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23 むずかしい


 これが美味しい。これも美味しい。この野菜今まで食べたなかで一番シャキシャキしてる。とか、他愛もないことを話しながら、私は考えていた。



アクトに愛される?どうやって?



 トラブルを解決したらいい!とかロクは当たり前のように言っていたけれど、そもそもトラブルが何か分からない。

  無理をして、可愛くしてしまうこと?そうだとしたら、解決するってどうしたら?

 色々考えた。そして私は思い至る。

 愛されるとかそんなこと考える前に以前にまだそこまで仲良くなれていないのでは?

 アクトは普通にめちゃくちゃいい子ってことは分かる。今見てる感じ。

 そんでもって、なかなか可愛い性格していることも分かる。結構好きな感じ。

 でもこれは義理の姉への対応かもしれなくないか?そもそも、アクトの底が全然分からない。見えてこない。


 ということで。やっぱり人と仲良くなるには、質問をたくさんして、その人のことを知ることからじゃないかなと思いまして。

 それにそれに、アクトのこと、もっともっと知りたいし!気になるし!知ることで好きになりたいし!だってそうしないと…死んじゃうし…。



 いや分かる。命かかってるのに、誰にでも思い浮かぶかもとか、ありきたり過ぎるかもとか、思ったよ。

 でもやっぱり!どんな人か知るのは大事でしょう!

 よく考えたら出会って一週間も一緒に過ごせていないし、一番好きな食べ物さえ、分からない。

 何もやらないよりは絶対にいい。分からないなら聞いてみよう。


「ねぇアクト」

「なぁに姉さん?」

「一番好きなご飯ってなぁに?」

 ポッカーンという顔。をしたと思ったらまたツンッとした。

「僕が?」

「もっちろん、他に誰がいるの?」

 考え込みはじめてしまった…?な、なんでだろう。なんか変なこと言った?普通の質問だよね。うん。でもこわいこの間。

「き、興味があるなぁ、私すっごく」

「ハンバーグ」

「ハンバーグ!いいよね!美味しいよね!」


 よかった。いやほんと良かった。特に嫌な気持ちになったとかでも無さそうだし、続けて聞いてみよう。えっと。


「じゃあ、好きな色は?」

「え」

 え?いや普通に。

「アクトの、好きな色は?」


 顔が固まった。私も固まった。軽い気持ちで言った言葉だった。当たり前のように口に発した言葉で、アクトは固まっていた。

 アクトの…顔が曇った。嫌な気持ちになった時の顔だった。心の底から思った。なんで?なぜなのかさっぱり分からなかったけど、とにかく嫌な気持ちになっている事だけが分かった。

 心配でしか無かった。色が地雷だったりしたのかな?それとも質問自体が?

 アクトはこちらを強く見た。

 

「義姉さんは僕の好きなことを知って、そこから、好きにさせるつもりなんでしょ?」

 好き?え…?ん?

「違うよ!アクトと仲良くなりたいなぁと思って」

「僕への質問は一日につき一つまで、分かった?」

 なるほど。理解したかも……。

 アクトは席を立った。とっとこ歩いてゆく。まだご飯たべおわってないよ!と言いたい気持ちはぐっと堪えて、

「わ、わかった!」

とだけ言った。

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