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付加魔法は自分のために  作者: 仙堂レイ
第二章:十人十色
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動く的-14

 さすがに、こんなすぐに寝るなんてことはないだろう。万が一戦闘してたとかだったら、そんなんは知らん。


『はいはーい、どうしたよ?』

「お前、やっと出やがったか」

『あれ?その感じだと割と前から申請来てた?』

「さっきの連絡より前にな」


 やっぱりこの野郎、申請に気付いていなかったようだ。でも、声の感じからして寝起きってわけでもなさそうだが……?


『アレより前だと……あぁ、ちょうど戦闘中だったな多分』

「それだったら、普通に申請拒否れば良かったのに」

『いやぁ、ちょっと手強い奴でさ。戦闘に集中してたんだわ』


 へぇ、こいつが手こずるような奴がまだこの近くにいたんだな。それとも、単純に連戦続きで疲労があったか?なんせ、こっち来てからほとんど戦ってたようだしな。


「ちなみに、どんな奴だったんだ?」

『そうだな、ウルフの親みたいな感じだったな。普通に出てくるウルフより2回りくらい大きいくて、牙とか馬鹿デカいの。おそらく噛み付かれたら即死クラスだな』

「完全に化け物だな」

『いやでも、凛々しい佇まいだったし、毛並みも白銀に青が混じった感じですごい綺麗だったぞ?』

「いや、そういうことじゃなくてだな」


 大きさが既に化け物レベルだなと言っただけで、見た目が化け物っぽいかどうかは別問題だ。というか、そんな綺麗なら一度相対したいものだ。……噛み付かれるのは勘弁なので、遠くから観察する程度で。


『ともかく、そいつがやたら強くてさ。攻撃力もすごそうだったが、何より速いのなんので攻撃を当てるのに苦労したわ』

「じゃあ、その分攻撃も熾烈だったんだろ?」

『まぁな。代わりに、防御自体は脆いらしくヒットアンドアウェイで何とかなったけどよ』


 防御を捨てて攻撃に特化させる。まぁ、バランスの取り方としては普通だが、最初の街周辺に出現するモンスターとしてはちょっとアレじゃないか?

 普通は、もっと平均的(オールマイティー)もしくはやや防御寄りにして危険度を下げて狩りやすくするものだと思うんだが。


「……ねぇミナト、ちょっといい?」

「ん?どうしたんだ?」

『なんだ、ノアもいるのか?』

「あぁ、ちょっと待てよ」


 チャットを個人チャットからグループチャットに変えて、ノアにも申請を送る。これで、3人で話が出来るはずだ。


『ハヤト、ちょっと聞きたいことがあるんだけど』

『まぁ、オレに答えられる程度なら?』

『大丈夫、そんな難しいことじゃないから。じゃあ聞くけど、その狼とは1人で戦ったの?』

『まぁ、そうだな。会ったのも偶然だったし、ソロ狩りしてる時だったからな』

『はぁ、やっぱりそうなんだね……』

「おい、それがどうしたんだ?」


 別に、何人で倒そうがそんなに意味はないだろう。複数人だと、経験値配分とかあるだろうしその関係か?


『ハヤトはともかく、ミナトも気付かないの?』

「『いや、気付くって何が?』」

『……2人してその反応か。いい?ハヤトが倒した狼ってのが、草原のボスだったってことだよ』

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