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理想郷  作者: Zero_One
一章
11/35

出発

 居ないものは仕方ない。

 新しい掲示板クエストを物色しに行こう。



 相変わらず初期町ガートンのギルド・タワーは人が少ない。

 多かろうと少なかろうと、ソロの俺にはあまり関係のない事だ。

 そして掲示板を端から端まで見るとかなりクエストが増えていた。


 しかし知らない地名の物が殆どで、討伐クエストが半数以上だった。

 そんな中で採集クエストと配達クエストがあったので、採集クエスト四つと配達クエスト二つを受ける。


<採集クエスト・便利屋>★★★★★

 薬草が不足しています。材料を取って来て下さい。[メリク草][夜霧草(よぎりそう)]


<採集クエスト・便利屋>★★★★★

 薬草が不足しています。材料を取って来て下さい。[月見草][雫落草(れいらくそう)]


<採集クエスト・便利屋>☆

 ポーション作りに失敗して材料が足りません。[メリク草][月見草][巨葉(きょよう)]


<採集クエスト・特殊収集・便利屋>☆☆☆★★★★★

 儂のただの趣味じゃ。欲しい物がある、集めて来ておくれ。

[壊れた法具の欠片][腐敗した聖杯][錆びた六角盾の持ち手][光り輝く闇の衣]


<配達クエスト・便利屋>★★★★★

 ホリマインの町に居る、警備副隊長オーレンに荷物を届けて欲しい。


<配達クエスト・便利屋>★★★★★

 シュバの町のギルド・タワー近くに居る、バザムに手紙を届けて欲しい。



 報告NPCの隣には情報NPCと云う人がおり、お金を払えばモンスターや採集品や地名の知識を貰えると聞いた。

 一つだけ特殊と書かれた採集クエストがあり、これだけは場所を教えて貰えなかった。

 地図を思い浮かべると表示され、採集出来る場所、ホリマインの町・シュバの町が表示された。


 出てきた地図を見ると、今まで出かけていた南のと逆の北の大きな街道を北上して行くと二手に分かれ右へ行くとホリマイン、左へ行くとシュバ。

 ホリマインは比較的平坦路だが、シュバは完全に登り道で山の上の町だと言う事だ。

 先にホリマインを目指しつつ巨葉(きょよう)を採集して行こう。

 順路は決まった。

 巨葉(きょよう)➡ホリマイン➡メリク草➡零落草(れいらくそう)➡シュバ⇔夜霧草・月見草だ。

 夜霧草は夜のみ・月見草は晴れた夜のみと云う条件がある。


 雑貨屋で飲料水・簡易食・HPポーション(微)・MPポーション(微)・STポーション(微)・ランプの燃料・予備のランプ・寝袋を買い込んだ。

 それと目に付いた作業セット+入門書と云う物があり、使えるか分からないが興味が沸いたので買ってみた。

 5万シードを支払いインベントリに全てしまい込む。


 Shangri-la(シャングリラ)のインベントリは、別空間にあるのだろうか飲食物や採集した草が劣化する事は無い。また制限がなくいくらでも入れれる。代わりにアイテム毎に上限数が設定されている様である。


 夜の出発となるが特に気にする事も無い。死んだとしても今はデスペナルティは無く、アイテムドロップやシードが減る事も無い。これに関してはレベルが上がっても変わらないと教えて貰った。



 20:18 出発

 やっと冒険っぽい事が出来そうなので少しワクワクしている。

 空を見上げると月と呼んで良いのだろうか、違う名前があるのだろうか。

 月1と月2が輝き俺の出発を祝ってくれている様だ。



 繰返し採集クエストをやっていた時は、どれだけ早く終わらせる事が出来るかと自分の中でタイムアタックとかしていたので殆ど夜空を眺めた事が無かった。


 光害と無縁の世界。数えきれない無数の星々と輝く双子月。生まれも育ちもコンクリートジャングルの俺にとっては初めての光景に酔いしれながらゆっくりと北へ歩いて行く。


 ゆっくり歩いてるつもりだが、韋駄天18が利いているせいでやや流れる景色が早い。

 今歩く速度よりゆっくりとした乗り物なんてないよなとか、くだらない事を考えながら歩を進める。


 個人的にはダラダラと歩いてる感覚しかないのだが移り変わる景色や迫る景色が、初めて採集に行った時ヘイストを使い走った時より早い気がする。

 プレイヤー・キャラクターと云うのは、こう云う物なのだろうと納得する。



 そしてこの異常性に本人はもう暫く気付かない。

 一般的に町から町への移動は定期便に乗るか、乗り物を手に入れて走って行くもので歩いて行くものではない。

 本人は3km/hくらいで歩いているつもり(・・・)である、実際には20km/hくらいで移動している。

 時折モンスターに発見され追いかけられているが、それほど足の速いモンスターでは無い為スタミナ切れで諦めていくを繰り返している。

 しかしそんな事は気付かず、景色や夜空を見て感嘆の吐息を漏らしているばかりだ。



 この時の事を見掛けたプレイヤーも少なからず居た。

 初心者皮防具に身を包み、STが切れずにそれなりの速度でずっと走り続けている中性が居たと、小さな噂が芽吹いた。



 02:11

 NPCや数名のプレイヤーが火を(おこ)し、休息をとって夜を明かそうとしていた。

 地図を見ると三つ又南休憩所となっていたので、俺もここで飲食を済ませ一眠りする事にした。


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