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オッサンフェアリーと私  作者: さむぺん
第1章 妖精界
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歪んだ癖と狂った情緒

「えぇっ、なんでぇ?流石の僕でもそういう癖は無いよ!」


  そう言いながらも珍しく素直に跪く(ひざまず)オッサン。

 少し離れて全体を見た感じだと、私の身長でもギリギリ枝には届きそうな高さだった。


「ほ、放置しないでよ!乗るんでしょ!踏みつけようと思ってるんでしょ!」

「興奮しないでください」

「してないよぉ!別に!うぉっいきなりすぎぃ」


 靴くらい脱いでから乗ってあげたら良かったかなと思いつつ思い切りオッサンの背中に乗った。


 思っていた以上に枝には簡単に手が届き、私は木に登った。

 見た事ない花がチラホラ咲いてていい匂いがする。


 成長したもんだな、昔は枝に手が届くとすら思ってすらいなかったのに。

 昔から引っ込み思案で、自分から何かをやってみるなんて選択肢にすらなかった。

 それなのに今は仕事も辞めて、旅に出て……


 おかしい。なんでちょっとエモくなってるんだ私。


「ねぇぇぇぇ!なんか見えんのぉぉぉぉ?」


 そうだ、全部こいつのせいじゃん。

 私は人生に不満なんて無かったのに。

 全て失ってしまった。惰性(だせい)で続けてた仕事も趣味も……


「聞こえないくらい高いとこいんの!?ねぇぇぇぇ!」


 私の思考を邪魔するようにオッサンの叫び声が脳に響く。

 いつもならスルー出来るくらいよく耳にする声なのに、


「うるせぇな!!!!」


 自分の声も何故か頭にガンガン響くような感覚がした。

 花の香りも今じゃむせ返りそうな程に感じる。


 ハッとして見下ろすと本当に妖精みたいなサイズのオッサンがぽかんと立ち尽くしていた。なれたじゃん、本物に。


「あっ、ごめ」

「あぁぁぁぁぁぁ!!その花ぁぁぁぁぁ!良くないやつかもぉぉぉぉぉぉ」

「良くないって何がですか!」


 私が叫ぶのとほぼ同じ時だった。

 いきなり聞こえた轟音(ごうおん)。視界から消えるオッサン。

 そして一瞬見えた車。

 轢かれた?でもぶつかったような音は聞こえなかった。


  この世界……車あるんかい……

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