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ストーカーだってホラーは怖い!

『ストーカーに餌をあげないで!』第14部に相当

「よし、今日は駅前の映画館で恋愛映画を見るか!」

 とある休日、天気もいいし惰眠を貪ろうと布団の上でうとうとしていた私であったが、隣の部屋から聞こえる彼の声に跳ね起きる。

 映画館! しかも恋愛映画!

 こんなのついていくしかないでしょう! 映画の神様ありがとう!

 速攻で身だしなみを整えて、精一杯おしゃれをして、

「……♪ ……♪」

 何とか彼が部屋を出る頃には準備完了。

 彼の後ろをついていきながら、彼の隣に座る勇気もないのに脳内で彼の隣に座って手が触れあう妄想をしていたのだが。



「すいません、ホラー映画、学生一枚」

「……!?」

 待っていたのは辛い現実であった。

 恋愛映画を見ると言っていたのに、途中で気が変わったのか、私の一番苦手なホラー物をチョイス。

 実は私は彼にハメられたのではないかと疑ってしまうレベルのバッドな展開だ。

 されどここまで来て引き返すわけにはいかない、彼に続いて私もチケットを買いシアターへ。



「……」

 更にバッドな展開が襲いかかる。彼は一番後ろの席に座ってしまったのだ。

 彼の後ろに陣取りたいのにこれでは陣取れない。

 今の私に彼の横に座る度胸はない。どうする、私。

「……」

 落ち着こう、こんな事もあろうかと、秘密兵器をカバンの中に入れておいたのだ。

 カバンからサングラスとマスク、それに帽子を取りだした私はそれを装着。

 完璧な変装でどこからどう見てもさっきまでの私とは別人。

 彼にばれる心配もないので堂々と隣に座る事もできる。

「……」

 彼の隣で映画が見れると思うとついつい興奮して鼻息が荒くなってしまう。

 ちょっと隣の彼が引いている気がする。……考えてみれば隣の人がこんな格好で鼻息も荒かったら引くか。

 でも私だってばれなければなんの問題もない!




「……」

 こうして彼とのホラー映画デートが始まったのですが、やっぱ無理です怖いです。

 恐怖で声も出ません、元々ですが。

 彼の横顔を見ることで何とか平静を保っていましたが、中盤の突然ゾンビが出てくるとこで限界が来たようで私の意識は途切れてしまいました。

 目が覚めた時には既に映画の上映が終わって20分も経過。

 彼ももう帰ってしまったのだろうと変装を解いて映画館を出ようとすると、まるで待ち伏せていたかのように彼がトイレから出てきて結局いつも通り私は彼の後ろを歩く。

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