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「出来たんじゃない?アスター、腕出して。」
スッと差し出してくれたので、そのまま手を通して手首のところで止めると、ブカブカだったリボンがアスターの手首にぴったりのサイズになった。
「……完璧だな。」
「じゃあみんなに聞いてみるね!」
そのまま5匹に話してみると、おめめがキラキラ輝いた。リラの通訳では、前脚につけるなら問題無くてねぇねとお揃いが嬉しい、だそうだ。
よし、作ろうではないか。
ブレスレットには一つだけ宝石をつけておこう。じゃないと重さが気になってしまうからね。何処かで採掘とか……流石に管理されているか。なら公都でいい宝石見つけるのがいいかなぁ。
「どうした?」
「んー、宝石どんなのがいいかなぁって。」
「成程。魔石では駄目なのか?」
「あ、そっか。それもいいね。」
どの魔石にするか悩んでいると、リラから声が。
『魔石だと元々ある魔力が邪魔になるから、元々ある魔力を無くすか、何か宝石とかに魔力を込めて作った方がいいよ。生活とかでは魔石はそのまま使えるけど、ねぇねや私たちの魔法を付与するなら、魔力が無い状態がいいと思う。』
「……宝石に魔力を込められるのか。」
『うん。今は魔石が流通しているし、悪用される事も多くて、400年前くらいに禁じられたんだっけ。だから今の人達は知らないと思う。』
「成程。禁じられているのにやってもいいのか?」
『……大丈夫じゃないかな。そういう決まりを作ったのは人間だけど、元々は女神さまが禁じるように仕向けただけだから。』
仕向けた?神託とかそういうこと?
「仕向けた、とは?」
あ、アスターも同じこと聞いてくれた。
『争いが絶えなくなって、見かねた女神さまが、お告げというか、神託を授けたっていうのかな。そこから決まりを作ったみたいだよ。』
「おつげ?しんたく?」
おっと、これは通じていないのか。なんて言えばいいんだろう。若干意味の違いはあるけど、類義語でどれかは通じるかな。
「女神さまからの啓示とか、天啓、オラクル、って言ったりするかな。」
「オラクルか。」
あ、通じた。ここではオラクルなんだね。
『そう、オラクルを通じて人が決まりを作ったよ。アスターはやったら良くないと思うけど、ねぇねは大丈夫じゃないかな。今はまだ正式にどこかの国で籍を持ってるわけじゃないし。』
「いや、一応人としての決まりは守った方が良いだろう。」
『そっか。』
まあ、なんやかんや、私も人間だし人の中で生きていかないとだからね。




