02 新婚旅行初日の朝
前回の話を不快に思った方には申し訳ございませんでした。
彼らが今後どんな形で関わってくるのか、続きを読んで頂けると嬉しいです。
あと活動報告にも書いたのですが、ネット小説大賞に応募した関係で、ユーザー様限定で一時的に感想欄を開放しました。
誹謗、中傷、ネタバレなどは禁止でお願い致します。
もちろん「もう読みません」といった内容を含んだものも禁止とさせて頂きます。
また、作者が返信するのは内容面についてのご指摘と、ネット小説大賞関係者様からの感想のみとさせて頂きます。
誤字は感想欄ではなく誤字報告のみでお願い致します。
細かな理由などは活動報告をお読みください。
この話からシェリル視点です。
主な登場人物は後書きに記載してあります。
キャラの事を忘れた方はそちらをご覧ください。
※
お詫び行脚も無事終わり、だんだん冬の気配を感じる様になった頃、ある計画が実行された。
「シェリル!! 新婚旅行の日程決まったよ~!!」
私の部屋に飛び込む様に入ってきたのは次期領主であり私の夫のフィランダー。
どうやら執務が早く終わり、私の部屋に直行したらしい。
「ちょっと落ち着いてフィランダー。まずは座って」
私はソファーへ促すとフィランダーはウキウキしながら腰を降ろす。
その正面に私が座ると、彼は一枚の紙をテーブルに置いた。
「視察も兼ねているから一緒に周れないところもあるけど、大体の日程はこれだよ」
新婚旅行先はヘインズ領内の西側。領都があるのは王都にほど近い東側にあるのでなかなか目が行き届かないのだ。
「三週間!?」
領内だし一週間で済むと思ってた。
「それは多めに取っているだけ。シェリルの体調も考えなきゃだろう? ヘインズの西の大都市まで行くのにもここから二日はかかるし、今回はその奥に行く予定だからさらに一日かかる。これくらいとっておいて当然だよ」
「……お世話かけます」
「シェリルとの新婚旅行だよ? 多く取るに決まってるでしょ」
「本当はひと月取りたかった」と口を尖らせるフィランダー。だがそれは使用人達が許してはくれないだろう。案の定、隣にいたトミーは苦笑いを浮かべていた。
「視察に行くところはあまりないんだ。西の都市には顔を出すだけだし……ランガ村が最終目的地。あそこは最近あまり行けてない地域だから見ておきたいんだよね」
ランガ村は西の大都市から北側にある土地。
お詫び行脚の時に酒屋を経営していたリンジーという女性の故郷だ。
果物が豊富にあるためワインの生産地としても名高いのだが、フィランダーが行く時はいつも時間が足りなく視察から除外する事も多いのだという。
「報告は聞いてるし、年に一回は領館の担当者に行ってもらってるんだけど、やっぱり自分の目でも見たいしね」
「そういえば蜂蜜が採れるのよね。楽しみ」
「美味しいものも豊富にあるところだからね。シェリル食べるの好きだろう?」
「うん」
「素朴な味かもしれないけど、美味しいと思うよ。素材自体が良いからね」
「なんだかお腹が空いてきた……」
「もうそろそろ夕食の時間ですし、移動しましょうか?」
トミーが私達を食堂へと促した。
新婚旅行当日。
体調も万全。
またフィランダーと添い寝を始めた時は体調が悪くなるのではと心配したけど、そんな事はなくホッとした。
「シェリル様。調子が良さそうですね」
「うん。これなら大丈夫かも」
「それは良かったです。こちら本日のお召しものです」
ネルに渡されたのは水色のワンピース。
今回はお忍びで行く事にしたから普段着ているものにした。
「カツラもお忘れなく」
セリーナが持っていたのはストレートでロングスタイルの茶髪のカツラ。フィランダーの父であるパトリックから賜ったものだ。
私の頭にそれを被せると、髪は茶色、瞳は黒のテナーキオ人になった。
「これで私もテナーキオ人ね」
「完璧です。シェリル様」
「これなら普通に外を歩けそうですね」
「シェリル様。そろそろ時間です」
そう言ったのは旅行中のみ私の護衛騎士になるルースだ。
今日の彼女は冒険者風の格好をしている。
他の侍女達も侍女服でなくワンピース姿だ。
「うん。皆、行きましょうか」
私の号令で皆一緒に玄関へと向かった。
「シェリル! とっても似合ってるよ!!」
先に玄関に到着していた私の夫であるフィランダーは私の姿を見るなり笑顔で褒める。
反対に私は彼を見た途端、旅行に行くのが嫌になってしまった。
「……フィランダーは貴族臭が抜けないね」
「え……」
今日のフィランダーは私と同じ色のカツラを被り、商人の様な格好をしている。平民で自身の馬車に乗っているのは商人くらいだからだ。
だけど彼は平民ではなく、もう佇まいが貴族そのものだった。
「はぁ。……私と並ぶと旦那様と使用人ね」
「え~? そんな事は……」
「良くて兄と妹?」
「じゃなくて、平民の夫婦でしょ!?」
「どこが」
彼的には平民の夫婦を目指したらしいが、どうしても平民には見えない。
「若。やっぱり冒険者風にすれば良かったんじゃありません?」
「ですね。その方がまだ平民に見えます」
「分かった! すぐ着替えてくる」
トミーとユーインに言われるとフィランダーはすぐに部屋に駆け戻る。
「若、早いです!」
苦言を言いつつトミーがあとを追った。
「服は大丈夫なのかしら?」
「詰めてある服はどちらも対応が効くものにしてあるはずです。途中で買っても良いですし。どちらが良いか迷っていたらしいですよ」
私のつぶやきに答えたのは副執事長のユーインだ。
見送りに来てくれたらしい。
「じゃあすぐ来るわね」
「シェリル様」
声をかけられ振り向くとそこには副侍女長のコリーンが立っていた。
「お見送りに参りました。遅くなり申し訳ございません」
「コリーン。忙しいならいいのに……」
「いえ……実は」
「コリーン」
ユーインが話を遮ると、コリーンは「あっ」と口を押さえる。
「何?」
「いえ。お楽しみはとっておくものだと思いまして」
何だろう? お楽しみって……。
訝しむ間にフィランダーとトミーが帰ってきた。
「お待たせ」
「うん。……さっきよりはマシになったけど……」
「お忍びのお嬢様と平民に扮している護衛騎士……ってところでしょうか」
「これでシェリルと一緒にいれるよね」
「お待ちください。シェリル様の護衛騎士は私です!」
我慢できなかったルースが手を挙げて訴える。
「この旅行中は俺が護衛騎士になる」
「……シェリル様。三人の護衛がついたお嬢様になってしまいますが、よろしいでしょうか?」
そういうトミーも今日は護衛騎士の格好だ。
「……よろしくないわね。私、どれだけ高貴な人になってるの?」
「シェリル。次期侯爵夫人って事忘れてない?」
「それでもこれはやり過ぎだと思うのよ」
「ただ、もう時間がありませんし……これで行きましょう」
「シェリル様は病弱なのですから案外このくらい護衛が居てもおかしくないかもしれません」
うっ! 否定出来ない。
もう出発時間になるので馬車に向かおうとすると、フィランダーが待ったをかけた。
「あ、ちょっと待って。今回の同行者を紹介するから」
「え? 他にもいるの?」
「うん。今呼ぶからね」
天井を見上げてフィランダーは口を開いた。
登場人物紹介
貴族ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 シェリル・ヘインズ
所属 貴族 次期ヘインズ侯爵夫人 元アストリー伯爵令嬢
年齢 18歳
容姿
・髪 ストレートの黒髪
・瞳 黒色
・体型 AAAカップ やや引き締まった身体
・顔 可愛い系の平凡な顔
・身長 162cm
魔法 なし
備考 この作品の主人公 フィランダーの妻
名前 フィランダー・ヘインズ
所属 貴族 次期ヘインズ侯爵
年齢 25歳
容姿
・髪 ゆるウェーブの金髪
・瞳 水色
・体型 ヒョロッとした身体(細マッチョ)
・顔 軽薄そうな顔 イケメン
・身長 180cm
魔法 水魔法 高
備考 シェリルの夫 社交界では『遊び人』で有名
使用人ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 トミー
所属 平民 ヘインズ家侍従
年齢 25歳
容姿
・髪 ゆるウェーブの水色
・瞳 深い青色
・体型 中肉中背(細マッチョ)
・顔 童顔 可愛い系の美形
・身長 172cm
魔法 水魔法 中
備考 既婚 フィランダーの侍従 ジェレミーの弟
名前 ネル
所属 平民 ヘインズ家侍女
年齢 23歳
容姿
・髪 ストレートの紺色
・瞳 水色
・体型 Fカップ 標準
・顔 魅惑的な顔 タレ目 ぼってりした唇 美人
・身長 162cm
魔法 水魔法 中
備考 シェリルの三人の侍女の一人 ユーインの妻
名前 セリーナ
所属 平民 ヘインズ家侍女
年齢 22歳
容姿
・髪 ゆるウェーブの暗めの赤髪
・瞳 黒色
・体型 Eカップ 引き締まっている
・顔 キリッとしたシャープな美人
・身長 165cm
魔法 炎魔法 中
備考 シェリルの三人の侍女の一人 バーナビーの妻
名前 ルース
所属 平民 ヘインズ家侍女
年齢 20歳
容姿
・髪 ストレートの暗めの緑色
・瞳 黒色
・体型 Dカップ 引き締まっている
・顔 泣きボクロ 可愛い系の美人
・身長 172cm
魔法 風魔法 中
備考 シェリルの三人の侍女の一人 ニールの妻 シェリルの護衛騎士
名前 ユーイン
所属 平民 ヘインズ家副執事長
年齢 28歳
容姿
・髪 ストレートの明るい黄み寄りのオレンジ
・瞳 黒色
・体型 中肉中背(細マッチョ)
・顔 目が切れ長の美形
・身長 178cm
魔法 雷魔法 中
備考 ネルの夫
名前 コリーン
所属 平民 ヘインズ家副侍女長
年齢 26歳
容姿
・髪 癖の強い茶髪
・瞳 緑色
・体型 Bカップ 痩せ型
・顔 一重 そばかす顔
・身長 158cm
魔法 風魔法 中
備考 クリフの妻




