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私達の最良の時/私達は幸いなる少数  作者: MV E.Satow maru
第1章 私達の最良の時
32/79

2020年5月23日土曜日 深江キャンパス音楽祭(3)

古城こじょうミフユ


 最後の曲の演奏を終えるととってもありがたい事に声援と拍手に見送られて私達は楽屋へ引っ込んだ。もう汗だく。


 みんなでとりあえずスポーツドリンクで「おつかれー」を一気飲みした。

朱里しゅり先輩が私の方に手を回すと耳元で言ってきた。


「ありがとね。ちーちゃんが来てくれたからここに戻って来れた。一番いい歌声出せてたよ」

「いや、先輩の作ってくれたこの衣装が私の背中を押してくれたからですよ」

「古城さん、口上手いんだから」


先輩はニヤリとすると「もう一本いっとこうかな」とスポーツ飲料を探しに行った。


 比嘉さんことふーちゃんは私の側に来ると両手で握手。


「続けてくれるよね?あなたのための歌、私も作りたいしさ」


とりあえず笑顔で返しておいた。そういう気持ちがない訳じゃないけど。流石に無責任な答えはしたくない。


 摩耶まーやと目線があった。思わずハグした。


「『Finest hour in my life』、とっても大好き。喉の調子良くなったら二人で歌わない?」


思わず言ってしまった。


「なんか私の持ち歌取られちゃうなあ。けど、いいよ。っていうか私もやってみたいなあって思ってたし」


顔を見合わせると二人で笑顔になった。


 そんな事をやっていると楽屋のドアがノックされたのでドアの近くにいた私が出た。


「はーい」


 そういってドアを開けると押しかけてきた妹と親友たちがいた。

まずミアキが飛びついて来た。


「お姉ちゃん、音痴卒業?」


え、どこで気付いたの?と思う前に、まず姉にそれかい!。


 陽子ちゃんと肇くんはそんな私達姉妹を見ながらニヤニヤ。


「良かったよ」とは陽子ちゃん。

「隠さなきゃもっと褒めたよ」と肇くん。


 マミちゃんは私に何か疑われていると思っているみたい。


「バラしちゃいないけどね。バレた」

『とは言えすごく良かった。また歌ってよ、ねっ』

ミアキは「お姉ちゃん」、他の三人は『冬ちゃん!』と言ってくれた。


なんで妹とか陽子ちゃん、肇くんにバレてるのかなあと苦笑するしかなかった。マミちゃんの方を見ると本当に言ってないからとか口だけ動かしてるし。


「恥ずかしかったのよ。こんなに喜んでくれるって思ってなかったし。ごめんね」


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