二話 レストランで遭遇(物騒なことではない・・・多分)
騒ぎから抜け出して最初にやって来たのは電車で一駅先にあるちょっとお高い感じのレストランだ。
本当はさっきの商店街でお昼を食べようと思ってたんだけど、流石にそれは難しい。
まあ、あんなに騒いだのだから仕方ない。
というわけで知り合いの経営しているレストランに電話して速攻で予約を取ったのだ。
というかぶっちゃけここは山田の家が経営している店だ。
家に遊びに行ったときに父親と仲良くなり、意気投合したのだ。
「お待ちしておりました、高波様。どうぞこちらへ」
そう言って迎えてくれたのはクラスメイトの女の子、秋山さんだ。
山田の実家が経営していることを知らないらしく、普通にバイトとして働いている。
「びっくり。高波くんが来るなんて思わなかったよ。しかもデートだなんて」
席に案内した秋山さんは僕にこっそり話しかけてきた。
「ははは。このことは内緒でお願い」
姉弟と言ってもよかったのだが、そう言うと姉さんが拗ねかねない。
「うん。分かった。・・・。ゴホン!それではこちらがメニューになります。お決まりになられましたらお呼び下さい」
秋山さんはそう言って下がった。
「さっきの子とずいぶん仲良さそうだったね?」
あ、やば。
姉さんから殺気が出てる。
デートだからかいつもより沸点が低い。
肌がチリチリするからやめて・・・。
「クラスメイトだよ、姉さん。それにここ、僕の友達の家が経営している店なんだ」
そう言うと姉さんは殺気を収めた。
「ふう。よかった。せっかくナツを独占できるのに早くも敵が現れたかと思ったよ」
「物騒なこと言うな~。今日は本当に姉さんとだけだよ?ほら。そんなことより早くメニューを決めよ。お腹空いちゃったよ」
「んふふ。そうね。」
姉さんの機嫌が直った。
それから注文をして食事が来るのを待つ。
「姉さん、さっきから何してんの・・・」
注文が終わってから姉さんは席を通り過ぎるウェイトレスの女の子達に殺気を出していた。
素人のウェイトレスさん達は変な寒気が出るだけだろう。
だけど、近くで余波を浴びる僕はたまったもんじゃない。
「だって~。最初のナツのクラスメイトさんとの仲良さそうな感じを見たら女の子がみんな私の敵に見えて」
物騒過ぎる。
「大丈夫だよ。秋山さんはたまに手伝いに来る助っ人さんのことが好きらしいよ」
「誰なの?まさかナツじゃないわよね⁉」
めっちゃ興奮しとる。
「落ち着いて。僕じゃなくて僕の友達の山田のことだよ」
「それってたまにナツが話してくれる友達のことよね?」
「うん。ここが山田の家が経営していることは内緒だからね」
姉さんに断りを入れて話し出す。
「あいつ、結構使える人材らしくってよくお父さんに手伝いを頼まれるらしいんだ。でも、秋山さんがいるからバレないように変装して手伝ってんだよね」
眼鏡とカツラしてるだけだけど。
クラスメイトなのにな~、秋山さん。
あんな顔を見れば疑問に思うくらいはしそうなものだけど。
鈍いんだな~。
「そこでさっきの秋山さんが山田君に惚れちゃった?」
「うん。なんか性質の悪いお客に絡まれたらしくって。その時に山田が助けたら惚れちゃったんだって」
「へぇ~。でも、なんでナツはそんなに詳しいの?」
「山田のお父さんに聞いた。お父さんは他のウェイトレスさんに聞いたらしいけど」
「なかなか面白いわね」
姉さんはそう言って笑った。
「でしょ?しかも、学校でのあの二人、敬遠の仲なんだよ」
まあ、しょっちゅうケンカしているわけじゃなくて集団行動とかで毎回意見が食い違うからなんだけどね。
だから、普段はお互いにクラスでも干渉しようとはしない。
「まるで少女漫画ね!」
姉さんは目をキラキラさせている。
「そういうわけで秋山さんとはただの友達ってこと。分かってくれた?」
「ええ。もう殺気を放つのはやめるわ」
と、そこでちょうど注文した料理が来た。
「それではごゆっくり」
そう言って席を離れるウェイトレスさん。
「それじゃあ、食べながら次に行く場所教えてよ」
僕がそう言うと姉さんはちょっと残念そうに
「ナツに喜んでもらえるように行く場所は内緒にしてサプライズ感を楽しんでもらおうと思ってたんだけど・・・」
と、そこまで言うと姉さんは何かにハッと気づいた。
「そうよね!ナツと次に行く場所を一緒に考えながらも楽しいわよね!」
「え⁉でもいいの?昨日から行く場所考えてたじゃん」
そう。
昨日から母さんに相談していたのは元より、夜にトイレに起きた時にも姉さんは起きていた。
要するに今日の姉さんは徹夜明けなのだ。
「いいの!だって私が考えるよりナツと二人で考えた方が楽しいに決まっているもの!」
この言葉には僕も赤面だ。
「じゃあ、一緒に考えよう」
そうして食事をしながら二人でこの後の計画を話しながら会話を楽しんだ。
読んでくれて感謝です。
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