもらっただろ?あれが忘れられないくらい美味かったんだよ。できれば君たちと行動を共にしている間は同じものを食べたいんだが……どうだろう?」

「良いですよ、元々そのつもりでしたし。」


みんなの期待を込めた顔を見て、俺は吹き出してしまった。そんなに美味しかったんだね?


それから俺は手早く薪に火をつけ、竈に昨日の鍋をかける。

今日の朝食はそれと作り置きの唐揚げを使って「唐揚げ丼」とサラダにしようと思う。バランスは必要だよね!


唐揚げ丼はすぐできるから最後に回し、まずはサラダを作ることにした。っていっても、サラダも楽だけどね!


鞄からテーブル、椅子、まな板、包丁、ボウル、木の器、キャベツとレタス、きゅうり、ミニトマトを取り出す。あ、ドレッシングもいるよね!


まずはキャベツとレタス、きゅうりを刻み、ボウルに入れる。

そこにドレッシングをかけて良く混ぜ合われると器に盛る。

さらに彩りのミニトマトを乗せれば完成だ!


それができる頃にはリッキーたちも起き出してきたので、手早く唐揚げ丼を作るとサラダと共にそれぞれの席に置く。もちろんスープも盛って置いたよ!


「さあ、食べましょう。今日はこのフロアのボスと戦うから、ガッツリしたものにしました。」

「おぉ~、唐揚げ丼だな!この唐揚げ、めっちゃうまいんだよな!」


俺の言葉に、リッキーが嬉しそうに唐揚げ丼を持ち上げて「いただきます!」と言って食べ始める。

それを見て、他のみんなも慌てて食べ始めた。

よほど美味しかったのか、みんな食べ終わるまで黙ってガツガツと食べていたよ!



みんなが食べ終わった後、お茶を飲みながらこれからの予定を話し合う。


「俺達はボスと戦って転移石を手に入れたら地上に戻るつもりだ。今のダンジョンは危険だからな。安全なうちに外に出ないと。君たちはどうするつもりだ?」


アインスさんがこちらにそう話しかけてきた。


「俺たちはとりあえず軍がこのダンジョンに到着するまでは頑張って戦おうと思っている。特に上の階で魔物の大量発生が起きると、軍の上位者が来たとしてもかなりの苦戦を強いられるだろうから、今のうちに間引いておいてやらないと。そのために俺たちは上に向かって進む予定だ。」


スコットさんが真剣な顔でそう言う。

まさにそうなんだよね、最悪なのが最上階での魔物の大量発生なんだけど、それに至る前になんとか数を減らさないとならない。

軍が到着してどんどん魔物の数を減らしていってくれれば、最悪の状態は免れる。

俺達はそれまで頑張る予定だ。



それから俺達はテントや諸々の道具を片付ける。

もちろん昨日作った風呂も、水を抜いてから鞄にしまった。これはこれで、再利用できそうだね!


みんなの準備ができたので、この休憩所の出入り口へと揃って向かう。


出入り口に着くと、そこには昨日回復ポーションをあげたチームが立っていた。


「どうしたんですか〜?何かありました?」


俺は大きな声で彼らに話しかける。

すると彼らはホッとした顔で俺たちを見た。


「君たちか!いや……実はこの現象を見て、どうしたらいいかと考えていたところなんだ。」


彼らの中の1人がチラッと入り口の外を見た。

そこには結構離れた所に、まるで何かに阻まれているかのように大量の魔物が立っていた。

中には拳を叩きつけているやつもいる。


なるほど、俺の張った結界に阻まれて近寄れないでいるんだというのはすぐに見てわかったが……あんなに遠くまで結界を張っていたとは思わなかったなぁ。


「大丈夫ですよ、魔物が近寄れないのは俺が休憩所に結界を張っていたからなんです。休憩所の結界って朝になると自然になくなるんですよね?実は5階層の休憩所でも同じ様に結界を張っておいたら、翌朝同じ様に結界の外にはここよりも沢山の魔物がいたんですよね。」


俺がため息とともにそう言うと、この場にいる2チームは驚いたようだ。

そう、あの時の魔物の量から見ると半分くらいかもしれない。


俺達『スノーホワイト』としてはこのくらい、みんなで手分けすれば全然こなせる数だ。

それはみんなもわかっていたので、目配せでそれぞれの担当場所を決め、魔物排除をするために散らばった。

ちなみに俺はユーリと一緒に入り口を中心に45度ずつが担当だ。


みんながそれぞれの持ち場に到着した頃、俺は刀を構えてから結界を解く。

解いた瞬間に一斉に魔物がなだれ込んできた。

他の2チームは驚いて固まってしまったが、俺は素早く魔物のもとへと向かい、次々と屠っていく。

倒した魔物は次々とドロップ品へと変わっていき、その殆どは魔石だった。

他のものはあまり無かったのは珍しいね?


あんなにいた魔物の集団も俺たちの魔物を倒すスピードが速かったため、あっという間に殲滅してしまった。


「……お前達、なんて強さなんだ。噂以上の強さだよ。どうしたらそんなに強くなれるんだ……?」


『大樹の木漏れ日』のリーダー、アインスさんは呆然とした顔でそう呟いた。

それを聞いていたもう1つのチームは「噂以上?」と彼に聞き返した。


「……ん?お前達は聞いてなかったのか?彼らはあの『スノーホワイト』なんだ。あっちこっちに散らばった4人組が元々のメンバーで、ここにいる3人が後で加わったらしい。」

「なるほど、通りで人数が噂と合わないはずだ。」


アインスさんの言葉に、ようやく納得がいったらしい。


「それにしても俺たちは幸運だったな。昨日彼らにポーションをもらった時は王都へ無事に戻るのを諦めかけていたのに、彼らと一緒なら必ずこのフロアのボスに勝ってダンジョンの外へと出られる。本当に、運が良かった。」

「そうだな、それは俺たちも同じだ。彼らがいればなんとしても王都に戻ることができる気がする。」


彼らはそう話して互いに頷いている。

……彼らだけではそんなにも帰れる確率低かったの?



とりあえずリッキー達が戻ってきて合流した後、一路このフロアのボス部屋へと向かった。

相変わらず延々と続いて見える砂漠の中、どうやって方向が分かるのか、みんな迷いもせずに同じ方向へと歩いている。何か目印でもあるのかな?



途中オアシスみたいな場所が何ヶ所かあり、そこで休憩を取りながら目的地へと進む。



それからしばらくすると、かなり先の方になるが、地球では写真なんかで見た事のある建造物が見えてきた。

最初は俺の目の錯覚かと思ったが、近づいて行けば行くほど、見間違いではないのが分かる。


えっ……?

この世界にもこの建造物ってあるんだね!?

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