パーティー-8
とてもマイペースですが、今年もよろしくお願いします。
「よし、こんなもんかな」
適当なところで掲示板を閉じて、一息つく。とりあえず、俺の考えはきちんと話したのでこれでいいはずだ。
「お疲れ様。以外と早く切り上げたね」
「そうそう、もっと盛り上げりゃ良いのに。その方が、みんなの目に留まると思うぞ」
「まぁ、確定してるわけではないし、当たってるなら誰かが広めてくれるだろうよ」
確かに、この手の情報は多くの人が知っておきたいだろうし、スレッドを伸ばせば目に留まりやすくなるのは事実だろう。
けど、俺はある程度確信しているとはいえ仮説は仮説だ。まだこんな序盤なんだし、無理して知らしめる必要はないだろう。
まぁ、後は見てくれた人や他の意欲的な方々が別の情報を載せたり議論したりして、それをエタリアさんみたいな人が纏めて一つの答えが出るはずで、俺はその一端を少し担っただけだ。
「というか、そんなこと言うくらいなら、お前らも書き込めよな」
「今度、機会があったらってことで」
「右に同じ〜」
う〜ん、こいつらはコミュ力高いのに何故かこういうのは消極的なんだよな。やはり、直接話すのとは違うからだろうか。
その点、俺なんかは結構人見知りするタイプだから、こういった画面上でのやり取りの方が好きなんだが。
「さて、やることやったし、これからどうする?」
「寝るには早い時間だしねぇ」
「体の調子も戻ったみたいだし、オレとしてはもう少し体を動かしたいとこだな」
「奇遇だな、実は俺も夜狩りをしようと思ってたんだ」
ということで、早速夜の街に繰り出す。もちろん、ノアも一緒である。なんでも、俺たちだけにすると心配なんだとか。ハヤトはともかく、俺はそんな心配される覚えはないんだけどな。
当たり前だが、夜の街は昼間とは違い人通りも少なく露店も多くが仕舞われている。聞こえてくるのは主に宿屋や酒場から漏れ出た楽しそうな声。
何かやけにみんなの生活リズムが早い気がする。改めて時間を確認しても、まだ19時過ぎだった。
「やけに暗くない?」
「うーん、それほどでもなくね?」
「オレはむしろ明るいと思うけどな。月も出てるし」
ハヤトに釣られて空を見上げると、綺麗な月が出ていた。もちろん、紅くはなっていない。
瞬く夜空を見ていると、ふとあることに気付いた。
「あぁ、なるほど。電気がないからか」
「ん?まぁ、そういえばそうだな」
「確かに、こっちに来て見たことはないかも」
そう、よくある話だが、剣と魔法のファンタジー世界には科学がない。だいたいの場合、魔法と科学は相反するもので片方が栄えているともう片方は影も形もない。
ノアが暗く感じたのは、おそらく明かりが主にランプや松明のこの世界は、電気を使った照明で昼夜問わず明るい現代に慣れているからだろう。
まぁ、この街がまだそこまで発展していないだけかも知れないけどな。雷属性の魔法を調整すれば何とかなりそうだし、そもそも魔銃みたいないろいろとオーバーテクノロジー的な物もあるしな。
「うーん、念のため松明でも買っていくか?」
「地味にヘイト集める仕様とかありそうだよな」
「ううん、ボクなら大丈夫。見えなくても、別に戦えるから」
この言葉の何処が大丈夫なのか分からないが、まぁノアなら問題ないだろう。考えなしに行動するタイプではない。
ちなみに、俺は【月の加護】のお陰で月さえ出ていれば問題ないし、ハヤトはおそらく種族特性として夜でもよく見えるのだろう。ネコ科は基本的に夜行性だったはずだ。
「じゃあ、このままでいいか」
「そうだな、何か必要ならノアが作ってくれるさ」
「【錬金術】のレベルも低いし、そもそも利便性はそんなにないんだけど」




