20 キラキラ
「や!アクトくん!元気?」
「………すぅ。元気ですよっ。神話とかで伝わっているまんまの見た目なんですねっ。なんか…うん。素敵ですっ神様っ」
あ、めっちゃ可愛いやつだ。
「だよねだよね〜!僕って素敵だよね〜!ありがとう。それから、ソンサの話を信じてくれたことも、ありがとう!協力してくれたりする?」
かくかくしかじか。これこれこうでこうこうこう!ロクがとても長い説明をアクトにもする。
ちょっとだけ違ったのは、アクトへの口調は結構軽めだったことと。
アクトに
「人類を救うメンバーになって欲しいんだっ」と言っていたこと。私には言ってなかった。私も言われたかった。なんかかっこよくない?
さて、長い長い説明を受けたアクトは少しの沈黙の後、ニッコリと笑顔で言った。
「人間が絶滅しちゃうんですよねっ?もちろん手伝いますよ。僕にできる限りで!」
「君の姉さんを独り占めは難しくなるけど…」
「!?」
ロク!?どうした急に!?
「それでもいいかな?」
「……僕はまだ、姉さんのこと恋人として好きになってませんよ」
「そうだね。まだ」
さっきまであんなおっちゃらけ〜な感じでとても長い説明をしてくれていたのに…。
なんでそんな真顔で淡々というんだ。普通に怖いよ。
「でもこれは君たちに絶対付きまとってくる問題だ。姉さんと弟の関係であったとしても、姉さんが複数の人を愛し、複数の人に愛されることに、協力してくれる?」
あぁ、でもこれは。きっと必要なことなのだろう。
心が読めるロクのことだから、何かしら感じ取るものがあったのかもしれない。分からないけど。なんでそんな怖いのか本当に分からないけど。
それよりも、珍しく言葉に詰まっているアクトを見る。協力してくれるなら有難いけど、
弟としてみても、アクトとしてみても、これからの状況は私が上手くいってもいかなくても複雑なものになってしまうだろう。
なんと、返すのだろう?
そう思っていた時。
憑き物が落ちたかのような顔でアクトはこう言った。
「たとえ独り占めできなかったとしても、姉さんのことを姉さんって呼べるのは、この世界で僕だけですよ」
なるほど。そう来たか。アクト。これ。
天才です。
「私の……ソンサの弟はアクトだけだもんね」
あ、キラキラな目。
「そうだよね〜!ねぇさん!」
アクトはそのままキラキラな目をロクに向ける。
「だから大丈夫ですっ!なんかまだ…分かってないこともあるけどっ。この世界の人類をねぇさんと一緒に救っちゃいますっ!」
アクトが拳をこちらに出す。
「僕たちで!みんなを救っちゃお!!」
「うん!一緒に頑張ろ〜!!!」
お〜と言いながら、拳をコツンとあわせて、一緒に上にあげた。
「ふはははっ、あはははははっはぁ〜!」
おっと真顔だったロクさんが急に大笑い。怖いですが、よかったです!ほんと怖かったもん。
「うん。うふっ。分かった。うん。良かった。君たちのこと、心から応援しているよ。見待っている」
「だからどうか、絶滅しないで」
真剣な感じで言ったと思えば。ニカッと笑って、キラキラキラ〜っと言いながら、ロクは消えた。




