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第十九話 思い出す

「足利尊氏は幕府軍の依頼にも関わらず、勅命を受けて反幕府勢力に力を貸した」

 と語るのは俺の上司であり、半分だけ親子の新田義貞であった。

 

 というかおれ自身は前の世界の親父がいたから不思議な気分だ

 婿入り婚とも違い、ただの家族になっただけだ。しかも養子に。


 そして俺は鎌倉幕府を打ち倒す参謀の役割を担うことに。

 おかげで忙しいこと、忙しいこと。


 昼間はお仕事、よるもお仕事。新田義貞のバイタリティはすごいね。


「お主、話を聞いているのか」

「ははっ」


思わず気が抜けて返事をしてしまった。


「足利尊氏は篠原八幡宮にて旗揚げをした。この意味がわかるか」

「いえまったく」


これだから素人は、と軽くため息を疲れる。


「そもそも篠原は源義家が祭人であり、由緒正しき場所だ」

「だったら何が問題ですか」


再びはあ、とため息。俺って物知らずだと幻滅されたの?


「しかし平家の北条高時の母の出身地である。この事がわかるか」

「はい、なんとなく」


つまりこれは北条高時への挑戦でもあり、一応御恩と奉公の関係を示すためのものである。


「だがやつはきっと北条高時を裏切る。そう直感するのだ」

「確かに噂は流れていますもんね」


「そこでだ。我々も倒幕計画を早めに狙わねばならんのだ」

争いにはお金がいる。つまりそこが悩みどころのようだ。


「これもご先祖様のためだ。九郎丸、お主のちからが必要だ」

この場合再び商売を始めるということだが。


「では俺が新しくこんにゃくを売る作戦に出るとしましょう」


こんにゃくは本来医薬品として利用されていたが鎌倉時代に普及し、常食となったと以前俺の本当の親父が酔いつぶれつつ語っていた。


でも父親もなんだかそばにいるときはただうっとうしかったのに、一人になるとあいつのことを思い出しちゃうな。寂しい訳じゃないけどすこしだけ実家が恋しくなる。親の心、子知らず。子の心親知らずなんていうけどね。


まあたまに親知らず子知らずといってお互いを省みることすらできない断崖絶壁のみちもあり、人生は難しいものだね。


と話がそれてしまった。


そうそう商品開発だけど、今度は21世紀の知識をフル活用してこんにゃく大福なるものを作った。

これが結構な人気で、しかもカロリーが少なくさっぱりしている。我ながら改新の出来だ。


ということでこちらも積極的に寺院や武士、庶民に営業をかけて売りに売りまくった。

たまに田楽がほしいといった人には普通の蒟蒻に味噌をぬって出した。これも結構な人気だったんだよ。


こうして倒幕へのみちは着々と進んでいくのだった。

こんにゃく大福は実際にある商品です。

1000年以上続く老舗のこんにゃくのお店が製造しています。

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