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「そういえば、リラとソラにも服、作るんだな。」


「うん。寒いところとか、時期によっては必要かなって。……そう言えば、この世界の時間とか、季節の概念ってどうなってるの?」


 そう、イルリスの森に居た頃は、日が登ってから沈むまでの間で何となく過ごしていた。クエストの時はそもそもそんなに時間もかからなかったし、あまり気にしていなかった。気候としてもとても過ごしやすくて穏やかだったのだ。


「……それも重要だったな。リラとソラはそういう話出来ないしな。それに、これから暫く寒くなるから準備しておく方が良い。」


 アスターも今私が言うまで気が付かなかったのね。


 アスターは一度自分の部屋へ行き戻ってくる。前にも似たような事があったけど、今度はブロッサムより大きいものだ。


「俺が普段使っている時計だ。」


 見てみると地球にもあった懐中時計とよく似ているけど、針は1本しかなくて、数字は1から10までだった。


「この時計の場合は、この針が2周すると1日になるんだ。他の時計も仕様はそう変わらないだろう。」


「そうなんだ。あっちの世界と違うわ。」


 布選び中のリラを呼び解説してもらうと、この世界の時間は1日20時間と地球より短く、秒、分と週の概念が無い。ひと月が60日で季節が6つ。それを一周すると1年になる。一年の日数だけで言えば、こちらが360日であちらは365日もしくは366日なのでほぼ変わらない。


 地球で言う春夏秋冬の他に雨季と雪季と言う季節があり、ひと月で季節ひとつ分としているらしい。

 季節は地球で言う春が花季、夏が葉季、秋は紅季、冬は枝季と言い、花季と葉季の後に雨季が来て、その後に紅季と枝季、最後に雪季で季節を一周し一年になる。植物の様子で季節を決めたらしい、とアスターは言った。


「今は枝季だが、イルリスの森は特殊なのだろう。過ごしやすい気温で紅季とは思えないほど植物が生き生きとしていた。森の外とは空気も魔力も全然違う。」


「空気は確かに澄んでいたし穏やかだったけど、そんな違いがあるんだ。」


「何故そういう違いがあるか分かっていないがな。何せ魔物も強く森の中心地には人の足で入るのは難しいと言われていたから。まあ、ユリシアはそこで過ごしていたわけだが。」


「地球から転移した地点が、そもそもイルリスの森の中だったからね。」


『……イルリスの森は、特別な場所だから。』


 リラが何とも言えない表情でそう言う。ソラはいつも明るく元気いっぱいだけど、リラは時々こう言う表情をしている時があり、気になるし心配もしている。

 ソラとは違う、何かがあるのかな。

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