看護師たち
(じゃんけんポン、あいこでショ)
「やったー!今日は私の番~」
「あーいいなあ、ねえ~響ぃ~、私と代わってよ~」
「あたしと代わってよ~、欲しがってたヘルメスのカバンあげるから~」
「いやですぅ~、絶対にいやです~」
せっかく美少年をお世話できるのに、この機会を逃してたまるもんですか。
山本 純 16歳 川で溺れていたのを救助されたが、心肺停止で救急搬送されてきた。
蘇生処置がうまくいって一命を取り留めたものの、いまだに目覚めない。
「山本さ~ん、お熱測りますね~」
持ってきた私物のタオルで脇を拭く。汗かいていると正しく測れませんからね。
そして体温計を挟んだついでに胸も丁寧に拭いておきましょう。
「やっと私の当番が回った来たし。スーハー、あー男の子の匂い、いいわあ」
汗を拭いたタオルの匂いを嗅ぐ、この役得は譲れません。
ピピピピ、ピピピピ・・・
「あっ、体温計っと。熱は無いようね、スーハー」
最近容態が安定してきたから目覚めるのももうすぐね。
でもこの子、なかなか美少年ね。眼福眼福ぅ~。
え?目が開いてる。
「ヒッ、あっ、あの、すぐに先生を呼んで来ますので、じっとしててくださいね」
まずいわ、タオルをスーハーしているのを見られてしまったかも知れない。
急げ、急げ、急いで先生に知らせないといけないからちょっとぐらい走ってもいいよね。
「先生、先生、安室先生、山本さんが目を覚ましました」
「大きな声でうるさい。それに廊下を走っちゃダメでしょ」
拳骨をもらった。いたひ。ちょっとくらい走ってもいいじゃないですか。
ご家族の方に電話したら、すぐに連絡がついたので、先生の後について病室へ向かう。
「本当に目が覚めたのね。さて、私が君の主治医の安室玲子です」
「あのあの、私が本日の担当看護師の響 キョウコ 24才です」
すかさずアピールする私、えらい。
「あなたねえ…まあいい、それで 純君のご家族様には先ほど連絡したら、こちらへ向かっているところだそうなので、じきに来られるでしょう。
じゃあ少し質問するよ。君の名前と年齢は?」
先生が問診を始めた、純さんの情報ゲットのチャ~ンス
問診の途中でご家族の方来られたのだけど、純さん判らないみたい。
脳のダメージによる記憶喪失らしい。
かわいそうに、私が癒してあげたい。
*****
(じゃんけんポン、あいこでショ)
「やったー!今日こそは私の番~」
「あーいいなあ、ねえ立花ぁ~、私と代わってよ~」
「あたしと代わってよ、欲しがってたヘルメスのカバンあげるから」
「いやですぅ~、絶対にいやです~」
じゃんけんで決めてお世話した者以外で再度じゃんけんをして勝ち取ったこの権利。
せっかく美少年をお世話できるのに、この機会を逃してたまるもんですか。
山本 純 16歳 川で溺れていたのを救助されたが、心肺停止で救急搬送されてきた。
蘇生処置がうまくいって一命を取り留め、昨日やっと目が覚めた。
安室医師に付いて病室に向かう。
病室に入るとすかさずアピール。
「本日の担当看護師の立花 カオルです。よろしくね。」
「おはよう、純君、朝からピンピンしてるかな」
でた、安室医師の親父ギャグ、ぜぇんぜん笑えないのよね~
「じゃあ、カテーテルを外して診察室まで行こうか。
それじゃあ抜くよ~、痛くないように慎重に抜くけど、痛かったらゴメンね~」
いいなあ、その処置、私がやりたい。
ああっ、そんなニギニギしてっ。
ええっ?この子、かわいい顔してなかなか・・・でかい。
「よしよし、元気で何よりだ。じゃあ診察室へいこうか」
*****
その後、廊下を歩いて診察室まで案内する。
そして安室医師がいろいろと質問を始めた。
病院へ来る前のこと、家族構成、ご近所さんのこと、最近のニュースなど。
そして、何もわからない様だったが、そのうちに前世の記憶のことを言い出した。
ダメだわ、この子、厨二病を患っているわ。
「純君、それは昏睡状態にあった君の脳が見た、いわば夢のようなもの、自分で作った設定だと思うよ」
純さんは、脳に受けたダメージによる記憶喪失と診断された。
記憶は一部戻るかもしれないが、望みは薄いだろうとのことだった。
かわいそうに、でもなにか強い刺激があれば記憶が戻るのではないかしら。
「それで退院はいつ頃になるんですか?」
「そうだな、あと血液検査と精液検査の検体をとったら、明日もう一度問診をして問題なければ退院でいいよ。
後は、1週間後に検体の検査結果を聞きに来なさい。
立花君、純君の検体採取をしたら検査科へ送っておくように」
きたきたぁ~、採血等々は看護師の仕事~やっほぃ。
「それじゃあ、純さん行きましょう」
ああっ、ニヤニヤが止まらない。神様有難う。
「看護師さん嬉しそうですけど何かいいことあったんですか?」
「いえいえ別に何でもないですよ。それより私のことは立花、いえカオルと呼んでくださいませんか」
「じゃあ、立花さんで」
チッ、もっと親密にならないとダメか。
しばらく歩いて検査室に到着した。
検査技師を横目に見ながら採血の準備をする。
「じゃあ、純さん袖を捲って腕を台に乗せて」
純さんが腕を捲っていると技師たちは顔を赤くしながらもこっちを見ている。
えへっいいだろう。でもお楽しみはこれからなのよ。
「採血終わりましたから、次にこちらの部屋へ入ってください」
「えっ」「その部屋は…」
部屋の戸を開いたら検査技師たちがざわついている。
純さんは記憶を失なっているのだから、私が教えてあげないとね。
「純さん、容器の使い方わかりますか」と聞きながら、ドアのカギを掛ける。
途中で誰か入ってきて邪魔され無いようにね。
「わかりませんので教えていただけますか」
そうよね~記憶がないのだから。
今回が初めてだから、ちゃんと教えてあげないとね。




