ストーカーはパンツをチラチラと見る!
『ストーカーに餌をあげないで!』第13部に相当
「……」
この日いつも通り彼が部屋を出て学校へ向かうのを確認した後、少し遅れて部屋を出て彼を追う。
繰り返される日常。彼の背中を見ながら歩く登下校。
しかしいつもと違うところがある。
彼のズボンの後ろが破れてパンツが見えているのだ。
これは恥ずかしい。見ている方も恥ずかしい。
好きな人のパンツが見えているという状況、男なら嬉しいだろうけれど女からすれば微妙だ。
確かに私はこの間彼のパンツを取ろうとした。
でもそれとこれとは別問題だ。
目を背けながらもチラチラと彼を見て、時折おかしくなって笑う。
彼も不審者かもしれないが、私も十分不審者だろう。
何とか勇気を出して彼にパンツが見えていると伝えようとイメージトレーニングをするが、
実際には彼との距離を一歩も縮めることができずに学校に到着してしまった。
「……」
学校につく。授業中はこの位置からだと彼のパンツは見えないので、通常通り彼の顔を見る。
「……くすくす」
そのかわり、彼の後ろに座っている女子生徒が笑いを堪えている。
これがキモイ男子だったら女子がかなり嫌そうな顔をしたりするものだが、
ああやって笑われているということは彼はどちらかと言えばクラスの女子からの人気は高いということなのだろう。
「……」
体育の授業中も、彼はジャージなので通常進行だ。
けれど先程の女子から皆に話が行き渡ったのだろうか、クラスの女子連中が数人彼を指差して笑っている。
その後も本人には誰も伝えないが彼のパンツが見えているという情報はあちらこちらに出回ったようだ。
彼以外の人間であっても彼に関する噂話などには私は敏感だ。
彼の噂話を聞きながら、やっぱり彼は結構人気があるんだなあと落ち込む。
今のところ女子の評価は、『顔とスタイルは結構いい』『運動神経はすごい』『あんまり女子と会話しない』というものらしい。
確かに彼はチャラそうな感じはするが、自分から女子に話しかけることなんてない。
一部の女子は彼をホモ扱いして、『パンツを見せているのは挿れて欲しいアピール』だと訳の分からない事を言っていた。
そういえば私がこの間マラソンで息切れしながら走っていたところ、
彼が私を抜かす時に声をかけてくれた。
あまり女子と会話しないと言われている彼が私に声をかけてくれたという事実。
結構脈ありなのだろうかとポジティブシンキングしてしまう。
結局彼は自分の醜態に気づくことなく学校を終えて帰宅し始める。
多分アパートに帰ったら気づいてしまうのだろう。
その前に携帯電話を取り出して、彼のパンチラをパシャリ。
待ち受け……はばれたら人生が終わるので大事に保存しておこう。




