次は環境破壊ですか
その前にこの中道から抜ける必要がある。
しかしどの方角を見ても森。周りを見ているうちに、私達がどこからここに入ってしまったのかさえわからなくなってしまった。
「この中道、どうやったら抜けられますかね」
「来た道を戻るしか無いよねー」
「覚えてるんですか?」
「覚えてたら歩き出してるって!ね!」
そうだろうと思った。このオッサンの事だ、覚えていたら自慢げに言い出すか行動するはず。
知らず知らずのうちにオッサンについて少しわかりだしている自分が少し嫌だ。
妖怪ちゃんが地面に棒を立てた。
「倒れた方向に行きましょう!」
「運頼み……」
「ねぇ!棒が勝手に立ってるんだけどぉぉ!」
妖怪ちゃんの存在を忘れたのか、オッサンは目の前の現象に驚き、興奮している。
「妖怪ちゃんが棒が向いた方向に行こうって提案してくれたんです」
「えっ、まだ着いてきてたんだ。走った時はぐれたのかと思った」
「最初から見えてないくせに、なんでそう思ったんですか」
「妖精さんの勘って奴かな」
木の棒がオッサンの足に直撃した。
「痛っ!地味な攻撃やめてよっ!」
「完全に怒らせてますね」
「完全に怒ってます」
屋敷にいた時から薄々感ずいてはいたけれど、この2人、確実に相性が悪い。
お互いの為、というかほぼ妖怪ちゃんの為にも早く中道を出て妖精を探さないと。
「気を取り直して、どの方角に行くのか決めましょう」
「この世界がアンパ○マンの世界なら大声で叫んだら来てくれるのに……」
「現実と向き合ってください」
中道が森の中という事もあって、適当に進む訳にも行かず、完全に立ち往生してしまった。
誰1人と動かず話さず時が過ぎる。
「あっ、いっそ燃やしちゃいますか?」
妖怪ちゃんご乱心である。
「妖怪ちゃんが燃やそうって言ってますけど」
「ナイスアイディーア」
さっきの発言は訂正する。この2人、相性抜群だ。
森を燃やすって、また犯罪行為だ。何回法を犯せば気が済むのか。
「さすがに環境破壊は気が引けるので、せめて落ちてる枝とか葉っぱにしましょう」
「よっしゃあ!集めるぞっ」
3人で枝や葉を集める。あぁ、昔焼き芋焼く時こうやって葉っぱを沢山集めたなぁ。少し懐かしい気分になった。
「これくらいでいいんじゃない?もう飽きた」
「大人がしゃがんだら埋まるくらいですし、結構燃えそうですね」
ここで、1つ疑問が発生した。
火をどうやってつけるかである。
ライターとか持ってないし、火起こしするには木がお粗末すぎる。
「あの胞子で火、つけられないんですか」
「やってみる、かめ○め波みたいなの出す」
オッサンは顔を真っ赤にし、葉っぱの山へ手を突き出した。
大量の胞子が手を包み、なんとなく光っているように見える。
「あんまり綺麗な絵面では無いですね」
「私も思いましたけど、言わないであげてください」
胞子が葉っぱの山へチョロチョロと落ちる。
誰もが失敗だと思った瞬間、葉っぱの山が激しく燃え始めた。
「思ったより燃えるじゃん!僕天才かも!」
ガッツポーズをしているオッサンの前で火柱が立った。もはや爆発である。
こうなってしまった以上、手段は1つ。
「とりあえず逃げましょう」




