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第七十話 籠城

金崎城にたどり着いた。

史実では斯波高経に囲まれて籠城せざるを得なくなるのだがその際食料不足で困っている。


ということで俺たちは越後にいる新田の勢力を呼ぶことにした。

主な目的は食料集めである。


幸い俺たちが開発したお陰で越後は潤っていた。

潤沢な資金にものを言わせ米を買い集める。それと海産物の干物や防寒に使えそうな動物の毛皮も。


あとは大陸から硝石を輸入し木炭、硫黄を持ち込み火槍や石火矢の火薬を作り上げることにした。


また弓矢の準備も怠らずこれまた大陸から輸入した鉄や矢じりに使う動物のはね、弓のもとになる竹を集めた。


それにしても結構な額になった。だが北国経営のためにはまず斯波氏を倒さなければならない。それにふさわしい投資となればいいのだが。


「義興準備はできたが」

「はっ。新田義貞さま」


金崎城の主郭の陣屋で待ち構えるのは我らが総大将の新田義貞。


「食料も火薬も十分揃えられました。あとは戦うだけです」

「それは頼もしいな」


俺の言葉に新田義貞は小さく笑う。


「しかし相手は斯波高経。それに足利の残党もいます。油断はできません」

「でもお主には策があるのだろう」


信頼を寄せた視線が向けられる。彼の期待に応える他ないだろう。


「では戦を始めるとするか」


パンと手を叩き新田義貞は部下に指示を出す。そのなかに喜助の姿もある。

しかしずいぶんと久しぶりな気がする。

喜助自体が新田義貞の部下だから戦のとき以外顔を会わせることが少ないんだよな。


とぼんやり考え事をしていたところで戦いの火蓋が切られる。


敵方の斯波軍が籠城戦を仕掛けてきたのだ。


そしてこちらも応戦する。

まずは石火矢や弓で敵を狙い撃ち城に入らないように足止めをする。


「新田軍めっ」

「そうやすやすと入れると思うなよっ」


こちらは二重壁を作り上げて敵がひとつ目の壁にぶつかったときに壁を崩させる。

実はこれは楠木正成が使用した戦術だ。京にいたときに教えてもらった。


「これならどうだっ」

同様に火攻めを実行する。敵に油をかけて火を放つ。


「くそっなかなか手強いぞ」


斯波軍は攻めいるが先には進めないようだった。


「新田義貞さま、俺に作戦があります」

「義興言ってみろ」


俺は話を切り出すと新田義貞は神妙な顔つきでこちらを見る。


「忍び攻めをするのはいかがでしょうか」

「ほう」


忍び攻めとは敵方に忍を放って食料などを燃やす作戦だ。

「あいわかった。それならば喜助を送ろう」

「はっ。義貞さま」


そばにいた喜助が静かにうなずく。


かくして籠城戦は次のステージに移るのだった。


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