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最高で最後の恋  作者: 佑里
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就職

 私には二人の息子がいる。二人とも大学生になり、私の生きがいは大型犬の世話になった。体重の重い大型犬の世話は手がかかる。老犬になり、立つこともままならなくなった犬の世話に尽くした。家族を支え、溝のある夫との間を埋めてくれたのは、まぎれもなく犬だったから。桜がほころびはじめた春の日、静かに旅立った。私は片身半分を失ったようになった。泣き続けた。なにも手がつけられなくなった。町も歩けない、いつも散歩していたから。ガランとしたリビングには、この前まで犬が寝ていた座布団を片付けられずにいる。臭いも床の傷も愛おしくてたまらない。

 家の中にいてはいけない。そんな思いが、就職活動に走らせた。こんな年齢で、しばらくぶりに職に着くには介護施設しかなかった。

 採用され初勤務の日は土砂降りだった。

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