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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5.5章 小休止編(2)
90/92

90 研究所では、お静かに!

 薫の留守番電話が入ってから、二週間後。

 ハルたちは、薫の研究所を訪れていた。

「薫さん、確認したいことってなんだろう……」

「わからないが、俺が気になるのは……」

 レンの目線は、ハルの腰の辺りを見ていた。

 そこには、ハルと手をつないでいる神の遣いがいたのだ。

「なぜ、神の遣いも連れてきたんだい?」

「だって、また留守番していたら、今度はなにするかわかんないですし……」

「一緒にいた方が、安全だと皆で話したじゃないですか」

「それは、そうなんだが……」

 歯切れの悪いレンに、ハルとユミは顔を見合わせる。

 すると、神の遣いがけだるそうな声を出した。

「我は別に、留守番していてもよかったのだぞ」

「ダメです!」

「むむむ……」

 ハルにキッパリと断られ、神の遣いは口をとがらせた。

 研究所に入ると、走ってくる人影が見えた。

「ハルーっ!」

「マサ!」

 走ってきたのは、マサだった。

 マサは、勢いよくハルに抱きつき、頬ずりをする。

「ちょっとマサ、くすぐったい!」

「いいじゃねぇか。俺はハル成分が足りないから、もうちょっとだけ」

「人を栄養素みたいに言わないでよ!」

「はぁー、落ち着く……」

 のどを鳴らすマサに、ハルは苦笑した。

 そして、満足したマサは、ハルから離れる。

 ハルは少し名残惜しかったが、ふとマサの足を見つめる。

「そういえば、もう足の怪我は大丈夫なの?」

「あぁ、完全に治ったぜ。それよりも……」

 突然マサの声が低くなり、ハルは首を傾げる。

「どうしたの?」

「どうしたじゃねぇよ。なんで、見舞いに来ないんだ!」

「行ったじゃない、二、三回ぐらいだけど……」

「来るんだったら、毎日来てくれよ!」

「無茶言わないで。ここ、けっこう遠いんだよ?」

「そうだぞ、マサ」

 ハルとマサが言い合いをしていると、あかりがやってきた。

 そしてマサに近づき、自分の腰に手を当てる。

「ハル姉ちゃんを困らせたら、ダメじゃないか」

「あかりさん、マサがなにか迷惑かけなかった?」

「それはないぞ。あたしは、マサといられて楽しかったし」

「俺は、母親に言われるみたいで、うんざりしていたけどな」

「こらっ、マサ、そんなこと言わないの!」

 ハルに怒られ、マサはそっぽを向いた。

 だが、あかりは気にすることなく大笑いをする。

「構わないさ。口うるさく言っていたのは、確かだからな」

「本当、うちのマサがごめんね」

「マサ、君はもう少し、彼女に感謝するべきだ」

 レンは、ハルとマサの間に割って入った。

 そして、冷たくマサを見下ろす。

 マサも負けじと強く睨みつけた。

「そういや、レン。俺がいない間、ハルにちょっかい出したんじゃないだろうな」

「さぁ、どうだろうね」

 レンはハルに振り向くと、優しく微笑んだ。

 それに、ハルは顔を赤らめる。

 二人の関係に、マサはしっぽの毛を逆立てた。

「やっぱり、なにかしたんだな!」

「君には、関係ないだろう」

「そんなことねぇよ、だって俺たちはなぁ!」

「ちょっとマサ、落ち着いて!」

「こいつに食ってかかっても、あんたに勝ち目はないだろ」

 マサとレンは、火花を散らすように睨み合う。

 そんな中、ハルは焦り、あかりは呆れていた。

「これは三角……いえ、四角関係でしょうか」

「ユミ、ワクワクするんじゃない」

「お主らは、本当に面倒だな」

 ハルたちの騒ぎに、ユミは楽しげだった。

 そんなユミに、イグと神の遣いは呆れて、ため息をついた。

 すると、ひとつ咳払いが聞こえた。

 全員が振り向くと、アキナとユキが立っていた。

「今のは、ユキがしたのか?」

「いっ、いえ、俺ではなく……」

「私がしたんですよ」

 アキナの返事に、ハルは隣のユキを見つめる。

 ユキはというと、顔を引きつらせていた。

「お楽しみのところ、すみませんが……」

 アキナは、満面の笑みを浮かべていた。

 だが、怒っているのは明白である。

「そろそろ、薫さんの所に行きましょうか」

「はい……」

 これ以上、怒らせてはいけない。

 そう、ハルたちは思ったのだった。

★★★

「薫さん、ハルさんたちを連れてきました」

「ありがとう、アキナ君。おや?」

 作業の手を止めた薫は、ハルたちの様子に首を傾げる。

「なんだか、皆大人しいけど、どうかしたのかい?」

「いえ……気にしないでください」

「まぁ、いいか」

 ハルは、苦笑しながら手を振った。

 ふとアキナに目をやったが、薫は深く追及しないことにした。

 そして、研究室の奥を指さした。

「すまないが、これを見てほしい」

「えっ……」

 奥を凝視したハルは、机に置いてある物に目が釘付けになる。

 そこにあったのは……

「なっ、なんで、サラさんの頭がここに?」

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