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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5章 vsアンドロイド編
73/82

73 サラの変化と合流

 発砲音は、工場内で戦っているあかりたちにも届いていた。

「なんだ、今の音は!」

「奥の方から、聞こえたであります!」

「あっちは確か、マサが戦っていたはずじゃ……」

「もしや、やられたのでは?!」

「バカ言うな。あいつは、そう簡単にやられたりしないさ!」

 あかりは、持っていた槍を振り、メイドたちにダメージを与えていく。

 そして振り返り、他のアニマたちに呼びかけた。

「今は、こいつらを倒すことに集中しろ!」

「了解です、ボス!」

★★★

 奥の部屋にいたマサは、口を開けて驚いていた。

 銃口は、確かにマサに向いていた。

 しかし、弾はマサに当たらなかった。

 弾は、マサの後ろにある、機械を撃ちぬいていたのだ。

 しかも、連射したため、機械は原型を保てず崩れていく。

「なっ……」

「あら、外してしまいましたね」

「あんた、今のは……」

 マサは我に返り、サラを睨みつける。

 だが、サラは涼しい顔で、ライフル銃を元に戻す。

「今ので、あなたは始末しました。もう用はありません」

 サラは淡々と話し、軽く会釈をした。

「私はこれで失礼するので、あとは自由にしてもらって構いません」

「見逃すっていうのか?」

「言っている意味がわかりませんが」

 サラはそう言うと、近くの出入口に視線を向ける。

 すると、いくつかの声が聞こえてきた。

「あった、ここからすごい音が聞こえたでござるよ!」

「マサーっ、いたら返事してーっ!」

 声の主は、ハルたちだった。

 そのことに、マサは喜びと安心でいっぱいになる。

「……どうやら、無事に辿り着けたようですね」

 そう呟いたサラは、マサに背を向け駆けだした。

 振り向いたマサは、引きとめるように手を伸ばした。

「おい、待て!」

「あっ、ここが入り口みたいですよ!」

「マサーっ、ここにいるのーっ?」

 サラが出ていった後、少ししてハルたちが入ってくる。

 マサは振り向き、大きく手を振った。

「ハル、俺はここだ!」

「マサ!」

 ハルはマサに気づき、急いで駆け寄った。

 レンやユミたちも、警戒しながら入っていく。

「よかった、また会えて……」

「ハル……」

「あんな別れ方したから、もう一度ちゃんと話そうって思ったの」

 ハルはマサの手を取ると、優しく握った。

「あの時、拒絶して、ごめんなさい……」

「俺も、悪かった……好きな女に、誤解されるのが嫌で、つい自分の気持ちを押しつけちまった」

「マサ……」

「また、こうして会えると思っていなかったから、正直うれしい……」

 ハルとマサが見つめ合っていると、小さい咳払いが聞こえた。

「それより、ここにサラというアンドロイドが来たと思うんだが」

「アンドロイドなら、他にも何人かいて、メイドの格好をしていたな」

「そういえば、なんか向こうが騒がしいような……」

「アンドロイドの他に、アニマもいるようだな」

「えぇ、気配からして、数十人はいるかと」

 イグとユミが話していると、マサが音のする方を指さした。

「少し前から、アニマとメイドたちの戦いが始まっているんだ」

「マサ、君だけなぜここに?」

「戦っていたら、この部屋に追いこまれたんだよ」

「しかし、妙だな」

「レンさん?」

 考えこむレンを、ハルやマサたちは静かに見つめる。

 そして、レンは自分の考えを話しだした。

「あのアンドロイドたちは、アニマの排除が目的のはず」

「確かに、私もそう聞きました」

「なのに、彼にトドメをささず見逃している」

「あっ、そういえば!」

「マサ、なにか思いだしたの?」

 マサは先ほどのことを思いだし、ハルたちに教えた。

「俺を追いつめたメイドの他に、もうひとりやってきたぜ」

「それって、まさか……」

「多分、命令していたし、あいつが一番上なんだな」

「サラさん、マサを見逃してくれたんだ……」

「だが、お嬢や俺たちを狙ったのも本当だ」

「攻撃しながら、追い回されましたからな」

「一体、彼女の中でなにが……」

 ハルたちは考えを巡らせていたが、それは突然中断される。

 なぜなら、大きな爆発音が聞こえたからである。

 それに加えて、床が振動したのだ。

「なっ、なにこの揺れ!」

「まずいな、戦いのせいでこの場所が崩れ始めている!」

「えっ、早く避難しなくちゃ!」

「ならば、戦いを停めないとだな」

「皆、やめるでござろうか」

「多分、やめないだろうな」

 イグは、腕を組んだままハルを見つめる。

「お嬢、それでもあいつらを助けるのか?」

 イグの言葉に、ハルは強く頷いた。

「理由はどうであれ、このままじゃ全員つぶされちゃう」

 そして、ハルは両手を胸の前で握りしめる。

「私は、ここにいる人たちを助けたい。アニマも、メイドさんたちも!」

 ハルの決意に、レンたちはお互い顔を見合わせる。

 そして、全員頷いた。

「君なら、そう言うと思ったよ」

「そうと決まったなら、早く行こうぜ!」

 マサは立ち上がったが、負傷した足が痛みだす。

 そのため、すぐ片膝をついてしまう。

「くっ……」

「マサ、大丈夫?!」

「無茶をするな。俺がおんぶしようか?」

「誰があんたなんかに!」

「もう、またそうやってケンカ腰になる。レンさんの方が大人じゃない……」

 ハルが呆れていると、イグがため息をついた。

「しかたない、俺が担いでいくか」

「なっ?!」

「マサさん、少しの間大人しくしていてくださいね?」

「うぅー……」

 なにか言いたげなマサだったが、大人しく言う事を聞いた。

 ハルは、いつも通りのアニマたちのやり取りに微笑んだ。

 そして、緊急を知らせるため、工場の中心部を目指すのだった。

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