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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5章 vsアンドロイド編
72/81

72 落とし物

「では、私は急用ができたので、ここで失礼します」

 サラは深々とお辞儀をすると、数枚の紙を取り出した。

 そして、その紙を盛大にばらまいたのだ。

「おっと、手が滑ってしまいましたー」

「わわっ!」

「なんのつもりだ!」

「それでは、後片づけはお願いしますね」

 そう言うと、サラは小走りで出ていってしまった。

 残されたハルたちは、ぽかんとしていた。

 リビングには、サラがばらまいた紙が散らばったままである。

「一体、なにをしたかったんだあいつは……」

「盛大に散らかしていきましたなぁ」

「しかも、すごい棒読みでしたね……」

「それにしても、なんでこんなに紙を……」

 散らばっている紙を集めていると、ふとハルの手が止まる。

「これは……」

 その紙には、どこかの地図と、数人のアニマの特徴が書かれていた。

 ハルは地図をレンに渡し、数枚の紙を調べた。

 すると、文章の一部にこう書かれていた。

『電撃を操る、猫のアニマ』

「これ、絶対マサだ!」

 ハルは紙を握りしめると、玄関を出ていく。

 家の前まで出たが、もうサラの姿はなかった。

「やっぱり、もういない……」

 ため息をついたハルは、持っていた紙を見つめる。

「どうして、サラさんはこの情報を落としていったんだろう……」

「彼女が、なにを考えているかわからないが、俺たちにとって有益な情報だ」

「ここに行けば、マサに会える……」

「そうかもしれないね」

 レンは地図を見つめ、あごに手を当てた。

「この地図に描かれている場所の近くには、俺も行ったことがある」

「ここから遠いんですか?」

「そうだね……アニマの足ならそう遠くはないが……」

「なにか問題でも?」

 歯切れの悪いレンに、ハルは首を傾げる。

「確かこの辺は、廃工場や空き家が多かった気がするんだ」

「とりあえず、この地図の場所に行きましょう!」

「だが、罠かもしれないんだぞ」

「そうだとしても、もう一度マサに会えるなら、私は行きます!」

 まっすぐ見つめるハルに、レンは微笑んだ。

「もう、迷いはないみたいだね」

「はい!」

「ならば急ごう。夜になれば、飛んでの移動は困難になる」

 ハルが空を見上げると、もう夕暮れだった。

「いけない、もう日が沈んじゃう!」

 焦ったハルは、急いでユミたちに呼びかけた。

「皆、これから出かけるよ!」

「えっ、後片づけは?」

「そんなのは後回し。今は、日が暮れる前にあの地図の場所に行くよ!」

「わっ、わかりました!」

「目が覚めたお嬢は、慌ただしいな」

 イグはため息をついたが、元気になったハルを見て微笑む。

 すると、神の遣いが小さく手を上げる。

「ならば、我はここで留守番をしていよう」

「えっ、神の遣い様は一緒に行かないんですか?」

「我が行かなくても、お主たちでなんとかできるだろ」

「神の遣い様がいれば、どうにかなると思ったのに……」

「この件は、娘に頼んだことだ。我は干渉せん」

 そう言うと、神の遣いは背を向け、テレビの前に座った。

 『干渉しない』というのを、行動で示していた。

 ハルもそれがわかり、神の遣いの背中に話しかけた。

「わかりました。じゃぁ、お留守番お願いしますね!」

 すると、神の遣いは振り向かずに手を振った。

「よしっ、皆行こう!」

 そしてハルたちは、慌ただしく家を出ていった。

★★★

 とある廃工場では、もう戦いが始まっていた。

 サラはそこに降り立ち、中へと入っていく。

 中では、アニマとメイド姿のアンドロイドが交戦中である。

 戦いを見ても、サラは表情ひとつ変えなかった。

 やがて、近くにいたメイドに話しかける。

「状況はどうですか?」

「両社負傷者は出ていますが、こちらが有利かと」

「それで、猫のアニマはどこですか?」

「どうして、そんなことを聞かれるのですか?」

「詮索は不要です。早く答えなさい」

 サラの気迫に、メイドは少し間をおき、奥を指さした。

「あちらで、我々と交戦中です」

「了解です。あなたたちは引き続き、アニマの排除に徹しなさい」

「承知しました」

 そして、サラは攻撃を避けつつ、奥へと進んだ。

 奥では、マサとメイド姿のアンドロイドが戦っていた。

 だが、マサは右足を負傷し、肩で息をしている。

「はぁ……はぁ……」

「よく、ここまで粘りましたね」

 サラとよく似たアンドロイドは、無表情でマサを見つめる。

 そして、両手をレーザー砲に切り替えた。

「そろそろ、終わりにしましょうか」

「くそっ、まだ終わるわけにはいかないのに!」

「待ちなさい」

 凛としたその声に、メイドの動きが止まる。

 そしてメイドは、ゆっくり振り向く。

 その視線の先には、静かに近づいてくるサラがいた。

「あなたは、向こうのアニマたちの相手をしなさい」

「ですが、このアニマはどうされるのです」

「私が相手をします」

 メイドはなにかを言おうとしたが、静かに頷いた。

「では、私はここで失礼します」

「なっ、待ちやがれ!」

 マサは追いかけようとしたが、片足に力が入らなかった。

 それにより、片膝をついてしまう。

「くっ……」

「苦しいんですね。今、楽にしてあげます」

 すると、サラは片手をライフル銃に変える。

 そして、その銃口をマサの方に向けた。

「さよなら、猫のアニマさん」

 やがて、発砲音が部屋中に響いたのだった。

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