不法侵入は犯罪です
「うわー!豪華なお屋敷だねー!」
「ホラーテイストなのが不安煽ってますね、非常に」
何も無い道に突如現れた豪邸。
これがきっと高齢妖精の言っていた、沢山資料があるとされている場所だ。
全体的に暗めな塗装で、海外のホラー映画を感じさせる。
「地図だけじゃなくてお宝も眠ってそう!」
「入ったら最後永遠の眠りにつかされそうですね」
「ネガティブは良くないぞ!行こう!」
オッサンはなんの躊躇いもなくベルを鳴らした。反応は無い。
「留守なのかな?すいませぇぇぇぇぇん」
「留守ならまだ良いですけど、もし誰かいたら普通に通報されますよ」
5分程座って待ってみたが、誰かがいるような気配すら無い。
タイミングが悪かったか、と腰をあげる。
仕方ない。地図は他の手段で手に入れよう。
「ねぇ!鍵空いてるんだけど!」
創作物でもさすがに使われなくなってきたレベルの王道展開だ。私の予想が正しければこの後コイツは中に入ろうと言い出すに違いない。
「中に人がいるかもじゃんね!入ろ!」
やっぱり。
このまま王道を走るのであれば中に入ったら住人に襲われるもしくは死体を発見するはず。
「勝手に入るなんてダメですよ、もう行きましょ」
「地図が何より大事って言ってたくせに?」
「不法侵入する程では無いです。バレたらどうなるかもわからないですし」
こんな訳の分からないことで犯罪者にはなりたくない。
「でもこの先道僕知らないよ?」
「遠回りでも最後に辿り着ければいいんです」
「でも僕ら陽真ノ森の真逆方向に歩いてたし、方向感覚は無いよね」
「……入りましょう」
例え捕まっても妖精界の犯罪歴になるだけであって、人間界に帰れば無かったことになる。多分。
きっと妖精さん達は殺生なんてしない、だって妖精だもの。
オッサンはゆっくりとドアを開いた。
中はかなり広く、入ってすぐの広間にはやたらと大きなシャンデリアがぶら下がっている。
映画なら絶対落ちてくるやつ。
中は電気を付けても薄暗く、なんとなく重苦しい空気だ。
「なんかゴージャスだね、ワクワクしちゃうね!」
「私達本当に同じ屋敷にいます?」
「わかんないけど、今僕の隣に君がいる事に変わりはないし大丈夫!勇気だそ!」
「そういう問題じゃないです」




