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私達の最良の時/私達は幸いなる少数  作者: MV E.Satow maru
第3章 私達は幸いなる少数
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シネマ・コンサート神戸公演台本 E PART

E PART「糸をほどく」

<旧部活センター棟>

陽一:

 気付くとまだ何も起きていない部活センター棟に立っていた。

 陽一は玲佳れいかも犯人も言動が奇妙だった事から香久耶かぐや理里香りりかたちも同じような危機に陥っているのではないかと想像していた。


 棟を見ると玄関を見つからないように走って行く人影が見えた。


 そこらへんに落ちている小石を拾った陽一は音楽スタジオの窓に向かって投げた。


<音楽スタジオ>

香久耶かぐや

 (音楽スタジオで香久耶かぐや達が演奏中)

 「カツン」(窓に小石が当たる音)

 気付いて窓を開けて身を乗り出す香久耶かぐや

 「陽一くん?陽一くんなの?え、分かった。この建物に放火犯が侵入したのかもしれないのね。分かった。火災非常ベルを鳴らしてみんなで逃げるから」

 そしてスタジオ内の方へ振り返ると大声で叫んだ。


 (MUSIC)OST:EMERGENCY,ALERT=RED,II


 「この建物を放火しようとしている人がいるって。みんな、逃げるよ」ー

 廊下へ出ると躊躇なく火災非常ベルのボタンを押した。


陽一:

 (環境音)棟内の非常ベル、足音

 2階端の方で火の手が上がるのが見えたが、あまり火勢は強くなかった。消防車が来れば問題なくすぐ鎮火するだろう。

 中央玄関から棟内にいた生徒たちが外へ飛び出してきた。

 香久耶かぐや達も出て来たのを確認すると犯人を追って中に入ろうとしたが、

 犯人らしき人影も逃げ出していく姿が見えたので立ち止まった。


 (MUSIC)C/O


 再び音がくぐもって聞えるようになり音が消えた。(まただ)


香久耶かぐや

 「陽一くん!」


陽一:

 香久耶かぐやが何か言っているけど聞き取れない。大声で言う。

 「ごめん。まだ終わってないから。また今度!」

 その場を離れて建物を曲がった。

 (暗転)


<部活センター棟 廊下>

陽一:

 薄暗い部活センター棟の玄関エントランスに一人立っていた。

 ここは玲佳れいか香久耶かぐやとまた状況が違った。

 きっと理里香りりかの所だ。ここではまだ何も起きていないらしい。


建物裏手:

 電動グラインダーで壁面に沿った配管を切る電気設備工事の服装の人影。


職員室:

 非常警報設備の受信機で唐突に煙感知器のエラーが出ている。

 職員室にいた数名の先生方が集まって困惑している。


部活センター棟の廊下:

陽一:

 (深い呼吸)

 (MUSIC)OST:THRILL,THIRILLER,VI


犯人:

 陽一を刺そうと影から飛び出してきた。


陽一:

 「!」

 間一髪でかわした陽一。


理里香りりか

 職員室にでも用事があったのか部活センター棟へ戻って来た。

 陽一を襲おうとしている怪しい人影を見た理里香りりかはエントランスに立て掛けられていたバールを手に取ると背後から回り込んで犯人の腕を叩いてナイフをはたき落とした。

(新山注:バールで背後から頭狙ったりしたら人は下手したら死ぬ。理里香りりかは武道の心得があってそういう事を知っている子です)


犯人:

 (絶叫)

 すかさず陽一が正面から殴り倒して気絶させた。

 (MUSIC)C/O


陽一:

 「理里香りりかさん、ありがとう。……なんでそんな武器があるの?」


理里香りりか

 (MUSIC)OST:RIRIKA,BRAVE,FENCER,II

 (得意げに)「へへーん。ここのドア、無理して閉めると開かなくなる事があるから置いてあるのよ。で、こいつは何?」


陽一:

 「放火犯。この辺りで連続放火しているらしいってクラスメイトが言っていて帰りに人影を見て気になったから追って来た」


理里香りりか

 「男の子だねえ」


陽一:

 しゃがむと気絶している犯人のポケットなど探った。

 「問題はこいつが放火の道具持ってないという事」


理里香りりか

 「もう仕掛けた?」


陽一:

 (頷く)

 「逃げる時に俺と鉢合わせしたなら、装置仕掛けたならもう何も持ってない。……非常ベルを鳴らしてみんなを避難させた方がいい」


理里香りりか

 「だね」

 (MUSIC)C/O

 (MUSIC)OST:ESCAPE,NOT TRAINING!

 壁の非常ベルのボタンを押す。

 「鳴らない。……なんか細工されたみたい」


陽一:

 「二手に分かれて怪しい物がないか探しつつ、部屋にいる人に逃げろって言って回るというのは?」


理里香りりか

 「それしか手はなさそう。私、上の階にいるバンドの連中に手伝わせて触れて回るから」


陽一:

 「じゃあ、俺は下の階から。怪しい物見つけたら触れずに大声で知らせて」


理里香りりか

 「そういう段取りになるかな。君も触るんじゃないよ。じゃあ、また後で」

 階段を1つ飛ばしで駆け上がっていく。


陽一:

 「理里香りりかさんも気をつけて」

 (MUSIC)F/O


<部活センター棟 2階廊下>

陽一:

 怪しい物をあっさり見つけた陽一。

 それは廊下転がっていた消火器に見えた。

 でも先ほどのものと違って真新しすぎた。


 (MUSIC)OST:EMERGENCY,ALERT=RED,BOMB


 「理里香りりかさーん」


 (遠くから「なに。4階と3階と声は掛けたよ」)


 「2階に消火器に見える不審物がある。そっちはない?」


 (「ないよ。ドアを閉めないようにするとかみんな部室で使ってるから入れ替えられてたり、勝手に置かれたら気付くし」)


 「了解。……2階、どなたかいますか?放火の仕掛けされている可能性があるので、いたら返事して下さい」


 (「陽一くーん。2階は校舎で活動する文化部の倉庫だから通常人はいないはず」)


 「わかった。でも念の為確認して回るから」


 ドアは全て鍵が掛かっていて人のいる気配はなかった。

 消火器爆弾は部活センター棟2階中央階段の両袖に1個ずつ置かれていた。

 中央階段まで戻るとポツポツと生徒が降りて行く。

 陽一は両側の防火シャッターを手動で下ろすボタンを押した。


 (効果音)シャッターの降りる音

 (MUSIC)C/O


理里香りりか

 階段を降りて来た。

 「陽一くん。上には吹部の連中がいたからもう少しかかるよ。あそこ人数は多いから」


陽一:

 「防火シャッター閉めたから仕掛けられたのがこのフロアだけなら大丈夫」

 (効果音)2回爆発。シャッターがガシャと膨れる。

 「……ほら、大丈夫だった。俺たちも出よう」


理里香りりか

 「間一髪だし思った以上の威力じゃないの」


陽一:

 (MUSIC)OST:RETURN TO MY LINE


 理里香りりかの後ろで階段を降りて行く。

 再び音がくぐもり、聞こえなくなる。

 「理里香りりかさん、ごめん。また会える日まで」


 (MUSIC)C/O


理里香りりか

 外へ飛び出て建物から離れてから振り返った。

 2階の窓は割れて一部では火災が起きているのが見えた。


 「ねえ、陽一くん。これ建物上の階に延焼しない?っていない?え、陽一?」

(暗転)

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