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第四十二話 幽閉

大塔宮が幽閉された。


というのもかねてより対立を深めていた足利尊氏が報告した虚偽の内容により後醍醐天皇の怒りを買ったからだ。その内容はというと大塔宮が帝位を簒奪しようというものだった。


もちろんこれは足利尊氏の作戦のうちのひとつである。


以前尊氏は強盗を働いた大塔宮の家来を捕まえて高札にかけたことがあり、それにより対立を深めていた。


大塔宮は恨みに思い打倒足利尊氏を御旗に兵を募っていたが、この幽閉により敗けを認めざるを得なかった。

その上身柄は尊氏の弟直義に渡され、鎌倉の土牢にその身を移すことになった。


だがそれだけではない。鎌倉を混乱が襲った。

中先代の乱。またの名を北条時行の乱という。


北条時行は高時の息子であり、あの地獄を無事に逃げおおせた男だった。


他にも戦は地方で繰り広げられていった。


伊代や筑紫、河内などでは北条の残党が反乱を起こしていた。

新政府はその鎮圧に手を焼いているようだった。


そして群馬に戻る。

俺たちは養蚕で得た現金を武器の仕入れに使うことにした。


というのも大塔宮が幽閉されたことにより足利方が何をしでかすかわからないからだ。

彼らが深めた溝は民衆にも広がっていたのだ。


かくして北条市の残党と足利尊氏の怪しい動向により俺たちも武装を余儀なくされたのだが。


ここで意外な要請が入る。


新政府から鎌倉に向かうようにと指示が入ったのだ。


鎌倉は混乱の最中だった。

中先代の乱。北条時行が鎌倉に乱入して戦を起こしている。


鎌倉には足利直義や大塔宮がいる。


ではなぜ尊氏はいないのか。

おそらく足利尊氏の不穏な動きに新政府も新田の勢力に援護を要請する他なかったのだろう。


再び戦が始まる。

その前に自分ができることをしておく。


まずは商売の管理から。

うまくいった養蚕で上質の絹糸を京都にいる商人に売りさばく。

もちろんこれだけではなく自分達でも絹織物を制作し地方の貴族に売ることにした。


そして大事な食料である猪は戦の前に大量に用意することにして薫製を多目に保存しておいた。


米やその他の農産物も現金で買うことにした。


もちろん鎧兜もきちんと手入れして戦に備えた。


そして新田一族の配下を越後の国に送ることも忘れなかった。

かねてより新田と縁のある土地だ。

雪深い場所にあるから群馬とは勝手が違う。


まずは越後平野の開発に手を出すことに。

ここは米の生産地としてとてもよい立地だ。


海岸部では塩田の開発に。

これで更なる現金収入を得ることができた。


あとは農産物や漁業の管理だがそれはおいおい報告を待つことにする。


それよりも戦だ。

俺たちは再び鎌倉を攻めることになった。


中先代の乱を収束させるためにも準備をするに越したことはない。


こうして戦は始まろうとしていた。

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