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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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読みし書などいひけむもの、

読みし書などいひけむもの、目にもとどめずなりてはべりしに、いよいよかかること聞きはべりしかば、いかに人も伝へ聞きて憎むらむと、恥づかしさに、御屏風の上に書きたることをだに読まぬ顔をしはべりしを、宮の御前にて『文集』の所々読ませたまひなどして、さるさまのこと知ろしめさまほしげにおぼいたりしかば、いとしのびて人のさぶらはぬもののひまひまに、をととしの夏ごろより、「楽府」といふ書二巻をぞしどけなながら教へたてきこえさせてはべる、隠しはべり。


※文集:白楽天の詩文集。「白氏文集」と言われている。「楽府」は「新楽府」として文集の中にある。


かつては読んだ漢籍といった類いのものについては、そもそも目にもかけないようにしていたのですが、そんなときに左衛門の内侍の悪口を耳にしたものですから、見知らぬ他人たちは、そんな悪口をそのまま信じて、どれほど私のことを憎らしく思うのだろうと考えるので、恥ずかしい思いのあまり、御屏風の上に書かれた漢文であっても、よく読めないような顔をしていたのですが、中宮様の御前で、「白氏文集」の所々を読ませられることになりました。

中宮様は、漢文に関係する方面のことを、お知りになりたいとのご意向でしたので、本当に内密に、他の女房たちの姿が見えない時々を選んで、一昨年の夏頃から(白氏文集の中の)「楽府」とい書を二巻、たどたどしいながらも、ご進講させていただいているのです。

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