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第284話:逆襲

 これで和弥の2連勝だ。1,000点100円(テンピン)だから負け分こそ大したこそないものの、菱崎は屈辱の気持ちで負け分を支払っていた。

 麻雀は4人で打つもの───今この言葉の意味を実感しているのは菱崎であろう。傍目から見ても分かるぐらい、激しく動揺しているのが分かる。

 3回戦目。(トン)1局。和弥は北家(ペーチャ)。ドラは二萬。麗美は対局者たちの気が逸れぬよう、少し離れた場所から和弥の手を見ていた。

 菱崎は絶好のチャンス手をモノにする。


(高目を引けば一発か裏で倍満まである…っ!!)


「リーチだ」


「そんなリーチ、誰も打ってくれそうにないぜ」


 牌を横に曲げた菱崎に、和弥は冷ややかに反応する。

挿絵(By みてみん)

「うっせ、ツモるってこともあるだろうが」


 捨て牌を飾る余裕などないので、放銃でのアガリ目はないという判断に至ったのだろう。


(それならダマにしたって中途半端、だったら裏ドラも期待出来るリーチが得策───と、そんなところかしら)


 麗美の想像通り、脇のサラリーマン2人がいくらタコでも


(このリーチに振ってくれるとは思っちゃいねえ)


 菱崎もそう考えていた。

 12巡目。


「ツモれたよっ!!」


 叩きつけるように、アガリ牌を置く菱崎。高目の七索であった。飛びつくように、すぐさま裏ドラを確認する。表示牌は六筒。すなわち七筒である。


「4,000・8,000っ!!」


 菱崎の麻雀は、一言で表せば“丁寧な麻雀”である。勿論丁寧さだけで和弥に勝てるとは思えないが、自分の手がどんなによくてもタッチが繊細で鳴ければ、同じリングに立つことすら無理である。

 東2局。菱崎の親。ドラは(ナン)


 一二三四五六七八⑤⑥⑦⑦北 


 十分に形は見えているので、3枚切れの(ペー)を安牌として抱えている状態だ。勿論ここも是非一通に纏めて、親満をアガっておきたいところ。

 そこに最高のツモである九萬を引いてきた。当然北を切ってテンパイに取る。だが、リーチはかけなかった。


(私なら勢いも相まって迷わず曲げるけど。ダマなら出アガリで5,800、ツモっても2,600オールと、少し物足りない気がする……)


 加えて、下家のサラリーマンが2副露をしての索子(ソーズ)の混一色をやっている。四・七筒は掴めば確実に切り出される牌だ。それを踏まえた上でも、やはりリーチの一手なのではないか。

 しかし、次巡の菱崎のツモは赤五萬であった。既にある五萬と振り替え、ダマの11,600に構える。


(まさか、この赤引きを考慮してのダマ選択だったの…? いや、まさかね…)


 1巡ツモ切りを挟んだあと、菱崎はドラでもある初牌の南を掴んだ。切りたくないと踏むのであれば、一応七筒を切って単騎待ちに受けることもできるといえばできるが……。

 菱崎はたいして悩まず、七筒を切った。下家の仕掛けに対し、既にドラは切れないと判断したのだろうか。───下家と和弥の手牌が気になるが、対局中に観戦者がうろうろするのはあまり好ましいことではない。麗美は見に行きたいという気持ちをぐっと堪え、その場に留まった。

 同巡、下家が四筒をツモ切った。南を通していれば、満貫のアガリがあったということにはなる。無論、通してい“れば”だが。

 その2巡後に、下家が引いてきた牌を手牌の横に叩き付けた。

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