MAIN SCREEN:FIRST/FINAL JOINT CONCERT
体育館の舞台上に2つのバンドのメンバーがひしめいていた。ドラムの宮城森乃がヴォーカル二人を見た。蘆谷香久耶も若咲理里香も頷いたのでスティックで小さくドラムを叩き始めた。人の鼓動に近いそれで香久耶はギターの音色を乗せ歌い始めた。
そこに リズム あったから
人は ビート 刻んだから
エレキベースの徳田美英莉とキーボードの御所ハルノが優しくギターと歌声を支え始めた。
そこで 音を 奏でたから
人は メロディ 響かせた
音と リズム 出会ったから
声と 楽器 があったから
人は 歌い 始めたんだ
若咲理里香がコーラスで加わった。
私に とって それはいつ?
もう 思い出 の果て・in my life
最良の時 皆に 出逢い 歌う
最良の時 皆が いたから 歌えた
Finest hour in my life
間奏。理里香がトランペットを手にすると浪々と主旋律をベースにした即興演奏を見せ、そこに香久耶も勝負とばかりにギターがぶつかった。
そんな二人の演奏にバイオリンの守川萌香が呆れて割って入ってカデンツァで技巧を凝らした演奏を始めると香久耶と理里香は我に返ってフェードアウトしてお互いに苦笑。
バイオリンのカデンツァの最後にチェロの稲山郁美、コントラバスの加藤翠、トロンボーンの晴田天乃が加わって先ほどとは打って変わったクラシカルな演奏の中、理里香が歌った。
それは 偶然 賽の目に
人は それを 奇跡見る
そんな 奇跡 起きたから
ここから香久耶がコーラスで加わる。そんな香久耶を見た理里香は少し微笑みながら歌い続ける。
人が 集いて 音奏でた
それは リズム 縦糸で
香久耶のバンドのドラム宮城森乃が加わって理里香のバンドのドラム井上奈留美と共にリズムがステレオで刻み始めた。二人もカウンターパートのドラマーを見て笑顔で頷きあった。
それは 音の 横糸で
縦が 揃って 音編まれ
ここで香久耶のバンドのベース、キーボードが再び音楽に加わり香久耶もギターも弦をかき鳴らした。二つのバンドがによる大合奏。体育館の中を音が響き渡り、唯一の観客である陽一は体でリズムを取りながら聞き入っている。
香久耶と理里香は二人で肩を組まんばかりの近さで歌った。それは香久耶と理里香の歌だ。
私は 歌に 捕らわれて
合奏 の中に・in my life
最良の時 この愛おしい瞬間
最良の時 いつか集いて振り返ろう
Finest hour in my life
最後の音が鳴り終わった時、香久耶と理里香たちはハグしてお互いの健闘を称えあった。最初で最後のジョイントコンサート。唯一の観客だった陽一は心の底からの拍手を香久耶と理里香のバンドの人達に送った。




