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最高で最後の恋  作者: 佑里
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恋に落ちて

 三ヶ月もすると、仕事にも慣れてきて余裕もでてきたように思えた。親子ほど違う年の差を感じないくらい、私と彼はふざけて笑いあった。すっかり彼の中でいじられキャラが定着してしまった私は、仕事にいくのが楽しみになってきていた。彼からすれば、私だけにしていたわけではない。私がひとり、勘違いをしたのだ。

 ここで踏みとどまることなど、その時はなにも思わなかった。いつの間にか彼を探して、彼のそばに行けるように仕事して、彼のためになれるよう勤めていた。もう気になる存在ではなく、すでに好きになってしまっていた。

 彼の声が聞きたくて、彼の姿が見たくて毎日を過ごしていた。出勤するとまず彼の下駄箱を見る。黒い革靴があれば、ほっとする。シフト制なので、毎日会えるとは限らない。廊下で声が聞こえると、用もないのにその方向へ歩いてしまっていた。彼は私を見つけると満開の笑顔で話しかけてくれた。

 いっそ、あの頃冷たくしていてくれたらと思う。今の苦しみはなかったはずだから。

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