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一話 待ち合わせ

三章開始です。

これからもよろしくお願いします。



 家から一緒の方がいいと僕は思ったのだが姉さんが「デートっぽくないから却下」となったので町に一人繰り出した。


 そんなわけで僕は待ち合わせの場所である商店街の入り口に来ていた。


 時刻はお昼前だ。


「姉さん来てるかな?」

 

 家で姉さんが出ているかは確認せず出てきたから自分が先に来ているかどうかも分からない。


「ん?」

 

 辺りを見渡していると人混みが出来ているところがあった。


 何だが嫌な予感がしてきた。


 どうしよう。


「もしかしたらもしかするかもしれないし。見に行くか」

 

 人混みに向かい、隙間からこっそりと覗くと残念ながら僕の予感は的中していた。


「私、連れがいるってさっきから言ってるんだけど、聞こえてないのかしら?」


「あんた、さっきからずっと待ってんじゃん。そんな待たせる奴ほっといて俺達と一緒に遊ぼうぜ」

 

 姉さんがいかにもなチャラ男達に絡まれていた。


 まあ、話しかけているのは一人だけだし、他は取り巻きっぽいけど。


 なんだかなぁ。


 この後、こういう連中の相手は嫌ってほどするのに。


 まあ、仕方ないか。


 姉さんの見た目だし。


 この人混みも姉さんの見た目で騒いでいたからだろう。


(まあ、姉さんなら即撃退するだろうし。僕が出て行っても事態が大きくなるだけだな。急いでこの場を離れるかな)

 

 僕はこっそりと離れようとした。


 が、僕は姉さんを侮っていた。


「あ!おーい!ナツ~。待ってたわよ~」

 

 ここまで姉さんのセンサーが優秀だとは思わなかった。


 本当に人間離れしてきてるな。

 

 仕方なく姉さんの元に向かう。


「なんだよ。こいつがあんたの連れか?」


「そうだよ。僕達もう行っていい?」

 

 そう言って姉さんの手を握り、その場を離れようとする僕。


 ちなみに、このときの姉さん最近の姉さんの笑顔の中で一番輝いていた。


 普段、僕に抱き着いてきているくせに僕が手を握ったときの方が嬉しそうにするってどういうことだ。


 抱き着きの方が難易度高いだろうに。


「ここまで粘って、はいそうですかっていくわけねーだろ!」

 

 そう言って僕と繋いでいた姉さんの手を強引に取る。

 

 ブチッ


「あ、やば」

 

 僕が何かが切れる音を聞いた瞬間、即座にその場を離れる。


 例えだよ?


 本当に切れたわけじゃないよ?


「おい、なんだ?ビビったか?」


「ええ。ヤバそうなので僕は離れますね」

 

 そう言って数歩下がる。


「なんだぁぐぼおおおおお!」

 

 上に軽く吹っ飛ぶチャラ男。


 それを目で追う僕とチャラ男の取り巻き。


 観客と化していたギャラリーは「オォ」と感嘆していた。


「せっかくナツが繋いでくれた手になんてことを‼一生洗わないつもりだったのに!」


「いや、洗ってよ。そんなことになっちゃうならいくらでも繋いであげるよ・・・」

 

 ゲッソリする僕。


「ほら、行くよ」

 

 そう言って僕は今度こそ姉さんの手を掴み、その場を離れる。


「えへへ~。また繋いでくれた~」

 

 この言葉で流石に不憫に感じてしまった。


 今回、デートしてよかった。


 これからはもうちょっと優しくしてあげよう。


 常識の範囲内では、だけど。


 そう思った一幕だった。


 ちなみに、吹っ飛んだチャラ男は数日の入院で済みました。





読んでくれて感謝です。

次の話もよろしくお願いします。

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