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最高で最後の恋  作者: 佑里
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出会い

 何年かぶりの仕事は簡単ではない。主婦感覚でいると職場ではついていけない。失敗もあり毎日が追い詰められたような状態で、吐き気を伴う不安感から抜け出せずにいた。施設の利用者の家族からクレームもあり立場は悪くなる一方だった。楽しいとはいえない仕事ではあったが、かといって夫に愚痴をこぼすわけにもいかなかった。私の就職を快く思っていないのは一目瞭然だった。しんどいなどと一言でもこぼせば、辞めなさいと言われるのがオチだ。職場ではたえず笑顔を作り、家に帰るまで歯を食いしばり玄関を開けると、何事もなかったかのように主婦業に徹した。

 今から思えば、こんなに無理をして仕事を続ける必要はなかった。ここで辞めていれば、おかしなことにはならなかった。

 介護の仕事はもはや女性の仕事ではない。動けない大柄の年寄りを移動させるには男性の力が必須であり、女性の年寄りを癒せるのは男性の介護士だった。職場の半分は男性で私は本当に久しぶりに男性との会話を楽しんだ。なかなか職場に溶け込めない私にとりわけ優しく接してくれたのが、彼だった。

 きっかけは海外サッカーの話しからだった。お互いサッカー好きで、二人で勤務する時など仕事そっちのけで話した。たくさんの人混みの中から、わざわざ私を見つけて話しかけてくれた。夫から普段優しくされていない私にとって、異性から受ける親切は身にしみた。二人きりでエレベーターに中で一緒になった時、彼は少年のような笑顔で

「慣れましたか」と私に聞いた。私の心の中に何かが生まれてしまった。セーブしなければならなかった。彼は22歳年下なのだ。

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