番外編僕のお父さん
これで一応終わりです。ありがとうございました。
今日は僕の学校の授業参観日だ。でもお母さんは赤ちゃんが生まれそうだからお父さんと病院に行く事になった。行けないお母さん達の替わりにおじさんが来てくれる。
「今日の参観日おじさんが来てくれるの?」
おじさんはお父さんの弟だ。いつもお父さんをリア充だと言っている。リア充って何だろう?
「ああ、頼まれたから来るよ」
「ごめんなさい信ちゃん、お母さん無理みたい」
お母さんは苦しそうだ。僕はいいから病院に行っていいよ。
「その身体では、無理だよお義姉さん。信の事は心配しないで病院に行ってくれ」
そうだよね。おじさん良いこと言うね。
「頼んだぞ」
お父さんがお母さんをお姫様だっこしていた。この間、友達の葵ちゃんが女の子の夢だよね〜お姫様だっこ。って言ってた。
「分かったよ、兄さん」
「僕、もう学校行くね。行ってきま〜す」
今日は作文を読む授業だ。親の話を書く題だった。お母さんが来れないのは仕方ないよね。
「いってらっしゃい」
学校に行くとみんなそわそわしてる。僕はおじさんだから平気だけどね。二時間目が参観日になってる。もうすぐ始まる。
「ねえ、信ちゃん家誰が来るの?」
「僕のとこおじさんだよ」
「ふ〜ん、私の家お父さんが来るの」
あ!授業のベルだ。先生が入って来た。作文の発表だからみんなそわそわしてる。
「今日家族の前で発表したい人手を上げ人から読んでももらうよ」
おじさんがいるから手を上げておくか。後でお母さんが来なかったから、って心配しないように。
「「「「はい!はい!先生!」」」」
「神崎君読んでください」
手を上げてたら先生に当てられた。おじさんも来てるし大きい声で読もう。
「はい」
僕のお父さん
2年1組 神崎 信
僕の家族は少し皆と違います。お母さんは半分外国人なので習慣が違うそうです。お母さんの国ではお嫁さんは何人でももらえるそうです。だからお父さんにはお嫁さんが2人います。僕のお母さんがこっちの本妻さんだとおじさんが話していました。まだ、お父さんのお嫁さんになりたい女の人が後を絶たずお母さん達は断るのに苦労していると、お母さん達の勤め先のご主人様が大変なのよ。と言ってました。でも、今度大人の都合で5人ほど新しいお嫁さんを強制的にもらうと言ってました。
お母さんと同僚の護衛のおじさん達が、お父さんは人気者だと話してくれました。お母さん達が好きになった人だから間違いないと押しかけて来るそうです。
今度来るお父さんのお嫁さんは16歳のお嬢様だって言ってました。僕の妹か弟ができるまで家で暮らすと護衛のおじさん達が言ってます。お父さんとの間に優秀な子が生まれやすい。僕もお父さんに似てるので婚約者希望の家が沢山あるそうです。
もう一人のお母さんはご主人様の屋敷で弟と暮らしてますが沢山の婚約者がいて大変だ、と一週間前にあった時に言ってました。僕はお嫁さんは1人でいいのでまだ要らないと断りました。モテモテのお父さんは大変だな。と思いました。
「嫁が7人!嘘だろ!1人くれ!」
「くそ!リア充だ!もげろ!」
「信じられない!そんな羨ましい!」
後ろで参観に来たクラスのお父さん達が叫んでいる。どうしたのかな?先生も口を開けて驚いてるよ。
「先生!読み終わりました」
僕がそう言うと、先生が引きつった顔で言いました。
「す、素敵な…お父さんですね」
先生に誉めてもらえたので、後ろのおじさんを見ると驚いたまま固まってた。漫画で言うとガーンて感じの顔してた。大人って分からないよね。