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スト―キング実咲 その①

この幕間は裏話です。

時系列は三章の最初に戻っています。



 日曜日。


 夏月が指定されていた日にちだ。


 夏月が危ない目に合わないように絶対に阻止してやるんだ!

 

 そう意気込み私、高原実咲は行動を開始した。


 情報収集は家の使用人に任せ、実際に行動するのは自分でだ。


 友達を助けるのは自分の力で何とかしたい。


 その気持ちが私を軽く暴走状態にしていた。


「さすがに早起きしすぎたかな?」

 

 現在の時刻は朝の七時。


 どう考えても早すぎだ。


 夏月はもう起きているだろうが、美香がこの時間に起床することは不可能と断言できる。


 付き合いの短い私も分かってしまう。


「さて、準備でもしましょうかね」

 

 私はそう呟きながら自分の部屋から出た。




              ・・・




 颯爽と自室を出たはいいんだけど、使用人たちに外出を止められた。


「どうして外に行っちゃダメなのよ!」

 

 私は不満げに言い放つ。


「申し上げにくいのですが・・・」


「なによ!」


「実咲様の御恰好は少々奇抜過ぎます」

 

 私はそう言われて自分の今の服装を見下ろす。


「どこがよ!それに今回の外出内容を考えればこの格好が妥当でしょ!」

 

 今の私の恰好は昨日徹夜でネットの情報を探して見つけた隠密スタイルの服だ。


「そんな明らかに尾行してますと自己主張している探偵服を着て行ったら職務質問されてしまいます!本当におやめください!」

 

 その言葉に他の使用人たちもぶんぶんと縦に首を振っている。


「そ、そんなに変なの?この服装」


「申し訳ございません。実咲様が補導されるのは私共も嫌でございますから」


「む~」


 私はむくれながら渋々部屋に戻って普段着ている服にサングラスという格好に変えた。


「これでいいでしょ!」


『はい。何の問題もありません!』

 

 そう言って使用人たちは深々とその場で深々と一礼する。


「行ってくるわ!」


『いってらっしゃいませ!』




               ・・・




 すでに夏月たちが家を出て、商店街に向かったという情報を夏月を見張らせていた者にもらった私はそのまま商店街に車を向かわせる。


 商店街は私の家からそんなに離れていないのですぐに着いた。


「予定よりも三十分も遅れちゃったわ」

 

 本来は夏月よりも先に商店街に着いているつもりだったのだ。


 そんなことは置いておくとして、腕時計を見ながら車を出る。


「それにしても・・・。フフッ。美香さんも女の子だなぁ」

 

 商店街に向かったと教えてもらった見張りの者に、別々に家を出たという情報も一緒に知らされていた。


「さて、早く二人を見つけないと」

 

 周りを見渡す。


 やはり、商店街は人が多い。


 流石、近所で人気なだけある。


 見つけるのは難しいだろうな。


「おい。あっちにめちゃくちゃ美人な娘がいたから見に行こうぜ!」


 通行人が友人相手にそう話しているところを聞こえてきた。


 美香さんかもと思い、その通行人が向かった方向に行く。


 ある程度進むと、人だかりが出来ていた。


 人をかき分けて見えるところまで行くと、夏月と美香さんが不良に絡まれていた。


 その状況だけで大体どうしてこうなったのか理解できる。


 どうせ美香さんをナンパしようとしたが呆気なくフラれたのだろう。


 それでも食い下がる不良たちにイライラし出したところに夏月が合流でもしたのだろう。


 不良たちも美香さんの夏月と自分たちの態度の差にイライラし出し、原因である夏月にも絡みだした。


 大方こんなところだろう。


 助けようかなと思い、前に出ようとしたところでついに美香さんがキレた。


 不良たちはあえなく撃沈。


 ボコボコだ。


(これはこれ、別に夏月を助けなくてもいいんじゃ・・・)

 

 ついそんな考えが頭をよぎるが、こういうのは気持ちの問題だ。


 私は尾行を続ける。(ただし、ストーカーではない)

 




読んでくれて感謝です。

次の話もよろしくお願いします。

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