第二十話 出陣
鎌倉幕府を裏切った足利尊氏は多くの味方をつけて入京したそうだ。
万全の体制で守備に徹した六波羅軍であったが足利、赤松、千種の三人相手では分が悪かった。
彼らは城塞に立てこもったが移転した朝廷は関東に逃げることになった。
朝廷側の被害も大きく、南六波羅探題の北条時益は道中野武士にやられ、北朝のお偉いさんまで矢を受けてしまった。
俺たちからすると順風満帆な戦ではあるが、内容は凄惨なものである。
でも彼らは滋賀県の篠原の宿にたどり着くことができたそうな。
だが戦の流れは幕府がたには厳しく、結局六波羅は滅亡してしまった。援軍は誤報により撤退してしまったし、六波羅の北探題の北条仲時は奮闘したが結局負けてしまった。
彼は最後に部下たちに感謝し、自分の首と引き換えに自害して仲間の助命を嘆願した。
と暗い話が続いてしまったね。
というわけで現在の俺は領地経営に、新田義貞の補佐、鎌倉攻略の戦術を練ることに腐心していた。
しかし今までがまったりだったぶん結構忙しい。
領地経営の方はなかなか順調だった。
猪のお肉の売り上げは大したものだったし、カントリークラブもそこそこ儲かっている。
この間始めたこんにゃく大福もなかなか盛況だった。
これは弥次郎さんのところでゼリーを作ったときに考えたことなんだけどね。
この時代の人は基本的に一日二食。だからおやつが結構人気。
それは武士も貴族も庶民も関係ない。
新田義貞の補佐はいつも通りだ。彼の代わりに書類を書いたり、議事録をとったり相変わらずデスクワークが多い。だけどこれも結構いい勉強になるんだ。
そして最後に鎌倉攻略だけどこれが本当に難しい。
さすが天然の要塞と語られるだけあってどこもかしこも切通だらけ。
ただひたすら山道を上るのは人間も馬も大変だ。
ということで新たなるアイデアを。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」作戦だ。
俺、マリーアントワネットじゃないけどさ。どっちかというとアンドレだよね?
えっそこまで品行方正じゃないだって?そ、そんなことはないよ?
と話がずれてしまったが
つまり山から攻略するのが難しいなら海から攻めればいいじゃないという考えだ。
幸い海の満ち引きには月が関係してくる。その辺りを詳しい人間を探せば一石二鳥だ。
場所は稲村ヶ崎がいいだろうな。
海という響きはロマンチックだが実際に計画練っているのは血なまぐさい戦争だ。
北条高時も無事でいるといいんだけどな。
と作戦を寝るだけで一晩明けてしまったとさ。




