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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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二日、宮の大饗はとまりて、

二日、宮の大饗はとまりて、臨時客東面とり払ひて、例のごとしたり。上達部は、傅大納言、右大将、中宮大夫、四条大納言、権中納言、侍従の中納言、左衛門督、有国の宰相、大蔵卿、左兵衛督、源宰相、向かひつつゐたまへり。源中納言、右衛門督、左右の宰相の中将は長押の下に、殿上人の座の上に着きたまへり。

 若宮抱き出でたてまつりたまひて、例のことども言はせたてまつり、うつくしみきこえたまひて、上に、

 「いと宮抱きたてまつらむ。」

と、殿ののたまふを、いとねたきことにしたまひて、

 「ああ」

とさいなむを、うつくしがりきこえたまひて、申したまへば、右大将など興じきこえたまふ。


※宮の大饗:中宮の大饗。正月二日の公式行事、群臣が中宮を拝賀。その後、饗宴と禄の下賜を行う。この年は、産後の中宮のお身体に配慮し中止になった。

※臨時客:摂関家。大臣家、宮家などの正月行事。この年は、客を公式には招かないので、「臨時に饗応する形」を取る。この日は、中宮の臨時客の扱いとなった。


正月二日の中宮様の大饗は中止となりました。

そのため、お年始に来られた臨時の客のために、寝殿の東面の障子などを取り払って、例年通りに催しました。

お越しになられた上達部は、傅大納言(藤原道綱)、右大将(藤原実資)、中宮大夫(藤原斎信)、四条大納言(藤原公任)、権中納言(藤原隆家)、侍従の中納言(藤原行成)、左衛門督(藤原頼道)、有国の宰相(藤原有国)、大蔵卿(藤原正光)、左兵衛督(藤原実成)、源宰相(源頼定)です。この方たちは、向かい合ってお座りになりました。

また、源中納言(源俊賢)、右衛門督(藤原懐平)、左右の宰相の中将(右が源経房、右が藤原兼隆)は長押の下、殿上人の席の上座にお着きになりました。

道長様が、若宮をお抱き差し上げられ、お出ましになりました。

そして、若宮様たちには、いつも通りのご挨拶を言わせ差し上げて、可愛がられます。

道長様は、(弟宮)を抱かれていた、北の方倫(倫子様)に、「今度は弟宮様を、お抱き差し上げましょう」と言われると、兄宮が、強く嫉妬されたのでしょうか、

「ああ」とむずかるのです。

道長様は、それもい可愛らしいと感じるのでしょう、いろいろとお声をおかけになるので、右大将が、面白がり。はやし立てられます。


紫式部は、「淡々と記す」を貫くようで、「右大将藤原実資」のはやし立ても、書き漏らさない。やはり硬骨の人、最高実力者の道長にもはやし立てている。


尚、藤原実資は、 藤原北家 小野宮流 、 参議 ・ 藤原斉敏 の四男。 藤原北家嫡流・小野宮流の膨大な家領を継ぎ、 有職故実 に精通した当代一流の学識人であった。 藤原道長 が権勢を振るった時代に筋を通した態度を貫き、権貴に阿らぬ人との評価を受けたとされている。

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