九話 説得?説教?
今回、普段より多いです。
話を切る場所が・・・。
そんなわけで、少し長くなってはいますが、今回の話をどうぞ!
次の日。
「ふぁ~。朝か」
僕は時計を見て時間を確認する。
「もう5時か」
僕は身支度をしてキッチンに行く。
「さて、今日の朝ごはんは、っと」
僕が朝ごはんを考えていると高原さんが起きてきた。
「おはよう」
「おはよう」
お互いに朝のあいさつをして高原さんはテーブルについた。
「今日も僕は学校に行くから、もし何かあったら姉さんを頼ってね。あの人どうやら学校に家の都合で少し長めに休むって申請しているらしいから」
「わ、分かったわ」
高原さんは同意する。
「でも、妙な動きをしている時、特に僕がらみのことには首を突っ込まないように。それか、止めれそうなら止めて。お願い」
「え、ええ」
流石に昨日、あんなものを見せられたら頷かざるえないだろう。
「じゃあ、もうすぐ朝食が出来るから僕は姉さんを起こしてくるね」
「あれ?イメージだと早起きするタイプの人だと思っていたんだけど」
「ああ。姉さんは朝にかなり弱いんだよ」
僕は困ったように続ける。
「しかも、僕が起こさないと起きないっていう条件もある」
「?じゃあどうやって寮から学校に通っているの?」
「毎日、僕の声を聞くために専用携帯を姉さんは所持している」
「は、はははは・・・」
苦笑もここまで来ると声も消えるのか・・・。
「まあ、僕にとってはこれが日課のようなものになっているんだけどね」
「色々苦労しているのね」
「うん。まあ」
ちなみに、昨日はうっかり忘れていた。
おかげで遅刻したらしい。
お互いに笑っていたがもうあまり時間がない。
「じゃあ、僕は姉さんを起こしてくるから先に食べてて」
「分かったわ」
そうして僕はキッチンから出て、姉さんの部屋に行った。
姉さんの部屋に着き、ドアをノックする。
「姉さ~ん。入るよ」
僕は姉さんの部屋に入る。
案の定、どこに隠していたのか、僕の抱き枕を抱いて寝ている。
「姉さん。朝だよ。起きて」
「う~~ん。ナツの声がする」
「いいから、起きてよ姉さん」
「もうちょっとこのままでいさせて~」
僕は困り果てて仕方なく言う。
「姉さん。僕、好きな人が出来たんだ」
「何!!!???どこの誰だ!!!私のナツを盗ろうとする泥棒猫は!!!!」
「おはよう。姉さん」
「どこにいるの?その子は!!!」
姉さんが猫みたいにフシャーー‼と威嚇した。
「嘘に決まっているじゃないか。さっさと着替えてキッチンに来てね」
「・・・。は~い」
僕はキッチンに帰りながらあることを思い出した。
「やばっ!父さんたち、帰ってきてたんだった」
僕は急いでキッチンに向かった。
しかし、時すでに遅し。
なにやら聞きなれない声が怒鳴っていた。
「こんなところで何をしている!!」
「お父様の考えに反対して友人であった高波美香さんのお家に少々滞在させて頂いただけです!」
僕がこっそりとキッチンを覗くと高原さんのお父さん(予想)が高原さんに怒鳴っていた。
僕が目を離した隙に見つかったらしい。
どうやら高原さんのお父さんも早起きらしい。
「どうしても考え直してくれないのですね。お父様」
「ああ。そんなに嫌なら彼氏の一人でも連れて来い!!」
「分かりました。ならばいればいいのですね?」
「ああ。もっともそんな相手がいればな」
「ええ!いますとも!」
僕は成り行きを見守ろうと息を呑んでいるとビックリすることを高原さんは言い出した。
「ここの家にいる高波夏月よ!」
「ちょっとぉ!?」
僕はビックリしてキッチンのドアを勢いよく開く。
「僕、いつ高原さんの彼氏になったの!?」
僕が突然入って来たことに驚きながらも平然と言い放つ。
「今さっき」
「もう、好きとか嫌いとかいう問題すら軽く飛び越えたよね!?」
「これで私たち彼氏彼女」
「僕はOK出した憶えがないんですけど・・・」
「決定事項です」
「すでに手遅れです、みたいに言っているけど姉さんを完全に敵にまわすよ?」
「うっ!」
「僕、姉さんが完全にキレているところ一度だけ見たことがあるんだぁ」
僕は急にそのころを思い出しながら言う。
後先考えずにいい加減なことを言っているんだ。
いい脅しになるだろう。
「あの時は、泥棒が侵入してきたんだ。そのとき、ちょうど僕と姉さんしかいなくって、でも姉さんだけでも守らなくちゃって思って泥棒に挑んだんだ」
気が付けば高原さんのお父さんも一緒に僕の話に聞いていた。
好奇心旺盛なのは親子らしいことだ。
僕の話の続きが気になり出したらしい。
「でも、所詮子供がかなう相手じゃなくて、見事に捕まって人質になったんだ」
後ろで姉さんが来る気配がする。
この気配は間違いない。
僕は長年の姉さんの抱擁と言う名の襲撃によって姉さんの気配にだけは敏感になっているのだ。
「でも、泥棒がうっかり僕の腕を軽く切っちゃったんだ。そうした瞬間、」
ドアがギギッと開く。
「姉さんが泥棒を半殺しにしたんだ。しかもお子様にはお店出来ないくらいギリギリの瀬戸際まで」
僕はキッチンにある窓まで歩いて行き、外を見て遠い目をする。
「あまりの恐怖と痛みに泥棒自身が勝手に警察署に逃げ込んで行ったんだ。その証拠にほら、あそこに警察から賞状と賞状をもらった時の写真があるでしょ?」
僕はキッチンの壁に提げられている賞状と写真を指差す。
何故キッチンにあるかはお察しだ。
姉さんが「ナツが普段一番いる場所に置いておくの!」と言って強引に場所に合わないキッチンに置かれたのだ。
その写真には僕が話した通り。
姉さんは賞状を貰えたことを嬉しそうにしながらもまだ、興奮から冷めないといった状態だった。
若干その目は泥棒に対する怒気と僕を守ったという興奮が混じったような感じだ。
写真を見た二人もそれは感じたらしく、仲良くブルブルと震えだしていた。
まあ、子供がする目じゃないよね、あれは。
僕は話し終え、二人が扉に意識を向けるように僕自身が扉の近くに移動する。
その瞬間、
「ナツ~」
姉さんが入って来た。
「「ひっ!」」
僕の話に二人ともしっかり怯えていた。
そのため、シンクロしながら入ってきた姉さんに怯えていた。
「まあ、それはいいとして。姉さん」
僕は姉さんを呼ぶ。
「何?」
僕の所にトコトコと来る。
「食事を持っていってくれない?」
「分かったわ」
姉さんがキッチンから出て行った。
「そ、それでも!!」
高原さんは足をダン!!とする。
「あなたは私の彼氏!これは決定事項!!」
僕はため息を漏らす。
「それで僕は一体何をすればいいの?」
さっきの話で流せないことを残念に思いながらも聞いた。
「彼氏をやってくれればいいの!」
「でもさっきの話を聞くと本当の彼氏じゃなきゃ意味無いでしょ?」
「うっ!」
「それに、もしそれで僕が分かったって言ったって高原さんのお父さんと僕の姉さんが良しとしないし」
あの自他ともに認めるブラコンがそれを許すはずがない。
「うぅっ!!」
「大体、悲しいだけでしょ?そんなので彼氏が出来るなんて」
「!!!・・・。うっ!ううっ!ううわあああああああああああんんん!!!」
しまった。
ついつい泣かしてしまった。
「わわわっ!ごめんごめん。でも、僕の言っていることは分かるでしょ?」
僕は自分の言い分を理解してもらうために優しく答えを促した。
「うぅっ。・・・うん」
「それならよし」
僕は高原さんのお父さんに向き直る。
目の力も使う。
「それと、高原さんのお父さん」
「う、うむ」
「流石に強引過ぎます。もう少し娘さんの気持ちにもなってあげてください」
「だが、これは私たちだけの問題ではないし・・・」
「当人をほったらかしにすることは根本的に間違っています」
「た、確かにそうだが・・・」
僕は目で読んだ高原さんのお父さんの気にしているところ、つまりは弱点をどんどん突いていく。
しかし、流石は父さんたちの友人。
高原さんのお父さんは食い下がる。
だがしかし、余裕は与えまいと僕はそのままフィニッシュを決めにかかる。
「それに父親なら娘を手放したくはないはずです。娘が可愛くないんですか!?」
「ぐあっ!」
高原さんのお父さんはその言葉でノックアウトしたようだ。
「せめて娘さんに相手について知る時間や選ぶ権利を与えてやってあげてください」
「うぅ。はい」
すっかり僕の言葉攻めにまいったのか承諾してくれた。
「さあ。これでいいよね?」
僕は高原さんに向かって言う。
「えっ?あ、え?」
高原さんはこの状況について来れていないようだ。
「もう、無理な要求はしないってさ」
「あ!ありがとう!」
「いえいえ」
そうしていると姉さんが帰ってきた。
「あれ?もう終わった?」
「うん。さあ、僕はもう少し朝食の量を増やして行くから先に行ってて」
「「はい」」
「は~い(/・ω・)/」
なんか、姉さんがまた変なことをしている気がしたがもうスルーだ。
ツッコミなんてもういいや。(涙)
もう何をしても無駄な気がしてきた。
自暴自棄はここまでにしておいて。
僕はせっせと朝食の増量に専念した。
読んでくれて感謝です。
次の話もよろしくお願いします。




