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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5章 vsアンドロイド
72/130

72 落とし物

「では、私は急用ができたので、ここで失礼します」

 サラは深々とお辞儀をすると、数枚の紙を取り出した。

 そして、盛大にばらまいたのだ。

「おっと、手が滑ってしまいましたー」

「わわっ!」

「なんのつもりだ!」

「それでは、後片づけはお願いしますね」

 そう言うと、サラは小走りで出ていってしまった。

 残されたハルたちは、ぽかんとしていた。

 リビングには、ばらまかれた紙が散らばったままである。

「一体なにをしたかったんだ、あいつは……」

「盛大に、散らかしていきましたなぁ」

「しかも、すごい棒読みでしたね……」

「それにしても、なんでこんなに紙を……」

 すると、散らばっている紙を集めていた、ハルの手が止まる。

「これは……」

 その紙には、どこかの地図と、数人のアニマの特徴が書かれていた。

 ハルは地図をレンに渡し、数枚の紙を調べた。

 少し目を通したところで、ハルは目を見開く。

 そこには、こう書かれていた。

『電撃を操る、猫のアニマ』

「これ、絶対マサだ!」

 ハルは紙を握りしめると、玄関を出ていく。

 家の前まで出たが、もうサラの姿はなかった。

「やっぱり、もういない……」

 ため息をついたハルは、持っていた紙を見つめる。

「どうして、サラさんはこの情報を……」

「彼女が、なにを考えているかわからないが」

 レンも出てきて、ハルの肩に手を置く。

「俺たちにとって、有益な情報だよ」

「ここに行けば、マサに会えるんですね!」

「そうかもしれないね」

 レンは地図を見つめ、あごに手を当てた。

「この地図に描かれている場所の近くには、俺も行ったことがある」

「ここから遠いんですか?」

「うむ……アニマの足なら、そう遠くはないが」

「なにか問題でも?」

 歯切れの悪いレンに、ハルは首を傾げる。

「確かこの辺は、廃工場や空き家が多かった気がするんだ」

「とりあえず、この地図の場所に行ってみましょうよ!」

「だが、罠かもしれないよ」

「そうだとしても、もう一度マサに会えるなら、私は行きます!」

 まっすぐ見つめるハルに、レンは微笑んだ。

「もう、迷いはないみたいだね」

「はい!」

「ならば、急ごう!」

 レンは先に、家に戻っていく。

「夜になれば、飛んでの移動は困難になる」

「あっ、そういえば」

 ハルが空を見上げると、もう夕暮れだった。

「いけない、もう日が沈んじゃう!」

 焦ったハルは、急いでユミたちに呼びかけた。

「皆、これから出かけるよ!」

「えっ、後片づけは?」

「そんなのは後回し!」

 ハルの様子に、ユキとユミは顔を見合わせる。

 その間にも、ハルは支度を始めていた。

「今は日が暮れる前に、あの地図の場所に行くよ!」

「わっ、わかりました!」

「目が覚めたら、お嬢は慌ただしいな」

 あちこち動くハルに、イグはため息をついた。

 だが、元気になったハルを見て微笑む。

 すると、神の遣いが小さく手を上げる。

「ならば、我はここで留守番をしていよう」

「えっ、神の遣い様は一緒に行かないんですか?」

「我が行かなくても、お主たちでなんとかできるだろ」

「神の遣い様がいれば、どうにかなると思ったのに……」

「この件に関して、我は一切干渉せん」

 そう言うと、神の遣いは背を向けた。

 そして、テレビの前に座る。

 『干渉しない』というのを、行動で示していた。

 それがわかったハルは、その背中に話しかけた。

「わかりました。じゃぁ、お留守番お願いしますね!」

 すると、神の遣いは振り向かずに手を振った。

「よしっ、皆行こう!」

 ハルのかけ声に、アニマたちは頷いた。

★★★

 とある廃工場では、もう戦いが始まっていた。

 サラはそこに降り立ち、中へと入っていく。

 中では、アニマとメイド姿のアンドロイドが交戦中である。

 戦いを見ても、サラは表情ひとつ変えなかった。

 やがて、近くにいたメイドに話しかける。

「状況はどうですか?」

「両者ともに負傷者は出ていますが、こちらが有利かと」

「それで、猫のアニマはどこですか?」

「どうして、そんなことを聞かれるのですか?」

「詮索は不要です」

 サラの気迫に、メイドは少し間をおき、奥を指さした。

「あちらで、我々と交戦中です」

「わかりました」

 奥を一度見つめ、サラは一歩踏み出す。

「あなたたちは引き続き、アニマの排除に徹しなさい」

「承知しました」

 サラは攻撃を避けつつ、奥へと進んだ。

 奥では、マサとメイド姿のアンドロイドが戦っていた。

 だが、マサは右足を負傷し、肩で息をしている。

「はぁ……はぁ……」

「よく、ここまで粘りましたね」

 サラとよく似たアンドロイドは、無表情でマサを見つめる。

 そして、両手をレーザー砲に切り替えた。

「そろそろ、終わりにしましょうか」

「くそっ、まだ終わるわけにはいかないのに!」

「待ちなさい」

 凛としたその声に、メイドの動きが止まる。

 そしてメイドは、ゆっくり振り向く。

 その視線の先には、静かに近づいてくるサラがいた。

「あなたは、向こうのアニマたちの相手をしなさい」

「ですが、このアニマはどうされるのです」

「私が相手をします」

 メイドはなにかを言おうとしたが、静かに頷いた。

「では、私はここで失礼します」

「なっ、待ちやがれ!」

 マサは追いかけようとしたが、片足に力が入らなかった。

 それにより、片膝をついてしまう。

「くっ……」

「苦しいんですね。今、楽にしてあげます」

 すると、サラは片手をライフル銃に変える。

 そして、その銃口をマサの方に向けた。

「さよなら、猫のアニマさん」

 やがて、発砲音が部屋中に響き渡った。

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― 新着の感想 ―
サラさんは徐々に変わっていってるような? ハルちゃん達にマサの居場所を教えてくれたんだよね? そして、苦戦してるマサと対面したサラさん……!!
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