終焉
ずっと彼からのLINEが途切れるのが怖かった。離れたくなくて、諦めきれなくて、届かない不毛な恋だった。
今は彼からのLINEが怖い。
初デート、行ってきます
楽しんで来てね
これが最後だった。
いい感じなんすよね
付き合うことになりました
うまくいってます
もし、こんな言葉が見えたらどうしようかと思う。
彼に思いを寄せて一年、彼のために心を砕いたこの四ヶ月、なんだったのだろう。だいじょ部は退会してアプリを消した。彼の本心を垣間見ることさえ辛かった。
あっという間に彼は知らない世界に消えた。彼を癒したのは、私の代わりに入った職員だ。辞めていなければ、いなかったかもしれない存在だ。そんなことを思うだけ虚しくなる。なんの因果なのか、どうしてこうなるのかと。最初からあり得ない、いたいだけの恋だったのに。
長く生きていたって、波長の合う人に出会えるのは万に一つだ。私が恋をしてしまわなければ、今も仲のいい同僚でいられたはずだ。
セーブできなかったしっぺ返しで苦しんでいる。大切なものを捨ててしまった。悔やんでも悔やみきれない。
家族もそうだ。夫にしても息子にしても、被害者だ。戻ろう、戻る努力をしよう。
彼が新しい彼女と初デートの前の日、また理由をこじつけて夜勤入りを送った。車の中で新しい人のことは話さなかった。
職場の前で彼をおろして窓越しに言った。
ばいばい、じゃあね
アラフォーの恋は、恋するだけならなんの罪もないのでしょう。その人のために綺麗になりたい、美しくいたい…。
でも恋に落ちたら、悲劇でしかありません。
抱えているものが若い子とは違うのです。
家族、捨てられますか
自分の立ち位置、見えてますか
後ろ姿の彼の幸せを願う余裕すらありません。
今も振り払えない想いで、もがいています。
切ない虚しい想いです。
いつか恋した事を懐かしく想える日が来ることを願って。




