ここから始まるニューライフ
身体が動かない。けど身体は見ず知らずの場所を動いてる?一体どうなっているんだ。
「...心拍数増加!」「血は全然止まってないぞ!」「くっ、手術室まで持たないぞ!」
あぁ、俺は病院に運び込まれているんだ。確かエレベーターに潰されそうになったんだっけか、これは諦めるしかないかな....そっと俺は目を閉じた。
「やぁ、君は生きたいか?私なら君を生き延びさせることができるがどうかい?」
何処からか声がする。何を言っているのかもうわからない。でも、どうせ最後なんだ。力を使い切り俺は首を縦に振った。
「ようこそrgbワールドへ。君に幸運を。」
...風が涼しい。ほんのり湿った地面の冷たさで俺は目を覚ました。そう、俺は目を覚ましたのだ。きっと俺はいい医者にあたったのだろう。五体満足だ。生きていることに喜びを感じつつ、乾いた喉を潤すべく本能のまま体は歩き出していた。少し歩くと川が流れていた。そしてその先には海があった。その光景と喉の潤いで俺は正気に戻った。そう俺が乗ったエレベーターは埼玉にあったはずだ、なのにここは潮の匂いがする海のそばなのだろう。いや、俺は搬送された時には意識朦朧だった、ならちょっと遠い病院に行っていたのに気がつかなかっただけかもしれない。しかし、病院が東京や神奈川ならビルがあるはずだが、そんなものも何処にもない。とりあえずここは千葉だとしようそれならおかしくない。そう決めつつ後ろに振り向くと山があった。しかも3000mありそうな山だ。つまりここは関東ではない。もう考えてもよく分からない。もしかしたらTVの企画かもしれない。だとしても海の近くならきっと誰かがいる筈だ。そう言いながら俺はゆっくりと歩み始めた。
もう、1時間程歩き続けたのだろうか湿度も気温も低いという日本らしからぬ天気のおかげで大変楽ではあったがまるで文明を感じられない。しかし、草原が広がり動物達は生活しているようだ。まぁ、自分が見たことない動物だしなんかツノとかが生えてて狩って食べようとはおもえないかな。そう考えていると浜辺が見えてきた。漂流物は何処を見渡しても人工的なものはなく、綺麗だった。しかし、それはこの近くには人は居ないということを示しているようだ、俺は嫌になってきた。こんな目に遭うなら病院で素直に死んどけばよかったとさえ思う。もしかしたらここは異世界で神様にでも連れてこられているのだろうか?だが、異世界だとしても俺にはどうしようも出来ない。いくらチートを持っていようが使い方を知らないし、赤子よりもここについて知らない俺に何が出来るのか。結局都合のいいように解釈しても俺は現状を打破する方法にたどり付けなかった。俺は眠気に誘われ、そのまま全てを諦めるように寝た。きっと明日は病院のベッドの上にいて今日の出来事は臨死体験として同期のみんなに語ってやるんだ......
「お...い...てまーすかー」
なんか気の抜けた声が聞こえてくる。俺を誰が起こしに来たんだろう?先輩かな。なら寝坊しちゃったかな。でももう少し寝ていたいんだ。
「うーん、これはダメかもねー。」
「な、何がダメなんですか?」
「わぁ、こんなところで生きてる人がいるとは思ってなかったよ〜」
俺のぼんやりと、していた頭もその発言に違和感を感じて起きて来た。そして目をあけると前にいたのは知らない金髪の外人の少女だった。
「あんたは誰だ?」
「私はリベル・エレクトリッシュ・ウェルトだよ」
ふん、ドイツ人か?よく見ると確かにゲルマン系の顔立ちのようにも感じられる。多分年齢は16くらいで身長は160あるかないかかな?これはチビだな。
「お兄さん?どうかしたのかな?」
「いや、なるほどな。ところでここは何処なんだ?」
「へぇ〜お兄さん外の人なんだね。初めて見たかも。」
話がよく掴めない。ただ相手も日本語で話せる感じだしとりあえず合わせておこう。
「ここじゃ、俺みたいな人は少ないのか?」
「まぁ、少ないねー。ここは開拓が終わってからもう20年も経ってるのと少し危険な場所だからね〜。」
「ふーん。」
「あっ、話逸れてたね。ここはミュベン。ここからじゃ見えないけど大きな建物も結構あるよ!ほらあそこら辺に塔みたいなものがあるでしょ?」
リベルの指差している方向を見ると木々の隙間からちょっぴりと西洋式の建物が見える。
「おー!結構すごいなぁ!俺の地元じゃぁ、あんな豪華な建物見たことないぜ。流石だな!」
木との感じからするに多分ここから1kmってくらいかな。
「リベル、あそこには誰が住んでるんだ?」
返事がない。
「あれ?あいつ何処に行ったんだ?」
辺りを見回してもそこら辺に居たはずのリベルがいない ......
「ぎゃあぁぁ⁉︎」
俺が歩いてきた森の方から悲鳴が聞こえる。多分リベルだ。何かあったに違いない。多分木から落ちたとかだろうがそれで一応は恩人の彼女に死なれたら気分が悪い。とりあえず急ごう。
俺が辿り着くとそこには木に打ち付けられて倒れているリベルとそれを食べるつもりなのかはわからないが近づく化け物がいた。多分さっき聞こえた音からして化け物は人を一撃で吹き飛ばせるだけの力がある......これは勝つ事よりリベルを救うことに注力した方がいか......
ピューン!!
化け物の触手の様な物がとてつもない速度で俺の脇を通り過ぎる。間違えなくあれに当たったら死ぬ。あれを見ずに逃げる事は出来なさそうだ。なら、
「おい、思考中に攻撃するなよ!そっちがその気なら望みどおり、戦ってやるよ‼︎」
そこら辺に落ちてた木の枝を折り即興の武器を作る多分これなら牛でも犬でも倒せるだろう。その勢いで化け物の方に飛び込む。化け物もそれに反応して触手を撃ち込んでくるそれをすんでで躱し木の枝を刺す! …刺さらない?
ダメだ、奴には目の様な弱点も見当たらない。
俺は枝を投げ捨て、そのままタックルを仕掛ける。だが吹き飛ばされたのは俺だった。
そして、化け物は触手を俺の方にすぐに展開していた。
だが、ここまで近づかれたらきっと触手はその威力を出しきれない筈。
「がっ!」
触手は今までとほぼ同じパワーでとんできやがった!そのまま俺は薙ぎ倒される。さすがにもろに喰らうとまずかった。もう立つ事すら出来そうにない。
掠れそうな視界に嘲笑う様な化け物の顔が見える。そのまま化け物はリベルの方に向かっていく。だが、もう止めるすべはない。そして俺の意識は途切れる。
-いや、君は今死んではいけない-
声がする。だが、声の正体は見えない。
「俺はまだ死ぬ気じゃないよ。」
-でもこのままだと君は死ぬね-
「そうか、でもどうにかする方法の一つや二つくらいある筈だ。」
-そうだ。そしてその一つを私は持っている。僕は君にそれを渡しにきたんだ。すぐには死なないでいてよね-
「ありがたいな。ところでお前は誰だ?」
-さぁ、君が成すべきことをなした時に教えてあげるよ-
そう言うと声の主は去ったのだろう。そして目の前にはライフルが一丁落ちていた。
「へぇー、ライフルか気が利いてるじゃないか。」
そういい俺は痛む右手でライフルを持ち上げ化け物に照準を合わせ、そして力強く引き金を引いた。同時に反動で俺の右手が折れる。だが、弾はしっかりと化け物をとらえていた。そして化け物は瞬く間に動かなくなった。そう思ったら化け物の体が光出した。いや、化け物の体全体が光っているというより化け物の体が光る粉に変わっていってる?
そしてその粉は突如舞い散り化け物は消滅した。それは死だったんだろうかいや、死というにはあまりにもそれは美しかった。
どうもヴィータあげです。まずは本作を読んでくださりありがとうございます。本作が僕のかく初めての小説なので指摘などもどんどんして下さると助かります。




