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第二話〜対策〜

対策会議です。

「で………どうやって僕がヤンデレにならない様にするの?」

「あ〜〜……手っ取り早い方法は他の攻略対象とハッピーエンドに持ち込む事ね。

だけどあんたが出ると否応なしに巻き込まれるからなあ……」

「え?何で?神河さん……だっけ?

その人に関わらなければ良いんじゃ?」

ところがどっこいそうは上手くはいかないのよね……


「あんたが出るバージョンでは入学の時に寮の部屋が一杯だからって神河由美とルームメイトになるのよ。

あんたの意志と関係無しにね。」

「……………本当なの?」

「『本気』と書いてマジよ。」

あたしは雪斗の必死の顔に無常な現実を告げた。


「そ、そんなあ……」

「それから神河由美とあんたの出会いイベントは凄くベタよ?

神河由美がシャワーを浴びていたら風呂に入ろうとしたあんたと鉢合わせして悲鳴をあげたら……あんたが慌てて出ていこうとして偶々床にあった石鹸に滑って転んでラッキースケベ。」

「確かにベタだけど何そのマンガみたいな展開!?」

前世のあたしもそう思ったわよ?


「と、忘れてたけどどんな人が攻略対象なの?」

「あ、攻略対象は今から紙に書くわね。」

因みに以下の文章はあたしが書いた物だ。


……………

このゲームの攻略対象(全部で十五人)


火神かがみれん…俺様生徒会長(三年生)

火属性のスペシャリストである『火神家』の次期当主だけど実は先代当主の隠し子で一族から余り良く見られていない。

ヤンデレエンドは比較的軽めな『脅迫エンド』。


水上みずかみれい…腹黒生徒副会長(三年生)

水属性のスペシャリストである『水上家』の次期当主で神河由美の初恋の人。

ヤンデレエンドはかなり怖い『高校壊滅エンド』。


風崎ふうさきかける風崎翔しょう…双子で悪戯好きの生徒会庶務(共に一年生)

風属性のスペシャリストである『風崎家』の次期当主だけど常に悪戯好きで時には魔法で悪戯をする事もある。

因みに翔は『双子は不吉だ!』と言う理由で忌み子扱いされ殺されかけた所を幼い頃の神河由美(本人は忘れている)に助けられた事があり仄かな恋心を抱いている。

ヤンデレエンドは双子のどちらかが神河由美に告白した方の双子を殺して成り代わる『成り代わりエンド』。


優崎ゆうさきたける…熱血的な生徒会会計(二年生)

熱血で常に猪突猛進な性格で偶々火神煉が魔法を使ったのを見てしまった為に強制的に生徒会に入れられた。

本人は自覚して無いが優秀な魔法使いになれる素質がある。

ヤンデレエンドは神河由美が自分の告白を断ったのは魔法で洗脳されてしまった所為だとして自分の部屋に閉じ込める『監禁エンド』。


光雪こうせつ白夜びゃくや…天然生徒会顧問

光属性のスペシャリストである『光雪家』の次期当主であり神河由美のクラスの担任で天然である。

ヤンデレエンドは教師と教え子という立場を越えて愛してしまった神河由美が自分とは別の人間と付き合ってしまった為に彼女を殺して自分も死ぬ『心中エンド』。


氷雪ひょうせつ虎恭とらすけ…クーデレ風紀委員長(三年生)

氷属性のスペシャリストである『氷雪家』の次期当主でクールで無口な人間。

ヤンデレエンドは神河由美を凍り付けにして氷像にして保管する『保管エンド』。


土屋つちや佳祐けいすけ…幼なじみ風紀委員(一年生)

没落した魔法使いの一族である『土屋家』の出身であり神河由美の幼なじみ。

幼い頃に結婚しようと約束したが神河由美は覚えていない。

ヤンデレエンドは彼女を殺して土属性の魔法でゾンビに変え自分だけを愛しさせる『死姦エンド』。


「もう良い!ストップ!」

「ええ!?まだ書き終わってないわよ!?」

あたしが土屋のヤンデレエンドまで書き終えたら雪斗が青ざめた顔でそれ以上の執筆を拒否した。


「だって気持ち悪いんだもの!

会長と会計以外血なまぐさくなる事この上無いよ!?

風紀委員長と土屋君に至っては神河さん殺しちゃってるし!」

う………そこからか。

あたしはヤンデレエンドまで説明したのは間違いだったかな……と思った。

なんせ雪斗は大のホラー嫌いだからなあ……


「あ〜〜……うん、恐がらせちゃってごめん。

後は『似非関西弁風紀委員』の『雷文字らいもんじ十太じゅうた』と『ミステリアス風紀委員』の『闇川やみかわくろ』、『ツンデレ風紀委員顧問』の『栗原くりはらあらた』よ。

後は隠しキャラなんだけど………」

「なんだけど?」

「あんた以外の名前が思い出せないのよ……ただ、残りの三人は一年生、二年生、三年生に別れていて一年生と二年生は生徒会関連で三年生は風紀委員関連だって事は覚えているわ。

それからイベントもあんたの重要なイベントしか覚えてないの。」

「何で覚えてないの?」

「あんたな……前世だよ?

そんなに前の事を覚えている分けないでしょうが!」

この世界の事だって雪斗が魔崎高校に合格したのを嬉しそうに言ってから思い出したんだし。


「ご、ごめん。後は………神河さんの魔王の王母だっけ?

それにはどんな能力があるの?」

「魔王の王母の能力、それは……『魅了』よ。」

「『魅了』?」

「神河由美は無自覚なんだけどね、夏休み……つまり物語の中盤で選択肢を間違わなければ自分の能力に気付いて帰省していた祖母の実家で魔法使いの道具作りをしていたおばあちゃんから『魅了を抑える腕輪』を貰えるわ。

その後は好感度は上がりにくくなるんだけどヤンデレエンドには直行しない……筈よ。」

ただ……この自分の能力に気付くっていうのは雪斗の好感度を一定まで上げなきゃいけない上に……低確立のランダムイベントなのよね……


「えっと……もしかしてその『魅了』って魔力があればある程強く効くんじゃ……?」

「大正解。元から魔力の低い雷文字君、一般人で魔法使いとしての才能を開花させてない栗原先生と優崎君には最初は魅了は余り効かないわ。

だけど……魅了は六月辺りから強くなってこの三人にも強く作用する様になってしまうの。」

「つまり………山場は夏って事?」

「そ、あたし達はそれまでに神河由美と『友達』として仲良くなって自分の能力に気付かせなくてはいけないわ。」

「そうだね……はあ、普通の中学生だったのに世界や自分の命を掛けた展開に巻き込まれるなんて思いもよらなかったよ。」

「あたしもよ。ま、取り敢えず思い出せたイベントとかがあったら逐一報告するわ。」

取り敢えず……世界を滅ぼさない為に雪斗のヤンデレフラグは圧し折りますか。

如何でしたか?次回もお楽しみに!

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