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侵略者  作者: 京衛武百十
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感覚

ブロブハンターギルドと駆除業者によるブロブ一斉駆除については止められる当てがない。


一斉駆除の話を知った時にマリアンはまず、(つて)を辿って役人や政治家にも当たってみたが、どれも手応えはなかった。動物保護を訴えている団体も、野生動物にとっても危険な存在であるブロブの保護についてはあまり積極的ではなかった。どうしても生理的嫌悪感が先に立ってしまうのだろう。


『ゴキブリを保護しろ』とか言う人間があまりいないのと似たようなものかも知れない。


しかし、それでは結局、人間にとって都合のいい生き物は保護し、そうでないものは駆除していいというだけであって、自然に則した保護活動などではない筈だ。マリアンはそういう意味では世に溢れる保護団体というものについては懐疑的な立場でもあった。それでも必要とあらば利用するくらいには割り切れるのだが、今回についてはそもそも役に立ちそうになかった。


ただ、一か八かのアイデアというものなら、なくもなかった。マリーベルがいる今なら、おそらく可能な方法だった。実は既にさっき、マリーベルともそれについて話もしている。


「ブロブの中にいる人々に、人間に対して呼びかけてもらうというのは可能?」


と。それに対してマリーベルは、


「人々って言えるほどは呼び出せないかな。たぶん、私一人でサポートできるのは二~三人が限度だと思うし」


とのことだった。さすがにその程度ではインパクトに欠けるかもしれない。何より、逆に故人を貶めるとして反発を招く可能性さえある。ブロブにより亡くなった人々を全員呼び出すほどでなければインパクトが足りないと、マリアンも感じていた。だからこのアイデアは、その時点では保留となった。しかし、マリアンの告白を聞いたベルカの頭によぎるものがあった。


「ねえ、マリアンがマリーベルと話してた、ブロブの中の人を呼び出すって話、一度に全員は無理でも、誰か、特に影響の大きそうな人を代表として呼び出してっていうのじゃダメかな…?」


ベルカのそれに、マリアンは渋い顔をする。


「私もそれは考えたんだけど、正直、それではまだ足りない気がするのよね……」


だが、ベルカも敢えて言う。


「マリアンの父親の事件だって、子供の頃の私でも覚えてるくらいインパクトあったよ。もし今、マリアンの父親がテレビとかに出たら私でも『え!?』って感じると思う。ブロブの件でも、特に有名な人だったらそれだけでも大きなインパクトあるんじゃないかな。ほら、開拓団の代表のウォレド氏なんて、彼の功績を称えて市の名前にもなってるしさ。知らない人は殆どいないだろうし」


無論、マリアンもそれは考えた。ただ、彼女は<学者としての観点>から効果を考えていたというのもあった。それに対しベルカは、そういうのではない、あくまで一般人としての感覚で言ったのだった。



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