ゴブリン達の末路
見つけてくださり、ありがとうございます✨
挿し絵を描いてみましたが、なかなか自分の想像通りには描けませんねぇ‥‥‥。暖かい心で見てくださると助かります✨
ドラゴとハインツは馬を走らせた。
赤い光が真上に見える辺りで、ゴブリンの集団が何かを囲んでいるのが確認出来た。
南北街道から東に向かう道に入り、少し行った辺りだ。
「「 あれか!! 」」
2人は馬から飛び降りると外套を脱ぎ捨て、腰に下げている剣に手をかけた。
「ダンテ、お前も暴れていいぞ」
それに答えるように、黒く大きな馬は嘶いた。
ドラゴとハインツは、剣を抜くと次々にゴブリン達を屠っていった。まるで、小さく弱い生き物を相手にしているかのようだ。
2人だけではなく、2頭の馬も踏み潰したり蹴りあげたり噛みついたり、ゴブリン達に攻撃している。
この2人と2頭は強かった。
「女の子は無事か?」
「あそこに結界が張ってある。おそらく、そこに居るだろう」
「あぁ、あれか。良かった。ならば、ゴブリンを屠るのみだな」
「そうだな」
だが、2人は次々にゴブリンを屠っているにも拘わらず、あまり数は減っていなかった。
「おい、減らないぞ。どういう事だ?」
「あれを見ろ。森からゴブリンが出て来るぞ」
「どれだけいるんだ!」
「仕方ない、屠るのみだ」
「あぁ」
一撃で首や胴を切り離し、倒していった。
「ねぇ、あの人達って強いわね」
「本当ね、次々にゴブリンを倒していくわ」
「良かったわね」
「うん、良かった」
「‥‥‥ローズ、髪を下ろしたらどうかしら?」
「髪を?」
「そう、少しは隠れるでしょう?」
「そうね、そうする」
ローズが三つ編みの髪を解くと、背中や胸の大部分が隠れた。
「これで安心ね。助けに来てくれた人、素敵だもの」
「ははは、そうね」
‥‥‥確かに、丸見えよりいいわね。
「あの人達って何者かしら?ケイティ判る?」
「警備隊の人じゃあないわね。たぶん、冒険者‥‥じゃないかしら?見た感じ、だけどね」
「へぇ、私、冒険者って初めて見たわ」
「そうなの?珍しいわね」
「森の中の家にずっといたから‥‥」
‥‥‥ヤバッ。余計な事を言ったかな。話を変えよう。
「警備隊の人ってどんな人?」
「んーとね、皆、親切よ。同じ服装してるから、すぐ判ると思うわよ」
「そうなんだ」
「あっ、ねぇ見てみて。ゴブリンの数が減ってきたわよ」
「本当ね!良かった」
だんだんとゴブリン達は少なくなっていった。
ローズとケイティは手を取り合って喜んでいた。
-----ゴツンッ------ゴツンッ-----
今までよりも大きな音と振動がしてきた。
「え?何?」
2人が後ろを振り返ると、一際大きなゴブリンが古そうな斧を振り上げているのが見えた。
-----ゴツンッ-----
「何あれ?大きいよ」
「私、知ってる。父さんから聞いたことある。あれきっと、ホブゴブリンっていうのだよ」
「ホブゴブリン?」
「ゴブリンよりも強いんだよ」
-----ホブゴブリンってゴブリンの上位種だっけ?ヤバいでしょ、不味いでしょ。どうする?えっと‥‥‥結界強化!
-----キィーーーン-----
ホブゴブリンは私達をじっと見つめながら、斧を振り下ろしてくる。口元は歪んでいる。目がギラギラしている。
-----ゴツンッ-----
「「 キャーー 」」
‥‥‥恐い‥‥‥恐い。
‥‥‥誰か‥‥‥助けて!
‥‥‥ゴブリンをやっつけて!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森の中、鳥達がゴブリンを足止めしている辺り―――――
突然、地面から土がボコボコッと盛り上がって、白いものが少しずつ姿を現していった。
あるものは獣の、あるものは人の形の骨であった。
所謂スケルトンだ。
スケルトン達は、その姿を完全に現すと、ゴブリン達に向かい動き始めた。
そして、襲いかかったのだ。
『 ゴブリンをやっつけて 』という命令通りに。
空からは鳥に、地上ではスケルトンに攻撃されて、ゴブリン達はその場から動けず、徐々に数を減らしていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「風竜さーん、どこー」
「風竜さーん‥‥」
シルフ達は、森の上を翔ながら、風竜の姿を探した。
「どうしたんだい? シルフの乙女達? 私に何か用かな?」
薄い緑色の鱗を持つ、ほっそりとした美しいドラゴンが、突如目の前に現れた。今まで隠匿魔法で姿を消していたのだ。
「あっ、メルクリウスさんっ」
「探していたの」
「どうしたの?」
「お願い。ローズを助けて!ゴブリンを蹴散らして!」
「ローズってもしかして、ベリル様の?」
「そうよ、ベリル様の娘のローズよ」
「ゴブリンに追われた娘を助けに行ってしまったの」
「‥‥‥それは不味い。すぐ案内してくれ」
「ええ、こっちよ!南北街道の方なの」
メルクリウスは、行き先を南北街道に変えて、森の上を翔ていった。当初の目的地は森の中のベリルの家、ベリルから頼まれた調べものの報告に行くところだったのだ。その家の娘を助けるのは何も問題は無い。
風竜と風の精霊シルフは、物凄い速さで翔ていった。
「森の中にゴブリンがいるが、なぜ、スケルトンと闘っているのだ?」
「さぁ、私達にもわからないわ」
「とりあえず、森のゴブリンはスケルトンに任せよう。先を急ぐよ」
「「そうね」」
南北街道の向こう、薄く青い結界の中に少女が2人いるのが確認出来た。周りのゴブリン達を2人の男が倒している。どうやら無事のようだ。
メルクリウスは安堵の溜め息を漏らした。
そして、幾らか離れたところでゴブリンと闘っている者達の姿に気付いた。
‥‥‥あんなところにもゴブリンが? ん? あれはもしかして、ノトか?
メルクリウスはノトの下へ向かった。
「ちょっと待って!ローズのところへ行かないの?」
「たぶん、あの2人は強いよ。ローズの結界も大丈夫だろう。私はノトを助けに行く」
「ノト?ノトもなの?」
「そのようだよ」
メルクリウスは、ドラゴンの姿から人の姿へと変化すると、ノトの下へと走って行った。
「ノト、大丈夫か?」
「え?‥‥‥メルクリウス様?」
「私も手を貸そう」
「ありがとうございます。でも、ローズの方が心配です」
「大丈夫だよ。ローズ達は結界の中だ。ゴブリン達は2人組の男が倒しているよ」
「良かった‥‥」
「あともう少し、頑張れるか?」
「ええ、大丈夫です」
クラウス、ノト、メルクリウスの3人はその場にいたゴブリン達を全滅させた。
そして、かなりの数のゴブリンとホブゴブリンが一体、メルクリウスの風魔法で一ヶ所に集められた。
「ここはこれで良いだろう。向こうに向かおう」
「あぁ」
「はい」
クラウスは馬に乗り、ノトとメルクリウスは空間収納から取り出した魔法の箒に乗り、ローズ達の下へと向かった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おい、結界のところにホブゴブリンがいるぞ」
「よし、私が行こう」
「ドラゴ、任せた。小さいのは私に任せろ」
「あぁ」
薄い紫色の髪の男--ドラゴ--は結界のそばに行くと、ホブゴブリンと対峙した。
先に動いたのはホブゴブリンだ。ドラゴめがけて斧を振り上げて、走り出した。
ドラゴは横に避けながら、剣を水平に構え、ホブゴブリンの左足を切り離した。
「ギャーーー」 ドスンッ。
ホブゴブリンは前に倒れこんだが、すかさず斧を投げつけた。
-----ガギンッ-----------ザンッ-----
苦もなく剣で斧を弾くと、そのまま振り上げてホブゴブリンの首を落とした。
「‥‥‥ホブゴブリンと言えど、呆気ないものだな」
ドラゴは剣を振り、ゴブリンの血を落とした。
ホブゴブリンの頭はゴロゴロと、結界のすぐ側まで転がってきた。
たまたまだったのだが、顔が結界の方を向いて止まった。
そして、ホブゴブリンの目はローズとケイティをギロッと見つめたままの状態であった。
「いやーーこっち見てる‥‥‥」
「頭だけなのに、見てる‥‥‥」
-----スゥッ-----
-----バタンッ-----
2人は意識を失い、その場に倒れた。
ローズが意識を失うのに合わせ、結界が解けた。
「おい、君たち、大丈夫か?」
ドラゴの問いかけに2人は答える事なく、倒れたままであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森の中では、スケルトン達が動きを止め、静かに地面の中に戻って行った。
まるで、主からの命令が無くなったかのように。
スケルトン達がいなくなった後には、夥しい数のゴブリン達の死体が残されていた。
読んでくださり、ありがとうございます✨
また、おつきあいくださると嬉しいです。
皆様に良いことがありますように✨




