19 どうなの…
掻い摘んで話してみた。
神様にこの世界の人類託されて、私が沢山の美男美女を愛して、沢山美男美女から愛されなきゃいけないんだよねぇ。とか……他にも色々。
言いながら本気で思った。何言ってんだ私。
正直アクトの顔を見れなかった。せっかくいい感じに仲良くなれていたのに好感度これではマイナス一直線では?不安でいっぱいだった私の元に聞こえてきたのは。
「なるほどね」
怒ってはいなさそうな弟の声だった。
「戦争が起きそうってのは間違いじゃない。母さんも義父さんも防ぐために色々頑張ってるみたいだし、この話を僕たちが聞いたのは割と最近だから三年と一ヶ月も寝てた姉さんが知っているのもおかしい」
れ、冷静…めちゃくちゃ冷静なアクトの声だった。
「美男美女に愛される…ね……」
そう言ったっきり黙り込んでしまった。沈黙。怖い。ソンサ人生で一番怖い沈黙だった。気が早かっただろうか……もっと色々考えて発言したら良かったなぁ。口に出した言葉は戻せないよ〜。そういう魔法無いかな〜。あっても今は知らないからどうしようもないな〜。後悔さk
「ねえ」
「はい!」
目が合った。さ、蔑みの目ではなかった。安心した。真剣な目だった。やっぱり怖かった。
「ねえさんからみて僕ってどうなの?」
「めっちゃイケメン。すっごい美少年…だと思いマス」
口から飛び出た。そう。これがアクトに迷いながらも話した理由。だって……そういう事だ。アクトが美少年に見えるってことは…そういう事なんだから…。
「だよねまぁそうだよね。いちおう血は繋がってないけど……そうか………」
沈黙。怖くない怖くない。大丈夫大丈夫。何とかなるよ〜。多分〜。この沈黙は先程に比べるととても短かった。
「神様が言ったんだよね?ちょっと出てきて貰えない?そしたら信じるからさ」
なるほどぉそう来たかぁ……。
そう来たよぉ?神様の!ロクさん!!!
「はいはい呼ばれて飛びてて、神様のロクさんで〜す」
目の前にロクが現れ…た。
え、きた!!???き、来てくれるんだ!!
「言ったじゃん〜困ったことあったら呼んで!ってさっ!ここが何時だって一番大変なところだから、これからも何度だって説明に付き合うよ〜!」
それはすごく助かる。というかめちゃくちゃ安心した!本当に難しいところだもんね!一旦任せます!
あ、ウインクしてくれた。心強。