表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第4章 アニマの暴走編
62/92

62 強制的な暴走

 あかりは口角を上げ、持っていた槍に力をこめていく。

 そして、勢いよく振った。

 それと同時に、激しい突風が吹き荒れる。

「うわぁーっ!」

 マサたちは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

「でも、よく働いてくれたよ、マサ」

「くっ、どういう意味だ」

「あんたの仲間で、戦力になる二人を連れだしてくれたんだからな」

「なに?」

 あかりの発言に、レンとイグはマサを見つめた。

 言われたマサは、ぼう然としていた。

★★★

「ねぇ、やっぱりマサたちの後を追った方がよくない?」

「でも、ここで待っていようって、決めたじゃないですか」

「そうだけど……」

 マサたちが出ていってから、ハルは落ち着きがなかった。

 すると、突然ユキが立ち上がった。

「むむっ、なにやら数名こちらに向かってきておりますぞ!」

「ユキがわかるってことは、アニマだよね」

「急いで、外に出ましょう!」

 ハルたちが家の外に出ると、コバットが数名のアニマを連れてきていた。

「くくく……はじめまして、オイラはコバット」

「ハルさん、下がってください!」

「うっ、うん」

「あんたがハルかぁ。思ったより普通だな」

「なんか、失礼なこと言われている気がする……」

「おっと、つい本音が出てしまったぜぇ」

 ふざけたコバットの発言に、ハルは顔をしかめる。

 しかし、コバットは笑みを絶やさない。

「あんたが持っている指輪を、もらいに来たんだぜぇ」

「なんで、この指輪を?」

「なんでって、そいつが特別だからだよぉ」

 コバットはニヤつきながら手をイジる。

「その指輪は、複数のアニマと契約できるんだよなぁ」

「そっ、そうよ」

「それがあれば、オイラたちは無敵さぁ!」

「ダメっ、これは絶対渡さない!」

「いいぜぇ。なら、力ずくで奪うまでだぁ」

 コバットが手を叩くと、小柄で熊の耳の生えた少年がやってくる。

「さぁ、ベアト。お前の力を見せてやれ」

「でっ、でも僕……」

「なぁに、この薬を使えば、お前は最強だぜぇ?」

 コバットは、懐から小さな注射器を取り出した。

 そして、ベアトに握らせる。

 だが、ベアトの手は震えていた。

「なに、あの注射器……」

「なんだか、嫌な予感がします……」

「さぁ、打つんだベアト!」

 コバットの圧に耐えられず、ベアトは腕に注射を打った。

 すると、体はどんどん大きくなっていく。

「なっ、なに?」

「先ほどの少年とは、全然違うでござるよ!」

「多分あれは、桂木博士の所にあった物です」

「あの人、そんな物まで作っていたの?!」

「あの人は、アニマを実験体でしか、見ていませんでしたから」

 桂木博士のことを思いだし、ユミは顔を歪める。

 その間にも、ベアトの体は変化していく。

 やがて、大柄で筋肉質の体になった。

「ガアァーッ!」

 雄たけびを上げたベアトは、ハルたちに突進していった。

「俺が食い止めるでござる、火炎!」

 ユキが駆けだし、炎でベアトの周りを囲む。

 だが、ベアトはものともせず、突進を続けた。

「なっ、火が怖くないのでござるか?!」

「だったらこれで、かまいたち!」

「ガアァーッ!」

 ユミも、風の刃で応戦する。

 しかしベアトは、攻撃を受けても進み続けた。

 その姿は、暴走する獣のようだった。

「うそっ、痛みを感じないの?!」

 驚くユミに、ベアトの裏拳がヒットする。

「きゃぁっ!」

 ユミはなんとか防いだが、吹き飛ばされてしまう。

 そして、そのまま家のへいに激突した。

「ユミ殿! ぐはっ!」

 ユミに気をとられていたユキも、ベアトのタックルをもろに食らってしまう。

「ユキ、ユミちゃん!」

「んーっ、んんーっ!」

 ハルが駆け寄ろうとした時、悲鳴のような声が聞こえた。

 声のした方に目を向けると、ベアトたちの後ろで、何かが動いていた。

 そこにいたのは、ポニーテールの女性で、地面に座らされていた。

「えっ、あの人は人間?」

 しかも、女性は縛られており、口は布でふさがれていた。

「なんであの人、縛られているの?」

 ハルが戸惑っていると、女性は顔を動かし、自力で布をとる。

 そして、大声でベアトに呼びかけた。

「ぷはっ、ベアト、もうやめて!」

「グウゥ……」

「もしかして、この子の契約者?」

「お願い、その子を止めて!」

「えっ?」

「こんなことする子じゃないの。本当は、とても優しい子なの!」

「うるさい、黙ってろ!」

「ひぃっ!」

 必死に呼びかける女性だったが、近くにいた他のアニマに押さえつけられる。

「ひどい……脅されているんだ」

「グウゥー……」

 ふと声が聞こえ、ハルはベアトに視線を移す。

「えっ、泣いてる?」

 ハルは驚き、その姿に釘付けになる。

 なぜなら、ベアトは体を震わせ、歯を食いしばって泣いていたからだ。

「苦しいんだね……大丈夫、すぐ助けるから!」

「でも、私たちの攻撃、全然ききませんよ」

「それでも、どうにかしないとでござる!」

「一体、どうすれば……」

 必死に考えるハルだが、いい案が浮かばないでいた。

 その間にも、ベアトは次の攻撃に移っていた。

 ベアトが、手を大きく振り上げた、その瞬間……

「ガウッ?!」

 いくつかの空気砲が、ベアトに命中したのだ。

「なっ、なに今の……」

 ハルたちが振り向くと、茶髪でメイド服の女性が立っていた。

「えっ、メイドのお姉さん?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ